記事制作が続かないのは「やる気」の問題ではない
記事制作が続かないのは「やる気」や「ネタ」の問題ではなく、戦略不在と公開フローの未整備が根本原因であり、個人の努力ではなく仕組みで解決すべき問題です。これが本記事の結論です。
「オウンドメディアを始めたが、いつの間にか更新が止まってしまった」「担当者が忙しくなると記事が公開されなくなる」。BtoB企業のマーケティング担当者であれば、こうした経験をお持ちの方は少なくないでしょう。
2025年の調査によると、目標達成に十分な予算がある企業はわずか18.8%で、61.6%が予算不足と回答しています。リソース制約がある中で記事制作を続けるのは、担当者の「やる気」だけでは難しいのが現実です。
しかし、問題の本質は「やる気」でも「根性」でもありません。戦略と仕組みが整備されていないことが根本原因です。
この記事で分かること
- 担当者頼みの運用が失敗する構造的な理由
- 記事制作が続かない原因と仕組みによる解決策
- 戦略設計で「何を書くか」を明確にする方法
- 公開フローの整備で継続する体制の作り方
- 記事制作継続のための仕組み化チェックリスト
担当者頼みの運用が失敗する構造的な理由
個人の努力やモチベーション管理で記事制作を続けようとするのは、典型的な失敗パターンです。担当者頼みの運用では、異動・退職・繁忙期のたびに更新が止まり、結局継続できません。
「担当者のAさんが頑張っていたから更新できていたが、Aさんが異動したら止まった」という話は珍しくありません。これは個人の問題ではなく、組織として継続する仕組みがなかったという構造的な問題です。
戦略不在がもたらす「何を書けばいいか分からない」問題
KGI(Key Goal Indicator) とは、最終目標を示す指標です。売上目標や受注件数など、事業成果を測定するものを指します。KPI(Key Performance Indicator) とは、KGI達成に向けた中間目標です。リード獲得数や商談化率などプロセスを測定します。
これらが設定されていないと、「何を書くべきか」が判断できません。ネタ切れの本質は「ネタがない」ことではなく、「目的が不明確」なことです。目的が明確であれば、顧客の課題やよくある質問から書くべきテーマは自然と見つかります。
公開フローの未整備が生む「下書きのまま放置」問題
記事を書いても公開されなければ成果にはつながりません。「誰が承認するのか」「どのレベルで公開していいのか」が曖昧だと、下書きのまま放置されてしまいます。
「完璧な記事を目指すあまり公開できない」という状況も同様です。公開判断の基準がないと、担当者は「これで本当に良いのか」と悩み続け、結果として公開が遅れます。
記事制作が続かない原因と仕組みによる解決策
記事制作が続かない原因は、大きく分けて「戦略面」「体制面」「フロー面」の3つに整理できます。それぞれの原因に対して、個人の努力ではなく仕組みで解決することが重要です。
2025年の調査では、BtoBマーケティング施策の投資対効果において「受注金額」まで追跡している企業は全体の30.2%のみという結果があります。成果指標が不明確なまま記事を書き続けても、モチベーションを維持することは困難です。
【比較表】記事制作が続かない原因と仕組みによる解決策対応表
| 原因 | 症状 | 仕組みによる解決策 |
|---|---|---|
| 戦略の不在 | 何を書けばいいか分からず手が止まる | ターゲット・テーマ・目的を明文化し共有する |
| 目標指標の未設定 | 成果が見えずモチベーションが下がる | KGI・KPIを設定し定期的に振り返る |
| 公開判断基準の不明確 | 下書きが放置され公開されない | 公開基準を明文化しレビュー担当者を決める |
| リソース不足 | 担当者の負担が大きく疲弊する | 外部リソースを活用し社内は戦略に集中する |
| 属人化 | 担当者不在で更新が止まる | 複数人で運用できる体制と引き継ぎルールを整備する |
| 成果の不可視化 | 続ける意義を感じられなくなる | 月次で効果測定し改善サイクルを回す |
リソース不足を補う外部活用の考え方
少人数でも記事制作を継続するには、外部リソースの活用が有効です。すべてを内製しようとするのではなく、外注やAIツールを組み合わせることで、社内リソースを戦略設計やレビューに集中させることができます。
予算が限られる場合は、まず少ない本数から始めることをお勧めします。月に多くの記事を出すより、確実に公開・改善できる体制を整えることが継続の第一歩です。
戦略設計で「何を書くか」を明確にする
ネタ切れを防ぐには、戦略設計で「誰に」「何を」「なぜ」書くのかを明確にすることが重要です。これが明確になれば、書くべきテーマは顧客の課題や質問から自ずと見つかります。
MQL(Marketing Qualified Lead) とは、マーケティング活動で獲得し、営業に引き渡す基準を満たしたリードを指します。記事制作においても、PVやセッション数だけでなく、MQL獲得につながるコンテンツを設計する視点が重要です。
「PV・セッション数が増えれば成功」という認識は誤りです。受注につながらなければ、どれだけPVがあっても成果とは言えません。
ネタ切れを防ぐテーマ設計の仕組み化
ネタ切れを防ぐには、顧客接点からテーマを継続的に抽出する仕組みを作ることが効果的です。
具体的には以下のような情報源を活用します。
- 営業が商談で受けた質問・課題
- カスタマーサポートへの問い合わせ内容
- 既存顧客へのアンケート結果
- 競合サイトでよく扱われているテーマ
これらの情報をテーマとしてストックし、優先順位を付けて計画的に記事化していく仕組みがあれば、「何を書けばいいか分からない」という状況を防げます。
公開フローの整備で「作って終わり」を防ぐ
記事を作成しても、公開されなければ成果にはつながりません。公開フローを整備し、レビュー体制と公開判断基準を明確にすることが継続の鍵です。
LTV(Life Time Value) とは、顧客生涯価値を指し、1顧客が取引期間全体でもたらす利益の総額です。記事制作においても、短期的なPVだけでなく、LTV向上につながる継続的な関係構築を意識したコンテンツ設計が重要です。
記事制作後のフォロー(インサイドセールス連携など)を仕組み化している企業は、成果向上につなげている傾向があります。「作って終わり」ではなく、制作後の活用プロセスまで設計することが大切です。
【チェックリスト】記事制作継続のための仕組み化チェックリスト
- ターゲット顧客(誰に)が明文化されている
- 記事のテーマ(何を)が戦略に基づいて決められている
- 記事制作の目的(なぜ)が明確になっている
- KGI・KPIが設定され共有されている
- テーマのストック・管理方法が決まっている
- 記事作成の担当者が明確になっている
- レビュー担当者が決まっている
- 公開判断の基準が明文化されている
- 公開までのスケジュール・フローが設計されている
- 複数人で運用できる体制になっている
- 引き継ぎルール・ドキュメントが整備されている
- 外部リソース活用の方針が決まっている
- 月次で効果測定する仕組みがある
- 改善サイクルを回す振り返りの場が設定されている
- 制作後の活用プロセス(営業連携等)が設計されている
公開後の効果測定と改善サイクル
記事を公開して終わりではなく、効果測定と改善のサイクルを回すことが継続につながります。
2025年の調査では、BtoBマーケティング施策の投資対効果において「受注金額」まで追跡している企業は全体の30.2%のみという結果があります。つまり、多くの企業は施策の成果を十分に把握できていない状況です。
月次や四半期での振り返りを設定し、どの記事がリード獲得・商談につながったかを可視化することで、「続ける意義」を実感でき、モチベーション維持にもつながります。
まとめ:仕組みがあれば記事制作は継続できる
本記事では、記事制作が続かない原因と、仕組みで解決する方法について解説しました。
ポイントを整理すると以下の通りです。
- 記事制作が続かないのは「やる気」ではなく「仕組み」の問題
- 担当者頼みの属人化した運用では、異動・退職・繁忙期で更新が止まる
- 戦略設計で「誰に・何を・なぜ」を明確にすればネタ切れは防げる
- 公開フローの整備でレビュー体制と公開基準を明確にする
- 効果測定と改善サイクルを回すことで継続のモチベーションを維持する
記事制作が続かないのは「やる気」や「ネタ」の問題ではなく、戦略不在と公開フローの未整備が根本原因であり、個人の努力ではなく仕組みで解決すべき問題です。
本記事で紹介したチェックリストを活用して、自社の仕組み化状況を確認してみてください。担当者頼みの運用から脱却し、組織として継続できる体制を構築することで、記事制作は必ず続けられるようになります。
