BtoBマーケティングコンサルで成果が出ない企業の共通点
先に答えを言うと、BtoBマーケティングコンサルで成果を出すには、コンサル会社の一覧比較ではなく、自社の戦略(ターゲット・USP・競合)を明確化し、その戦略が全施策に一貫反映される仕組みを整備できるパートナーを選ぶことが重要です。
2025年の調査によると、BtoBマーケティングコンサル活用に前向きな企業は約6割(58.8%)に上ります。内訳はスポット活用意向が40.0%、継続活用意向が18.8%で、依頼予定なしはわずか9.4%にとどまっています(担当者330名対象の民間調査)。
しかし、同じ調査ではコンサル活用時の課題として「実行力」の壁を悩む企業が半数以上に上り、「担当者のスキル不足」「コミュニケーションの齟齬」といった問題も報告されています。コンサルを活用しても、期待した成果が出ていない企業が少なくないのです。
この記事で分かること
- BtoBマーケティングコンサルの役割と支援内容の全体像
- コンサル会社のタイプ別特徴と選び方の基準
- 知名度や実績だけで選ぶと成果が出ない理由
- コンサル依頼前に整理すべき戦略設計チェックリスト
- コンサル会社との効果的なコミュニケーション方法
BtoBマーケティングコンサルの役割と支援内容
BtoBマーケティングコンサルとは、企業のマーケティング戦略立案から施策実行までを専門的に支援するサービスです。市場調査、ターゲット設定、コンテンツ制作、広告運用、MA導入支援など、幅広い領域をカバーしています。
BtoBマーケティング支援市場は2026年度に210億円に達すると予測されています(アイ・ティ・アール調査、2021年頃公表)。市場の成長とともに、支援サービスの選択肢も増えています。
MA(マーケティングオートメーション) とは、見込み顧客の獲得から育成、選別までを自動化・効率化するツール・仕組みです。コンサル会社によってはMA導入支援も提供しています。
主な支援内容は以下のとおりです。
- 戦略設計: ターゲット設定、ペルソナ作成、競合分析、USPの明確化
- 施策実行: コンテンツ制作、SEO対策、広告運用、SNS運用
- ツール導入: MA導入、CRM連携、データ分析基盤の構築
- 人材育成: 社内担当者のスキルアップ支援、ナレッジ移管
スポット活用と伴走型支援の違い
コンサルの活用形態には大きく分けて「スポット活用」と「伴走型支援」の2種類があります。
スポット活用とは、課題に応じて必要な時だけコンサルに依頼する活用形態です。常駐型・包括的契約と対比されます。2025年の調査によると、常駐型・包括的契約からスポット活用が主流になりつつあるとされています。
伴走型支援とは、戦略設計から運用まで一気通貫でクライアントを支援するコンサルティング形態です。中長期的な視点でマーケティング全体を最適化したい場合に適しています。
自社の課題が明確で、ピンポイントで解決したい場合はスポット活用が効率的です。一方、マーケティング全体の設計から見直したい場合や、社内にノウハウを蓄積したい場合は伴走型支援が向いています。
コンサル会社のタイプ別特徴と選び方
BtoBマーケティングコンサル会社は、その強みや支援スタイルによっていくつかのタイプに分類できます。自社の課題と照らし合わせて、最適なタイプを選ぶことが重要です。
前述の調査では、コンサル活用意向のうちスポット活用が40.0%、継続活用が18.8%と、活用形態にも幅があります。自社のニーズに合った形態を選択しましょう。
【比較表】コンサル会社タイプ別比較表
| タイプ | 特徴 | 向いている企業 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 戦略特化型 | 戦略設計・市場分析が強み | 方向性を定めたい企業 | 実行は自社または別途委託が必要 |
| 施策実行型 | コンテンツ制作・広告運用が得意 | 戦略は決まっている企業 | 戦略設計のサポートは限定的 |
| 伴走型(総合) | 戦略〜実行まで一気通貫 | 全体最適を目指す企業 | 費用は高めになる傾向 |
| 専門特化型 | SEO/MA/広告など特定領域に特化 | 課題が明確な企業 | 他領域との連携は別途調整が必要 |
| ツール提供型 | MAやCRMなどツール導入が中心 | ツール活用を進めたい企業 | 戦略設計は付随的な場合が多い |
タイプ選びで重要なのは、自社の現状と課題を正しく把握することです。「戦略が曖昧で施策がバラバラ」という状態なら戦略特化型や伴走型が適しています。「戦略は明確だがリソースが足りない」なら施策実行型が効率的です。
知名度や実績だけで選ぶと成果が出ない理由
コンサル会社の知名度や実績一覧だけで選べば成果が出るという考え方は誤りです。自社の戦略設計が曖昧なまま依頼すると、各施策がバラバラになり、PVは増えても商談・受注につながらない結果に終わりやすいのです。
2025年の調査によると、BtoB企業でリード獲得の「質」に課題を感じる割合は約50%に上ります(2024年比で7.6ポイント増加)。対策として「ターゲット見直し」が36.6%、「データ分析強化」が24.7%、「コンテンツ見直し」が22.6%と上位に挙げられています。
このデータが示すのは、「量」ではなく「質」の課題が深刻化しているということです。コンサルに依頼してPV数やリード数は増えたものの、商談につながるリードが増えていない——そんな状況に陥っている企業が多いのです。
戦略の一貫性がないとなぜ商談につながらないか
戦略の一貫性がない状態でコンサルに依頼すると、施策ごとにターゲットやメッセージがブレてしまいます。
例えば、SEO記事では「コスト削減」を訴求し、広告では「売上向上」を訴求し、メールでは「業務効率化」を訴求する——このような状態では、見込み客にとって「この会社が何を提供してくれるのか」が分かりません。
ターゲット・USP・競合の3C(顧客・自社・競合)が曖昧なままだと、以下のような問題が発生します。
- 各施策でメッセージがブレ、見込み客の認識がバラバラになる
- PVやリード数は増えても、商談化率が上がらない
- 施策ごとの効果測定が難しく、改善の方向性が見えない
- コンサル会社との認識ズレが生じ、期待した成果が出ない
コンサル依頼前に整理すべき戦略設計のポイント
コンサル活用で成果を出すには、依頼前に自社の戦略を整理しておくことが不可欠です。前述の調査でリード質向上の対策として「ターゲット見直し」が36.6%と最も多く挙げられていることからも、戦略設計の重要性がわかります。
以下のチェックリストを活用し、コンサル依頼前に自社の状況を点検してください。
【チェックリスト】コンサル依頼前の戦略設計チェックリスト
- ターゲット顧客のペルソナが具体的に定義されている
- ターゲット企業の業種・規模・課題が明確になっている
- ターゲットの意思決定プロセスを把握している
- 自社のUSP(独自の強み・差別化ポイント)が言語化されている
- 競合他社のサービス内容・強み・弱みを分析している
- 競合との差別化ポイントが明確になっている
- 現状のマーケティング課題を具体的に把握している
- 課題の優先順位が整理されている
- マーケティングの目標(KGI/KPI)が設定されている
- 目標達成に必要なリード数・商談数を逆算している
- 社内のマーケティングリソース(人員・予算)を把握している
- コンサルに期待する成果・役割を言語化できている
- 社内の意思決定者・承認フローが明確になっている
- コンサルと定期的にレビューを行う体制を想定している
- 成果測定の方法・タイミングを決めている
このチェックリストの項目が埋まらない状態でコンサルに依頼しても、「丸投げ」になってしまい、期待した成果は得られにくいです。まずは自社で整理できる部分を明確にした上で、足りない部分をコンサルに補ってもらうという姿勢が重要です。
コンサル会社との効果的なコミュニケーション方法
コンサル活用時の課題として「実行力」の壁を悩む企業が半数以上に上り、「コミュニケーションの齟齬」も報告されています。成果を出すには、コンサル会社との認識合わせが欠かせません。
効果的なコミュニケーションのポイントは以下のとおりです。
- 戦略情報の共有: 上記チェックリストで整理した内容をコンサル会社と共有する
- 期待値のすり合わせ: 何をゴールとするか、いつまでにどんな成果を期待するかを明確にする
- 定期的なレビュー: 週次または隔週で進捗確認と方向性の調整を行う
- フィードバックの明確化: 成果物に対するフィードバックは具体的に伝える
- 社内巻き込み: 営業部門など関連部署との連携を意識する
まとめ:成果を出すBtoBマーケティングコンサルの選び方
本記事では、BtoBマーケティングコンサルの選び方と活用法について解説しました。
本記事のポイント
- 約6割の企業がコンサル活用に前向きだが、半数以上が「実行力の壁」を経験している
- コンサル会社はタイプ別に特徴が異なり、自社の課題に合った選択が重要
- 知名度や実績だけで選んでも、自社の戦略が曖昧なら成果は出にくい
- 依頼前にターゲット・USP・競合を整理し、チェックリストで自社状況を点検する
- コンサル会社との認識合わせと定期的なコミュニケーションが成功の鍵
BtoBマーケティングコンサルで成果を出すには、コンサル会社の一覧比較ではなく、自社の戦略(ターゲット・USP・競合)を明確化し、その戦略が全施策に一貫反映される仕組みを整備できるパートナーを選ぶことが重要です。本記事で紹介したチェックリストを活用し、まずは自社の戦略を整理することから始めてみてください。
