コンテンツマーケティングのファネル設計|成果を分ける一貫性の作り方

著者: B2Bコンテンツマーケティング実践ガイド編集部公開日: 2026/1/1410分で読めます

「記事は出してるのに商談につながらない」を解決する。
御社を理解して書くから、刺さる。この記事はMediaSprintで作成しました。

MediaSprintについて詳しく見る →

コンテンツマーケティングのファネル設計で成果が出ない理由

多くの人が見落としがちですが、コンテンツマーケティングでファネル設計を成果につなげるには、各フェーズに施策を当てはめるだけでなく、「誰に・何を・なぜ」という戦略を全コンテンツで一貫させる設計が必要です。

マーケティングファネルとは、見込み顧客が認知→興味→検討→購入→ファン化へ進むプロセスを段階的に可視化した設計図を指します。2024年の海外調査によると、コンテンツマーケティングを導入している企業は82%に達しています。また、海外調査を日本語でまとめた資料では、マーケティング担当者の81%がコンテンツをコアビジネス戦略として捉えているとされています。

これだけ多くの企業がコンテンツマーケティングに取り組んでいるにもかかわらず、「ファネルを設計してコンテンツを作っているが商談につながらない」という課題を抱える企業は少なくありません。その原因は、各フェーズに施策を当てはめただけで終わっていることにあります。

この記事で分かること

  • マーケティングファネルの基本構造と各フェーズの役割
  • ファネル設計の基本ステップとミドルファネルの重要性
  • 各フェーズに適したコンテンツ施策の対応表
  • ファネル設計の一貫性を確保するためのチェックリスト

マーケティングファネルの基本構造と役割を理解する

マーケティングファネルは、見込み顧客が購買に至るまでの心理変化を段階的に整理し、各段階で適切な施策を打つための設計図です。ファネル設計の前提として、各フェーズの役割を正確に理解しておくことが重要になります。

TOFU・MOFU・BOFUの役割と目的

TOFU/MOFU/BOFUとは、ファネルの各段階を指す略称で、Top/Middle/Bottom of Funnelの略です。

  • TOFU(Top of Funnel): 認知獲得が目的。まだ課題を明確に認識していない潜在層に対して、ブログ記事やSNS、ウェビナーなどで接点を作る
  • MOFU(Middle of Funnel): 比較検討の促進が目的。課題を認識した見込み顧客に対して、事例紹介や比較コンテンツで検討を後押しする
  • BOFU(Bottom of Funnel): 購買意思決定の後押しが目的。導入を検討している顧客に対して、料金ページや商談資料で最終決定を支援する

MQL(Marketing Qualified Lead) とは、マーケティング施策で獲得した見込み顧客のうち、一定基準を満たした営業にパスするリードを指します。ファネル設計では、どの段階でMQLに転換させるかを明確にすることが重要です。

なお、ファネルは直線的なプロセスではなく、実際にはフェーズを飛び越えたり、行き来したりするケースが多いことにも留意してください。

ダブルファネルとオーディエンスビルディングの視点

ダブルファネルとは、購入前のパーチェスファネルと購入後のインフルエンスファネルを一体で捉えるモデルです。購入後の顧客が口コミや紹介を通じて新たな認知を生み出す循環を設計することで、ファネル全体の効率を高められます。

オーディエンスビルディングは、再アプローチ可能なユーザーとの関係を構築する取り組みであり、2025年のコンテンツ戦略の中心として注目されています。単発のコンテンツ接触ではなく、継続的な関係構築を視野に入れたファネル設計が重要になってきています。

ファネル設計の基本ステップ

ファネル設計を進めるには、ターゲット設定から始めて、各フェーズの目標と指標を明確にしていくステップを踏むことが重要です。

2025年の調査によると、調査対象の8割以上が「ミドルファネル施策は重要」と回答しています。また、ミドルファネル施策への投資を増やしたいと回答した企業は大企業で59.4%、中小企業で61.2%に上ります。認知獲得だけに注力してミドルファネルを軽視すると、商談につながらないファネルになってしまいます。

**よくある失敗パターンとして、各フェーズに施策を当てはめただけで満足し、コンテンツ間のターゲット・主張の一貫性を設計しないまま運用してしまうケースがあります。**これでは認知は取れても商談・受注につながりません。

ターゲットと課題の明確化

ファネル設計の出発点は、「誰に・何を・なぜ」を明確にすることです。ターゲット設定があいまいなままファネルを設計すると、各フェーズの施策がバラバラになり、一貫性のないコンテンツ群ができあがってしまいます。

具体的には、業種・企業規模・役職・抱えている課題を定義し、その課題に対して自社が提供できる価値を明文化します。この基盤があることで、TOFU・MOFU・BOFUすべてのコンテンツで主張がブレなくなります。

各フェーズの目標と指標の設定

**PV数でファネル施策を評価するという考え方は誤りです。**各フェーズで追うべき指標は異なり、商談化率で評価することが成果につながります。

  • TOFU: 認知数、セッション数、メルマガ登録数
  • MOFU: MQL数、資料ダウンロード数、ウェビナー参加率
  • BOFU: 商談化率、問い合わせ数、提案依頼数

ファネルフェーズ別のコンテンツ施策

各フェーズで有効なコンテンツ施策は異なります。以下に、ファネルフェーズ別の施策対応表を示します。

【比較表】ファネルフェーズ別コンテンツ施策対応表

フェーズ 目的 有効なコンテンツ施策 評価指標
TOFU(認知) 潜在層への接点創出 SEO記事、ウェビナー、SNS投稿、ホワイトペーパー セッション数、認知数
MOFU(検討) 比較検討の促進 事例紹介、比較コンテンツ、メールナーチャリング MQL数、資料DL数
BOFU(決定) 購買意思決定の後押し 料金ページ、商談資料、導入相談LP 商談化率、問い合わせ数
購入後 ファン化・紹介促進 活用事例、コミュニティ、ユーザー限定コンテンツ NPS、紹介数

TOFUで認知を獲得するコンテンツ

2024年の海外調査によると、ウェビナーはトップ・オブ・ザ・ファネルで最も質の高いリードを生むとマーケターの53%が回答しています。TOFUでは、SEO記事やホワイトペーパーに加えて、ウェビナーを組み合わせることで効果的な認知獲得が期待できます。

ただし、TOFUのコンテンツだけを量産しても商談にはつながりません。認知を取った後にMOFU・BOFUへ誘導する導線を設計することが重要です。

MOFUで検討を促進するコンテンツ

2025年の調査によると、ミドルファネル施策で最も有効なチャネルは比較サイト・レビューサイトであり、大企業の53.7%、中小企業の50.8%がこのチャネルを有効と回答しています。

MOFUでは、自社の事例紹介や競合との比較コンテンツ、メールナーチャリングなどで検討を促進します。この段階で「なぜ自社を選ぶべきか」を明確に伝えられるかどうかが、商談化率を左右します。

BOFUで意思決定を後押しするコンテンツ

2024年の海外調査によると、ランディングページを10ページから15ページに増やすとリードが55%増加するというデータがあります。BOFUでは、役割別のLPを用意することがファネル設計のベンチマークになりつつあります。

料金ページ、導入相談フォーム、商談資料など、意思決定に直結するコンテンツを整備し、スムーズに問い合わせできる導線を設計することが重要です。

ファネル設計の一貫性を確保する方法

ファネル設計で成果を出すには、各フェーズの施策を単独で考えるのではなく、全体を通じた一貫性を確保することが不可欠です。

海外調査を日本語でまとめた資料によると、AIを活用したコンテンツ制作はトップファネルで78%、ミッドファネルで67%、ボトムファネルで50%の割合で行われています。AIを活用したコンテンツ制作が拡大する中でも、ファネル全体の一貫性設計は人間の判断が必要な領域です。

【チェックリスト】ファネル設計の一貫性チェックリスト

  • ターゲットペルソナ(業種・規模・役職・課題)が全コンテンツで統一されている
  • 自社のUSP(独自の強み)が各フェーズのコンテンツに反映されている
  • 各コンテンツの主張・トーンが一貫している
  • TOFU→MOFU→BOFUへの導線が設計されている
  • 各フェーズで追う指標が明確に定義されている
  • PV数ではなく商談化率で評価する体制になっている
  • ミドルファネル施策(比較・検討支援)が十分に設計されている
  • コンテンツ間でターゲットや主張がブレていないかを定期的に確認している
  • 購入後のファネル(ファン化・紹介)も視野に入れている
  • 編集方針・メッセージがガイドラインとして明文化されている

一貫性が崩れる典型的なパターン

ファネルの各フェーズに施策を当てはめただけで満足し、コンテンツ間のターゲット・主張の一貫性を設計しないまま運用してしまう——これでは成果が出ません。

典型的な失敗例として、TOFUでは広いターゲットに向けて記事を量産し、MOFUでは異なるペルソナに向けた事例を作り、BOFUでは別の切り口で商談資料を用意する、というケースがあります。これでは認知は取れても、商談・受注にはつながりません。

一貫性を確保するには、上記のチェックリストを使って定期的に自社のファネル設計を見直すことが有効です。

ファネル設計を成果につなげるポイント

本記事では、コンテンツマーケティングのファネル設計について、基本構造から各フェーズの施策、一貫性の確保方法まで解説しました。

ポイントの整理

  • ファネルは認知→検討→決定のプロセスを可視化した設計図であり、各フェーズで追うべき指標が異なる
  • ミドルファネル施策は8割以上の企業が重要と回答しており、軽視すると商談につながらない
  • PV数ではなく商談化率で評価することが成果につながる
  • 施策を当てはめるだけでなく、ターゲット・主張・トーンの一貫性を設計することが不可欠

まずは本記事のチェックリストを使って、自社のファネル設計を見直してみてください。コンテンツマーケティングでファネル設計を成果につなげるには、各フェーズに施策を当てはめるだけでなく、「誰に・何を・なぜ」という戦略を全コンテンツで一貫させる設計が必要です。

「記事は出してるのに商談につながらない」を解決する。
御社を理解して書くから、刺さる。この記事はMediaSprintで作成しました。

MediaSprintについて詳しく見る →

よくある質問

Q1マーケティングファネルとカスタマージャーニーの違いは何ですか?

A1マーケティングファネルは見込み顧客が購買に至るまでのプロセスを段階的に可視化した設計図であり、カスタマージャーニーは顧客の行動・感情・接点を時系列で詳細に描いたものです。ファネルは全体像の把握に、ジャーニーは施策の具体化に活用します。

Q2ミドルファネル(MOFU)が重要視される理由は何ですか?

A22025年の調査によると8割以上の企業がミドルファネル施策を重要と回答しており、投資を増やしたい企業も大企業で59.4%、中小企業で61.2%に上ります。認知獲得だけでは商談につながらず、比較検討フェーズでの接点強化が成果を左右するためです。

Q3ファネル設計で最も有効なチャネルは何ですか?

A3フェーズによって有効なチャネルは異なります。TOFUではウェビナーが質の高いリードを生むと53%のマーケターが回答しています。MOFUでは比較サイト・レビューサイトが最も有効とされており、大企業の53.7%、中小企業の50.8%がこのチャネルを有効と回答しています。

Q4ランディングページを増やすとリードは増えますか?

A42024年の海外調査によると、ランディングページを10ページから15ページに増やすとリードが55%増加するというデータがあります。BOFUで役割別のLPを用意することがファネル設計のベンチマークになりつつあります。

Q5ファネル設計にAIを活用するケースは増えていますか?

A5海外調査によると、AIを活用したコンテンツ制作はTOFUで78%、MOFUで67%、BOFUで50%の割合で活用されています。ただしファネル全体の一貫性設計は人間の判断が必要であり、AIはコンテンツ制作の効率化に活用するのが一般的です。

B

B2Bコンテンツマーケティング実践ガイド編集部

「PVではなく商談につながる」をテーマに、BtoB企業のマーケ担当者へ実践ノウハウを発信。デシセンス株式会社が運営。