記事の景表法対応|NG表現の具体例とチェック体制の構築方法

著者: B2Bコンテンツマーケティング実践ガイド編集部公開日: 2026/1/1710分で読めます

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記事制作で景表法違反リスクが高まる背景

記事や広告コンテンツの景表法対応とは何か。結論から言えば、記事や広告コンテンツの景表法対応は、NG表現を暗記するだけでなく、制作フローにチェック体制を組み込み、全記事で一貫した基準を適用する仕組みを整えることで、違反リスクを軽減しながら効果的なコンテンツを継続的に発信できます。

「この表現は景表法に抵触しないだろうか」「担当者によってチェック基準がバラバラで不安」——BtoB企業のマーケティング担当者やコンテンツ制作担当者から、このような声を聞くことは少なくありません。

実際に景表法違反による行政処分は増加傾向にあります。令和5年度(2023年度)は44事業者が景表法違反で行政処分を受け、そのうち13事業者が不適切なNo.1表示関連でした。さらに2024年2〜3月の約2週間で、No.1表示関連で12社が措置命令を受ける集中摘発が実施されました。

措置命令とは、景表法違反に対して消費者庁が発する行政処分で、広告停止や訂正広告などを命じるものです。

なお、本記事は法的助言を目的としたものではありません。個別の表現が景表法に抵触するかどうかの判断については、弁護士等の専門家にご相談ください。

この記事で分かること

  • 景表法で禁止される表示の種類(優良誤認・有利誤認など)の基本
  • 記事・広告でのNG表現の具体例と処分事例
  • 景表法違反のペナルティとリスク
  • 制作フローに組み込む景表法チェック体制の構築方法

景表法で禁止される表示の種類を理解する

景表法(不当景品類及び不当表示防止法)で禁止される表示は、大きく「優良誤認表示」「有利誤認表示」「その他の不当表示」の3種類に分類されます。記事や広告を制作する際は、これらの基本概念を理解しておくことが重要です。

優良誤認表示とは、実際の品質・性能より著しく優良であると消費者に誤認させる表示です。景表法第5条1号で禁止されています。

有利誤認表示とは、実際より著しく有利(安い・お得)であると消費者に誤認させる表示です。景表法第5条2号で禁止されています。

No.1表示とは、「顧客満足度No.1」等の最上級表現を指します。合理的根拠がない場合は優良誤認表示として違反となります。

優良誤認表示と有利誤認表示の違い

優良誤認表示と有利誤認表示の違いは、誤認させる内容の対象です。優良誤認表示は「品質・性能」に関するもの、有利誤認表示は「価格・取引条件」に関するものという違いがあります。

品質面での誇大表現(「効果抜群」「業界最高品質」など)は優良誤認表示に該当する可能性があります。一方、価格面での誤解を招く表現(「通常価格より50%OFF」など、比較対象が不適切な場合)は有利誤認表示に該当する可能性があります。

記事・広告でのNG表現と具体例

記事や広告で景表法違反となりやすい表現には、一定のパターンがあります。実際の処分事例を参考に、どのような表現がNGとなるのかを理解しておくことが、違反リスクの軽減につながります。

【比較表】景表法で禁止される表示の種類と具体例比較表

表示の種類 定義 具体的なNG表現例 処分事例
優良誤認表示 品質・性能を著しく優良と誤認させる 「業界最高品質」「効果抜群」「他社の2倍の性能」(根拠なし) No.1表示関連で2023年度13事業者が処分
有利誤認表示 価格・取引条件を著しく有利と誤認させる 「通常価格○円→特別価格○円」(比較対象が架空) ジャパネットたかた5180万円課徴金(2020年)
No.1表示 最上級表現で優位性を主張 「顧客満足度No.1」「売上No.1」(実利用者調査なし) 2024年2〜3月に12社が措置命令
二重価格表示 価格比較で有利と誤認させる 「メーカー希望小売価格より○%OFF」(実際は異なる商品) 有利誤認表示として複数処分あり
根拠不十分な効果表示 効果・効能を断定的に主張 「必ず成果が出る」「確実に効果がある」 合理的根拠の提出命令の対象

ジャパネットたかた(令和2年12月)はエアコン広告の不当表示で5180万円の課徴金納付命令を受けた事例があります。これは有利誤認表示の典型的な処分事例です。

また、2024年2〜3月の約2週間で、No.1表示関連で12社が措置命令を受ける集中摘発が実施されました。これは優良誤認表示に対する取り締まり強化の一例です。

「調査会社に依頼すれば責任を回避できる」という考え方は誤りです。 調査会社を利用しても、広告主(事業者)自身が全責任を負います。調査会社は処分対象外であり、広告主が根拠資料の客観性を事前に確認する必要があります。

No.1表示の注意点と実利用者調査の必要性

No.1表示を使用する場合は、実利用者を対象とした調査に基づき、調査対象・方法を広告に明記する必要があります。令和5年度(2023年度)は44事業者が景表法違反で行政処分を受け、そのうち13事業者が不適切なNo.1表示関連でした。

イメージ調査(実際にサービスを利用していない人を対象とした調査)ではなく、実利用者を対象とした調査でなければ、合理的根拠として認められないケースが多いとされています。

景表法違反のペナルティとリスク

景表法違反のペナルティは、措置命令、課徴金納付命令、刑事罰の3段階があります。2024年10月施行の改正法で罰則が強化され、事業規模に関係なく処分対象となります。

課徴金納付命令とは、景表法違反事業者に対して売上額の一定割合を国庫に納付させる金銭的制裁です。景表法の課徴金は対象売上額の3%で、再違反(過去10年以内)の場合は4.5%に加重されます。

刑事罰については、景表法違反の刑事罰は、個人で2年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金、法人は3億円以下の罰金が上限とされています。

「小規模事業者なら処分されない」という考え方は誤りです。 売上規模に関係なく措置命令・課徴金の対象になります。

改正景表法で強化された罰則規定

2024年10月施行の改正景表法で、故意の優良・有利誤認表示に対して100万円以下の罰金を科す直罰規定が導入されました。従来は行政処分が中心でしたが、悪質な違反については刑事罰が直接科される仕組みが整備されています。

なお、改正法施行後の統計はまだ集計されていないため、今後違反件数や処分件数が変動する可能性があります。

制作フローに組み込む景表法チェック体制

景表法違反を防ぐには、担当者ごとの個別判断ではなく、制作フローにチェック体制を組み込む仕組みが有効です。NG表現を暗記して個人が判断する方法では、担当者ごとに基準がバラバラになり、チェック漏れや一貫性のない品質管理につながってしまいます。

景表法のNG表現リストを担当者が個別に暗記・判断しようとすることは、よくある失敗パターンです。 この方法では担当者ごとに基準がバラバラになり、チェック漏れや一貫性のない品質管理になってしまいます。制作フローに組み込む仕組み化が解決策です。

消費者庁が公開している執行事例データベースを活用し、過去の処分事例を確認することで、自社の表現がリスクを含んでいないかをチェックできます。

【チェックリスト】記事制作時の景表法チェックリスト

  • 優良誤認表示に該当する表現がないか確認した
  • 有利誤認表示に該当する表現がないか確認した
  • No.1表示を使用する場合、実利用者調査に基づいているか確認した
  • No.1表示を使用する場合、調査対象・方法を明記しているか確認した
  • 二重価格表示の比較対象が適切か確認した
  • 「業界最高」「No.1」等の最上級表現に合理的根拠があるか確認した
  • 効果・効能の断定的表現を避けているか確認した
  • 数値データに根拠(出典)があるか確認した
  • 比較広告の比較対象が公正か確認した
  • 「必ず」「確実に」等の保証表現を避けているか確認した
  • 消費者庁の執行事例データベースで類似表現の処分事例を確認した
  • 第三者(法務担当または外部専門家)のレビューを受けたか確認した
  • 外注先に景表法チェック基準を共有しているか確認した
  • 根拠資料を保管しているか確認した
  • 最終公開前に再度チェックしたか確認した

チーム運用と外注時の品質担保

組織的な体制構築には、チェックリストの共有、レビュー体制の整備、外注先への教育が重要です。外注先に記事制作を依頼する場合でも、広告主が全責任を負うため、景表法チェック基準の共有が必須です。

具体的な体制構築のポイントは以下のとおりです。

  • チェックリストの共有: 本記事のチェックリストを社内・外注先で共有
  • レビュー体制: 公開前に法務担当または外部専門家によるレビューを実施
  • 外注先への教育: 景表法の基本と自社のチェック基準を外注先に説明
  • 根拠資料の保管: 数値データや調査結果の根拠資料を保管

まとめ|仕組み化で景表法違反リスクを軽減する

本記事では、記事や広告コンテンツにおける景表法対応の基本と、制作フローに組み込むチェック体制について解説しました。

要点の整理

  • 景表法で禁止される表示は「優良誤認表示」「有利誤認表示」「その他の不当表示」の3種類
  • 令和5年度(2023年度)は44事業者が行政処分を受け、そのうち13事業者がNo.1表示関連
  • 2024年改正で直罰規定が導入され、故意の違反には100万円以下の罰金
  • 課徴金は対象売上額の3%(再違反は4.5%)、刑事罰は法人で最大3億円
  • 制作フローにチェック体制を組み込む仕組み化が違反リスク軽減の鍵

まずは本記事のチェックリストを活用して、自社の記事制作フローに景表法チェックを組み込むことを推奨します。

なお、本記事は法的助言ではありません。個別の表現が景表法に抵触するかどうかについては、弁護士等の専門家にご相談ください。

記事や広告コンテンツの景表法対応は、NG表現を暗記するだけでなく、制作フローにチェック体制を組み込み、全記事で一貫した基準を適用する仕組みを整えることで、違反リスクを軽減しながら効果的なコンテンツを継続的に発信できます。

「記事は出してるのに商談につながらない」を解決する。
御社を理解して書くから、刺さる。この記事はMediaSprintで作成しました。

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よくある質問

Q1景表法違反のペナルティはどのくらいですか?

A1課徴金は対象売上額の3%(再違反は4.5%)です。2024年10月施行の改正法で、故意の違反には100万円以下の罰金を科す直罰規定も導入されました。刑事罰は個人で2年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金、法人は3億円以下の罰金が上限です。

Q2No.1表示を使うときの注意点は?

A2実利用者を対象とした調査に基づき、調査対象・方法を広告に明記する必要があります。2023年度は13事業者がNo.1表示関連で行政処分を受けており、イメージ調査ではなく実利用者調査が必須です。調査会社に依頼しても広告主が全責任を負います。

Q3景表法違反で実際にあった処分事例は?

A32024年2〜3月には約2週間でNo.1表示関連で12社が措置命令を受ける集中摘発が実施されました。また2020年にはジャパネットたかたがエアコン広告の不当表示で5180万円の課徴金納付命令を受けた事例があります。

Q4記事制作で景表法違反を防ぐにはどうすればよいですか?

A4担当者ごとの個別判断ではなく、制作フローにチェック体制を組み込む仕組みが有効です。チェックリストの整備、公開前レビュー体制、消費者庁執行事例データベースでの過去事例確認を推奨します。外注時も広告主が全責任を負うため、基準の共有が必須です。

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B2Bコンテンツマーケティング実践ガイド編集部

「PVではなく商談につながる」をテーマに、BtoB企業のマーケ担当者へ実践ノウハウを発信。デシセンス株式会社が運営。