口コミ・レビューを集めても成果につながらない原因
多くの人が見落としがちですが、コンテンツマーケティングにおける口コミ・レビュー活用で重要なのは「集める」ことだけでなく、ターゲット設計と連動した戦略的な収集と、コンテンツ全体での一貫した活用によって商談化・CVRにつなげることです。
「口コミやレビューを集めているが、商談やCVにつながっている実感がない」——こうした悩みを抱えるBtoB企業のマーケティング担当者は少なくありません。口コミの重要性は理解していても、どのように活用すれば成果につながるのかが曖昧なままになっているケースが多いのです。
口コミマーケティングとは、消費者同士の口コミを意図的に活用し、商品・サービスの認知拡大や購買促進を図るマーケティング手法です。
レビューマーケティングとは、レビューサイトやSNS上のユーザー評価を活用し、信頼構築と売上向上を目指すマーケティング手法です。
2023年の調査によると、日本の消費者の約80%が口コミを参考に購買決定を行っています。また、BtoBマーケティング担当者の85.5%が意思決定で「客観的データ」を重視し、81.4%が「調査データで課題認識を共有できる」と回答しています。つまり、口コミは消費者だけでなく、BtoBの購買プロセスにおいても重要な役割を果たす可能性があります。
この記事で分かること
- 口コミマーケティング・レビューマーケティングの定義とBtoBでの位置づけ
- 口コミを闇雲に集めるだけでは成果が出ない理由
- 戦略と連動した口コミ収集の方法
- 口コミ活用場面一覧表とチェックリストによる実践方法
口コミマーケティング・レビューマーケティングとは|基本を整理する
口コミマーケティングとレビューマーケティングは、第三者の評価を活用して信頼構築と成果向上を図る点で共通しています。ここでは、それぞれの定義とBtoBにおける位置づけを整理します。
UGC(User Generated Content) とは、ユーザーが生成したコンテンツを指します。口コミやレビュー、SNS投稿などが該当し、第三者視点による信頼性の高さが特徴です。
消費者の情報収集チャネルに関する調査では、SNSが81.7%、動画プラットフォームが64.4%、口コミ/レビューサイトが30.8%の利用率と報告されています。消費者は複数のチャネルを併用して情報収集を行っており、口コミ・レビューはその一部として機能しています。
ただし、これらの数値は消費者向け調査に基づくものであり、BtoB企業の購買行動にそのまま当てはまるわけではありません。BtoBでは、口コミやレビューの活用方法が異なる点に注意が必要です。
BtoBにおける口コミ・レビューの特性
BtoBでは、購買意思決定に複数の関係者が関与し、検討期間も長期化する傾向があります。そのため、口コミやレビューの活用方法もBtoCとは異なります。
ある調査によると、同条件での取引先選択時に52.3%の企業が他の要因(発信内容等)で判断を変える傾向があると報告されています。これは、BtoB企業においても、企業の発信内容や第三者評価が取引先選択に影響を与えることを示唆しています。
BtoBでは、口コミやレビューを「信頼構築のエビデンス」として位置づけ、事例ページや営業資料など複数のタッチポイントで一貫して活用することが効果的です。
闇雲に集めるだけでは成果が出ない理由
口コミ・レビューを闇雲に集めるだけで満足し、どのような口コミを誰に見せるかという戦略設計がないまま放置している状態では、せっかくの口コミが成果につながりません。これは多くの企業が陥る失敗パターンです。
よくある失敗パターンとして、以下のような状態が挙げられます。
- 口コミを収集しているが、どこでどのように使うかが決まっていない
- 収集した口コミがターゲット顧客の課題と関連していない
- 口コミの活用が属人的で、コンテンツ全体での一貫性がない
- 口コミ依頼を積極的に行っているが、ネガティブな反応を受けている
ある調査では、店舗従業員からの口コミ依頼に対して約62%が「あまり書きたくない」「絶対に書かない」と回答しています。依頼ベースでの口コミ収集には抵抗感が高いことがわかります。
口コミ活用で成果を出すためには、「どのような口コミを」「どのターゲットに」「どの場面で見せるか」という戦略設計を行い、コンテンツマーケティング全体と連動させることが不可欠です。
口コミ・レビューの戦略的な収集方法
効果的な口コミ収集のポイントは、依頼ベースではなく、自然発生的な口コミを促す仕組みを作ることです。
ある調査によると、消費者が自発的に口コミを投稿する主な動機は「サービス品質が良かった時」が約48%で最多と報告されています。つまり、口コミを集めるための最も基本的な施策は、良い体験を提供することです。
戦略的な口コミ収集のアプローチ
- 顧客体験の質を高め、自然発生的な口コミを促す
- 口コミ投稿のタイミングを見極める(成功体験の直後など)
- ステマ(ステルスマーケティング)にならないよう透明性を確保する
- ネガティブな口コミも含めてリアルな声として活用する
口コミ依頼への抵抗感が高いことを踏まえ、無理な依頼は避け、良いサービス提供によって自然に口コミが生まれる環境を整えることが重要です。また、ポジティブな口コミだけでなく、両面の声を見せることで「リアル感」が増し、信頼性が高まる傾向があります。
収集した口コミの活用場面と成果への結びつけ方
収集した口コミを成果につなげるには、適切な場面で適切なターゲットに見せることが重要です。BtoBマーケティング担当者の85.5%が意思決定で「客観的データ」を重視していることを踏まえると、口コミも客観的なエビデンスの一つとして、数値やデータと組み合わせて活用することが効果的です。
CVR(Conversion Rate) とは、コンバージョン率のことで、サイト訪問者のうち、問い合わせや購入等の目標達成に至った割合を指します。
以下の一覧表とチェックリストを活用して、自社の口コミ活用を整理してください。
【比較表】口コミ活用場面一覧表
| 活用場面 | 適した口コミの種類 | 期待される効果 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| LP(ランディングページ) | 課題解決に関する具体的な声 | CVR向上、信頼構築 | ターゲットの課題と関連する口コミを選定 |
| サービス紹介ページ | サービスの特徴に言及した声 | 理解促進、差別化 | 機能だけでなく体験に基づく声が効果的 |
| 事例ページ | 導入効果・成果に関する声 | 検討促進、比較検討材料 | 数値データと組み合わせると説得力が増す |
| 営業資料 | 同業種・同規模企業の声 | 商談進展、意思決定支援 | ターゲット企業の業種・規模に合わせて選定 |
| メルマガ | 旬のトピックに関連した声 | 開封率・クリック率向上 | タイムリーな内容と組み合わせる |
| SNS投稿 | 短くインパクトのある声 | 認知拡大、エンゲージメント | シェアされやすい形式で加工 |
| 提案書・見積書 | 導入決定の決め手となった声 | 稟議通過支援 | 決裁者の関心事項に沿った口コミを選定 |
【チェックリスト】口コミ活用チェックリスト
- ターゲット顧客(ペルソナ)が明確に定義されている
- ターゲットの課題・関心事項と関連する口コミを収集できている
- 口コミの収集方法が透明性を確保している(ステマにならない)
- 収集した口コミをどの場面で使うか計画している
- LP・事例ページなど主要なタッチポイントで口コミを活用している
- 営業資料やメルマガなど複数のコンテンツで一貫して活用している
- ポジティブな声だけでなく両面の声を適切に活用している
- 口コミと数値データを組み合わせて説得力を高めている
- 定期的に新しい口コミを収集・更新している
- 口コミ活用の効果(CVR、商談化率など)を測定している
- ネガティブな口コミへの対応方針が決まっている
- 口コミの活用ルール(匿名化、許諾取得など)が整備されている
- 担当者間で口コミ活用の方針が共有されている
- 口コミを戦略(誰に・何を・なぜ)と連動させて活用している
- 口コミ活用が属人的にならず仕組み化されている
まとめ|口コミ活用は戦略連動と一貫性がカギ
口コミ・レビューをコンテンツマーケティングで活用するためのポイントを整理しました。
本記事の要点
- 口コミを闇雲に集めるだけでは成果につながらない。戦略設計との連動が不可欠
- 依頼ベースでの口コミ収集には抵抗感が高いため、良い体験を提供して自然発生的な口コミを促す
- 収集した口コミは、ターゲットの課題と関連づけて適切な場面で活用する
- 一覧表とチェックリストを活用して、自社の口コミ活用を見直す
次のアクションとして、まず本記事のチェックリストで自社の口コミ活用状況を診断してみてください。チェックが付かない項目から優先的に改善に着手することで、口コミを成果につなげる体制を整えられます。
コンテンツマーケティングにおける口コミ・レビュー活用で重要なのは「集める」ことだけでなく、ターゲット設計と連動した戦略的な収集と、コンテンツ全体での一貫した活用によって商談化・CVRにつなげることです。
