記事を出してもリードが取れない企業が増えている
記事によるリード獲得とは何か。記事でリード獲得するには施策の量より戦略設計が重要であり、ターゲット・USP・訴求軸を構造化して全記事に一貫反映させる仕組みを持つことで、商談につながるリードを獲得できます。
「記事は定期的に出しているのに、なかなかリードが取れない」「リードは取れても商談につながらない」——こうした課題を抱えるBtoB企業のマーケティング担当者は少なくありません。
リード(見込み客) とは、自社の製品・サービスに関心を持つ可能性のある見込み顧客で、会社名・連絡先等の情報を入手した状態を指します。
2025年のある調査によると、BtoB企業の41.1%がリード獲得数で理想未達と回答しています(n=107、自己申告ベース)。さらに、リード質で理想未達と回答した企業は48.6%に達し、2024年比で7.6ポイント増加しています。
この記事で分かること
- リード獲得の基本概念とナーチャリングまでの流れ
- 記事コンテンツによるリード獲得方法と施策比較
- 記事を量産しても成果が出ない原因と失敗パターン
- リード獲得につながる記事の戦略設計とチェックリスト
リード獲得の基本|見込み客の分類とナーチャリングの流れ
リード獲得から商談化までには、見込み客の分類と育成プロセスを理解することが重要です。記事コンテンツはこのプロセスの入口を担う施策です。
リード(見込み客)の定義と分類
リードは、その状態によってMQLとSQLに分類されるのが一般的です。
MQL(Marketing Qualified Lead) とは、マーケティング活動で獲得・育成され、営業に引き渡す基準を満たした見込み顧客を指します。
SQL(Sales Qualified Lead) とは、営業がアプローチすべきと判断した、商談化可能性の高い見込み顧客を指します。
記事コンテンツで獲得したリードは、まだ購買意欲が明確でない段階が多いため、そのまま営業に渡しても商談化しにくいケースがあります。そのため、MQLからSQLへと育成するナーチャリングが重要になります。
リード獲得からナーチャリング・商談化までの流れ
リードナーチャリングとは、獲得した見込み顧客に継続的に情報提供し、購買意欲を高めて商談化につなげるマーケティングプロセスです。リードスコアリングは、見込み顧客の属性・行動を点数化し、商談化率の高いホットリードを選定する手法として活用されます。
記事コンテンツ→リード獲得→ナーチャリング→MQL判定→SQL判定→商談化という流れが基本です。調査によると、リードの育成が難しいと回答した企業が29.9%に達しており(n=107、自己申告ベース)、獲得だけでなく育成プロセスの設計も課題となっています。
記事コンテンツによるリード獲得方法と施策比較
記事コンテンツによるリード獲得は、検索経由の見込み客を獲得できる点が強みです。調査によると、BtoBマーケティングで新規リード獲得数を最重要KPIとする企業は32.1%で、その理由として58.0%が「マーケティングでコントロール可能」と回答しています。
【比較表】記事施策別リード獲得効果比較表
| 施策 | リード獲得までの期間 | 初期コスト | 継続コスト | リードの質 | 商談化率 |
|---|---|---|---|---|---|
| ブログ記事+ホワイトペーパー | 中〜長期 | 中 | 低 | 中〜高 | 中 |
| SEO記事 | 長期 | 中 | 低 | 高 | 高 |
| 広告LP | 短期 | 高 | 高 | 低〜中 | 低〜中 |
| ウェビナー | 短〜中期 | 中 | 中 | 高 | 高 |
| SNS発信 | 中期 | 低 | 低 | 低〜中 | 低 |
ブログ記事とホワイトペーパーの組み合わせ
ブログ記事で検索経由のアクセスを獲得し、ホワイトペーパーダウンロードでリード情報を取得する2段階設計が効果的です。
ブログ記事は読者の課題や疑問に応える情報提供を行い、信頼関係を構築します。その上で、より詳細な情報やノウハウをまとめたホワイトペーパーへの導線を設置し、メールアドレスや会社名の入力と引き換えにダウンロードできる形式にします。
この設計では、単にアクセスを集めるだけでなく、自社のコンテンツに価値を感じた見込み客の情報を獲得できる点がメリットです。
検索経由リードの強み
検索経由のリードは、アウトバウンド施策と比較して商談化しやすい傾向があります。グローバル統計では、検索経由リードの成約率は14.6%に達するとされています(アウトバウンドの1-2%と比較、日本市場への適用は参考程度)。
自ら情報を探して記事にたどり着いたユーザーは、課題を認識し解決策を求めている段階にあります。そのため、適切なコンテンツと導線設計があれば、商談につながりやすいリードを獲得できます。
ある企業では、コンテンツマーケティングにより月間セッション6.6倍、リード獲得数2.4倍を達成した事例もあります。
記事を量産しても成果が出ない原因
記事を量産すればリードが増えると考え、戦略設計や品質管理を後回しにした結果、PVは増えてもCVにつながらない記事の山を作ってしまう——これは典型的な失敗パターンです。
調査によると、リード質で理想未達と回答した企業は48.6%に達し、前年比で7.6ポイント増加しています(n=107、自己申告ベース)。量産アプローチの限界が見えてきていると言えます。
ターゲットに刺さらない記事の問題
リード質未達の原因として最も多く挙げられたのは「施策がターゲットに刺さっていない」で38.5%に達しました(n=52と小サンプルながら、傾向として参考になります)。
戦略設計なしで記事を量産すると、「誰に・何を・なぜ伝えるか」が曖昧なままコンテンツが増えていきます。担当者やライターが変わるたびに訴求ポイントがずれ、結果として「誰にも刺さらない」記事が積み上がります。
アクセスは集まっても、自社のサービスに本当に関心を持つ見込み客には届いていない——これが量産アプローチの落とし穴です。
PVは増えてもCVにつながらない落とし穴
PV(ページビュー)は増えているのに、問い合わせや資料請求につながらない。この状態は、記事の集客力とCVへの導線設計が乖離していることを示しています。
記事を量産すると、キーワードの幅が広がりPV自体は増えやすくなります。しかし、自社のターゲットとは異なる読者が増えても、商談にはつながりません。CV率が低い記事を量産し続けると、リソースを消費するだけで成果が出ない状態に陥ります。
リード獲得につながる記事の戦略設計
量産ではなく戦略設計によって成果を出すためには、ターゲット・USP・訴求軸を明確にし、全記事に一貫して反映させる仕組みが必要です。
【チェックリスト】リード獲得につながる記事設計チェックリスト
- ターゲットペルソナ(業種・役職・課題)が具体的に定義されている
- 自社のUSP(独自の強み)が明文化されている
- 記事のゴール(資料DL・問い合わせ等)が明確である
- ターゲットの検索意図を反映したキーワードを選定している
- 記事の訴求軸がUSPと連動している
- CVポイント(ホワイトペーパー・CTAボタン等)への導線が設計されている
- 記事ごとに主張がブレていないか確認している
- 読者の課題→解決策→自社サービスという流れが自然に設計されている
- MQL・SQLの基準が営業と合意されている
- 獲得後のナーチャリングフローが設計されている
- 記事の効果測定指標(PV、CV率、商談化率等)が設定されている
- 定期的に効果測定とPDCAを回す体制がある
ターゲット・USP・訴求軸の構造化
「誰に・何を・なぜ伝えるか」を明確にすることが戦略設計の第一歩です。
ターゲットは「BtoB企業のマーケティング担当者」のような抽象的な定義ではなく、業種・企業規模・役職・抱えている課題まで具体化します。USPは競合と比較した自社の独自の強みであり、これを全記事で一貫して訴求します。訴求軸は、ターゲットの課題とUSPを結びつける切り口です。
これらを構造化してドキュメント化しておくことで、担当者が変わっても一貫したコンテンツを制作できます。
全記事に一貫反映させる仕組み
戦略を立てても、個別の記事制作時に反映されなければ意味がありません。
記事制作前に「ターゲットシート」「USPシート」を参照するルールを設け、制作後のチェックリストで一貫性を確認するフローを作ります。外部ライターに依頼する場合も、これらの情報を共有することで品質を担保できます。
チェックリストを活用し、記事ごとに戦略との整合性を確認することで、量産しても一貫性を保ったコンテンツ群を構築できます。
まとめ|記事でリード獲得するための戦略設計のポイント
記事コンテンツによるリード獲得で成果を出すためには、量産アプローチではなく戦略設計が重要です。
本記事で解説したチェックリストを活用して、自社のターゲット・USP・訴求軸が構造化されているか確認してみてください。また、全記事に一貫して戦略が反映される仕組みがあるかどうかも重要なポイントです。
記事でリード獲得するには施策の量より戦略設計が重要であり、ターゲット・USP・訴求軸を構造化して全記事に一貫反映させる仕組みを持つことで、商談につながるリードを獲得できます。リード獲得後のナーチャリング体制も含めて設計することで、記事コンテンツの投資対効果を高められます。
