BtoBマーケティングKPI設定|32%がリード偏重で陥る失敗と解決策

著者: B2Bコンテンツマーケティング実践ガイド編集部公開日: 2026/1/189分で読めます

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BtoBマーケティングのKPI設定で成果が出ない原因とは

KPIを設定してマーケティングを実施しているが、PVやリード数は増えても商談・受注につながらない——この課題を解決したいなら、BtoBマーケティングのKPI設計は、PV・リード数だけでなく商談化率・受注率を起点に逆算し、戦略(ターゲット・USP)との一貫性を担保することで成果につながります。

2024年の調査によると、BtoBマーケティング担当者の32.1%が「新規リード獲得数」を最も重視するKPIとして挙げています(調査対象は限定的)。一方で、「受注率」を最重視すると回答したのは11.1%にとどまり、「ウェブサイト訪問件数」「コンバージョン率」はそれぞれ7.9%です。この数字が示すように、多くの企業ではリード獲得という上流の指標に注目が集まる一方、商談化・受注という成果に直結する下流の指標は相対的に軽視される傾向があります。

この記事で分かること

  • KPI・KGI・KSFの関係性と、BtoBマーケティングにおける正しい設計方法
  • PV・リード数偏重の落とし穴と、商談化起点のKPI設計アプローチ
  • 施策別・フェーズ別の具体的なKPI例と設計表
  • KPIの運用・改善サイクルと営業連携の進め方

KPI・KGI・KSFの基本と関係性を理解する

KGI(Key Goal Indicator) とは、最終的な達成目標を示す指標です。BtoBでは年間売上高や新規顧客獲得数などを設定します。KPI(Key Performance Indicator) は、KGI達成に向けた中間プロセスを測定する指標で、マーケティング担当者がコントロール可能な数値を設定します。KSF(Key Success Factor) は、KGI達成に不可欠な成功要因であり、KPIを設定する際の基盤となる要素です。

これらの関係性を整理すると、KGI(最終目標)を達成するために必要なKSF(成功要因)を特定し、そのKSFを実現するためのKPI(中間指標)を設定する、という階層構造になります。KPIツリーとは、KGIを頂点に、各プロセスのKPIを階層的に分解・可視化したフレームワークです。

BtoBでの具体例を挙げると、KGIが「年間売上1億円」の場合、KSFとして「商談の質向上」「リードナーチャリングの強化」を設定し、KPIとして「MQL数」「商談化率」「受注率」などを追跡する形になります。

KGIから逆算するKPI設計の落とし穴

KGIから逆算してKPIを設定しても、PV・リード数など表面的な指標ばかり追いかけ、商談化・受注への貢献を可視化できないまま「数字は達成しているのに成果が出ない」状態に陥る——これがBtoBマーケティングでよくある失敗パターンです。

実際、新規リードを最重視する企業が抱える課題として、「頭打ち」46.4%、「コスト集中」46.4%、「営業から温度感が低いと指摘される」40.6%という結果が報告されています(調査対象は限定的、複数回答)。リード数という指標だけを追いかけていると、数は達成できても質が伴わず、営業部門との間で「マーケティングが獲得したリードが商談につながらない」という摩擦が生まれやすくなります。

商談化・受注起点のKPI設計アプローチ

商談化率・受注率を起点に逆算することで、成果につながるKPI設計が可能になります。リード獲得数を優先する理由として、「マーケティング施策でコントロール可能」58.0%、「経営側の要求」43.5%、「ナーチャリング前提」34.8%が挙げられています(調査対象は限定的、複数回答)。コントロールしやすい指標を追いたくなる気持ちは理解できますが、それだけでは成果に直結しません。

受注率向上の効果として、「売上増加」57.7%、「無駄な商談の減少」46.9%が期待されているという調査結果があります。つまり、受注率という下流の指標を改善することで、売上貢献と業務効率化の両方を実現できる可能性があります。

設計の考え方としては、受注→商談→MQL(Marketing Qualified Lead)→リードという順で逆算します。MQLとは、マーケティング活動によって創出された、一定の条件を満たす見込み顧客のことです。最終的に何件の受注が必要か、そのために何件の商談が必要か、商談を生むためにはどれだけのMQLが必要か、という逆算思考でKPIを設計することで、各指標が成果にどう貢献するかが明確になります。

【チェックリスト】BtoBマーケティングKPI設計チェックリスト

  • KGI(最終目標)を数値で明確に設定した
  • KGIから受注数→商談数→MQL数→リード数の順で逆算した
  • 各KPIの達成基準を数値で定義した
  • ターゲット顧客像(ペルソナ)を明文化した
  • 自社のUSP(独自の強み)を言語化した
  • KPIと戦略(ターゲット・USP)の整合性を確認した
  • 上流指標(リード数)と下流指標(受注率)の両方を設定した
  • 営業部門とKPIの定義・基準を共有した
  • MQLの定義(条件)を営業と合意した
  • KPIの計測方法・ツールを決定した
  • 定期的な振り返りのタイミングを設定した
  • KPI未達時の対応フローを決めた

戦略(ターゲット・USP)とKPIの連動を確保する

KPIを設定する際に見落としがちなのが、戦略との一貫性です。「誰に」「何を」「なぜ」伝えるのかという戦略要素とKPIが連動していなければ、指標を達成しても事業成果につながりません。

たとえば、ターゲットが「従業員500名以上の製造業」なのに、リード獲得施策が幅広い業種に向けた一般的なコンテンツばかりでは、リード数は増えてもターゲット外のリードが増えるだけです。戦略とKPIが乖離していると、数字は達成できても「質の低いリード」という課題が発生します。KPI設計時には、戦略との整合性を必ずチェックしてください。

施策別・フェーズ別のKPI設計例

BtoBマーケティングでは、認知→リード獲得→商談→受注という購買プロセスの各フェーズに応じたKPIを設定することが重要です。以下の表は、フェーズ別・施策別のKPI設計例をまとめたものです。

【比較表】施策別KPI設計表

フェーズ 施策例 KPI例 計測ポイント
認知・興味喚起 SEO、広告、オウンドメディア PV数、セッション数、検索順位 流入経路・キーワード
リード獲得 ホワイトペーパー、ウェビナー リード獲得数、CVR、CPA コンテンツ別・チャネル別
リード育成 メルマガ、ナーチャリング 開封率、クリック率、MQL転換率 セグメント別・コンテンツ別
商談・提案 インサイドセールス 商談化率、商談数、提案件数 リードソース別
受注・維持 フィールドセールス 受注率、受注件数、LTV 業種別・規模別

この表をベースに、自社の施策と照らし合わせてKPIを設計してください。すべてのKPIを一度に設定する必要はありません。まずは重要度の高いフェーズから始め、段階的に拡充していくアプローチが現実的です。

上流と下流のKPIをバランスよく設定する

前述の通り、BtoBマーケティング担当者の32.1%がリード獲得数を最重視する一方、受注率を最重視するのは11.1%にとどまります。この偏りが「数字は達成しているのに成果が出ない」状態を生む原因の一つです。

上流のKPI(PV、リード数)は短期的に成果が見えやすく、マーケティング部門単独でコントロールしやすいという特徴があります。しかし、上流だけを追っていると、最終的な事業成果との乖離が生まれます。下流のKPI(商談化率、受注率)も必ず設定し、両方をバランスよく追跡することで、マーケティング活動が事業成果に貢献しているかを可視化できます。

KPIの運用と継続的な改善サイクル

KPIは設定して終わりではなく、継続的な運用と改善が必要です。リードの質向上施策として、「コンテンツ見直し」50.5%、「営業への顧客情報共有」34.7%が実施されているという調査結果があります。KPIの達成状況を定期的に振り返り、課題があれば施策を見直すサイクルを回すことが重要です。

具体的には、月次でKPIの達成状況を確認し、未達の指標があればその原因を分析します。マーケティング・営業・カスタマーサクセスの各部門でKPIを共有し、全体最適の視点で改善策を検討することが効果的です。

営業との連携でKPIの質を高める

「営業から温度感が低いと指摘される」という課題を抱える企業が40.6%あるという調査結果は、マーケティングと営業の連携不足を示しています。この課題への対策として、「営業への顧客情報共有」(34.7%が実施)が挙げられています。

マーケティングが獲得したリードについて、営業からフィードバックを受ける仕組みを作ることで、リードの質を継続的に改善できます。たとえば、商談後に「このリードはなぜ失注したか」「どんなリードが商談化しやすいか」といった情報を営業から収集し、MQLの定義やコンテンツ戦略に反映させます。このサイクルを回すことで、KPIの「量」だけでなく「質」も向上していきます。

まとめ:成果につながるBtoBマーケティングKPI設計の要点

BtoBマーケティングのKPI設計で成果を出すためのポイントを整理します。

  • KGI→KSF→KPIの階層構造を理解し、逆算思考で設計する
  • PV・リード数だけでなく、商談化率・受注率という下流の指標も必ず設定する
  • 戦略(ターゲット・USP)とKPIの一貫性を担保する
  • 施策別・フェーズ別にKPIを整理し、全体像を可視化する
  • 営業との連携を強化し、リードの質を継続的に改善する

まずは本記事で紹介したチェックリストと施策別KPI設計表を活用して、自社のKPIを見直してみてください。現状のKPIが「量」に偏っていないか、戦略との整合性が取れているかを確認することが、成果につながるKPI設計の第一歩です。

BtoBマーケティングのKPI設計は、PV・リード数だけでなく商談化率・受注率を起点に逆算し、戦略(ターゲット・USP)との一貫性を担保することで成果につながります。

「記事は出してるのに商談につながらない」を解決する。
御社を理解して書くから、刺さる。この記事はMediaSprintで作成しました。

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よくある質問

Q1BtoBマーケティングで最も重視すべきKPIは何か?

A1調査ではBtoBマーケティング担当者の32.1%が「新規リード獲得数」を最重視していますが、それだけでは不十分です。受注率(11.1%が最重視)や商談化率も同時に追跡し、上流(リード数)と下流(受注率)のバランスを取ることが成果につながります。

Q2KPIを設定してもリードが商談につながらない原因は?

A2リード数など上流の指標だけを追い、質を可視化していないことが主因です。調査では46.4%がリード頭打ちを経験し、40.6%が「温度感が低い」と営業から指摘されています。コンテンツ見直し(50.5%が実施)や営業との情報共有(34.7%が実施)で質を改善できます。

Q3KPI設定で営業との連携はなぜ重要か?

A3マーケティングがリードを獲得しても、営業から「温度感が低い」と指摘されるケースが40.6%あります。営業への顧客情報共有(34.7%が実施)により、リードの質を向上させ、商談化率を高められます。商談後のフィードバックをMQL定義に反映させることが効果的です。

Q4受注率を重視するメリットは何か?

A4受注率向上により「売上増加」(57.7%が期待)と「無駄な商談の減少」(46.9%が期待)が見込めます。リード数だけでなく、商談・受注への貢献を可視化することで、マーケティング活動が事業成果にどう貢献しているかを明確にできます。

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B2Bコンテンツマーケティング実践ガイド編集部

「PVではなく商談につながる」をテーマに、BtoB企業のマーケ担当者へ実践ノウハウを発信。デシセンス株式会社が運営。