ROI計算|コンテンツ効果を商談化率まで追跡する実践フレームワーク

著者: B2Bコンテンツマーケティング実践ガイド編集部公開日: 2026/1/159分で読めます

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コンテンツマーケティングのROI、正しく測定できていますか?

意外かもしれませんが、コンテンツマーケティングのROIを正しく測定・改善するには、PV・リード数だけでなく商談化率・受注率まで追跡し、戦略の一貫性を仕組みで担保する体制が必要です。

多くのBtoB企業が「記事を出しているのに商談につながらない」「PVは増えているのにROIが見えない」という課題を抱えています。BtoB導入事例施策において「非常に高いROI」または「一定のROIがある」と回答した企業は84.4%にのぼる一方(2025年、330名調査)、商談化率向上が施策成果の1位(58.0%)でリード数増加(36.3%)を上回るというデータがあります。つまり、成果を出している企業は「PV」ではなく「商談化率」を追いかけているのです。

この記事で分かること

  • ROI(投資利益率)とROASの違いと正しい計算方法
  • PV・リード数だけを追うと陥る落とし穴
  • 商談化率・受注率まで追跡するROI計算フレームワーク
  • ROI向上企業の具体的な取り組み事例
  • 自社で実践できるROI改善チェックリスト

ROIとROASの違い|コンテンツ投資の効果を正しく理解する

ROI(投資利益率) とは、投資額に対する利益率を示す指標です。計算式は「(利益 ÷ 投資額) × 100」で、100%が損益分岐点となります。一方、ROAS(広告費用対効果) は広告費に対する売上の比率を示し、計算式は「(広告経由売上 ÷ 広告費) × 100」です。

両者の決定的な違いは「利益ベース」か「売上ベース」かという点にあります。ROASが高くても、原価や運用コストを考慮するとROIが低い(または赤字)というケースは珍しくありません。

よくある誤解として、PV数やリード獲得数だけを見てROIを評価してしまうパターンがあります。しかし、PVやリード数は「認知」の指標であり、商談・受注につながったかどうかを示すものではありません。この指標だけを追いかけると、「記事は出しているのに成果が出ない」という状態に陥りやすくなります。

ROI計算の基本公式

コンテンツマーケティングのROIは以下の公式で計算できます。

ROI(%) = (コンテンツから得られた利益 ÷ コンテンツ投資額) × 100

たとえば、100万円の投資で150万円の利益が得られた場合、ROIは150%となります。100%を超えていれば投資を回収できていることを意味し、100%未満であれば赤字です。

コンテンツマーケティングでROI計算が難しい理由

BtoBコンテンツマーケティングでROI計算が難しい理由は、施策から成果までのリードタイムが長いことにあります。BtoB商材は検討期間が数ヶ月から1年以上に及ぶことも多く、「この記事がこの受注に貢献した」という因果関係を特定しにくい構造があります。

そのため、短期的なROIだけで評価すると、長期的に成果を生み出すコンテンツまで切り捨ててしまうリスクがあります。LTV(顧客生涯価値) 、つまり1顧客が取引期間全体を通じてもたらす利益の総額を考慮した中長期視点での評価が重要です。

商談化率・受注率まで追跡するROI計算フレームワーク

コンテンツマーケティングのROIを正しく測定するには、PV・リード数だけでなく、商談化率・受注率まで追跡する仕組みが必要です。BtoB導入事例施策の成果として商談化率向上が58.0%で1位となっており、リード数増加(36.3%)を上回っています(2025年調査、ただし自社サービスユーザー中心のサンプルのため一般化には注意が必要です)。

以下に、商談化率・受注率を含むROI計算フレームワークを提供します。

【管理シート】ROI計算フレームワーク

コンテンツ名,制作費,リード獲得数,CPA,商談化数,商談化率,受注数,受注率,受注単価,売上,粗利,ROI
ホワイトペーパーA,400000,50,8000,10,20%,2,20%,1000000,2000000,1600000,300%
導入事例B,300000,30,10000,6,20%,1,17%,1500000,1500000,1200000,300%
ブログ記事C,100000,100,1000,5,5%,1,20%,500000,500000,400000,300%

計算列の定義:

  • CPA = 制作費 ÷ リード獲得数
  • 商談化率 = 商談化数 ÷ リード獲得数 × 100
  • 受注率 = 受注数 ÷ 商談化数 × 100
  • 売上 = 受注数 × 受注単価
  • 粗利 = 売上 × 粗利率(例: 80%)
  • ROI = (粗利 - 制作費) ÷ 制作費 × 100

フレームワークの構成要素

このフレームワークでは、以下の指標を段階的に追跡します。

CPA(顧客獲得単価) とは、1件のリードを獲得するためにかかったコストです。制作費÷リード獲得数で算出します。商談化率は、リードから実際に営業案件(商談)に発展した割合を示します。

重要なのは、リード獲得数だけでなく「そのリードがどれだけ商談・受注につながったか」まで追跡することです。PVやリード数が多くても、商談化率が低ければROIは上がりません。

ROI向上を実現した企業の取り組み事例

高いROIを実現している企業には、共通する取り組みがあります。ここでは参考事例として、いくつかの取り組みを紹介します(ただし、成功事例は企業の自己申告によるものであり、成功バイアスの可能性がある点にご注意ください)。

ウェビナー集中開催によるリード獲得事例: あるBtoBマーケティング企業では、1ヶ月でウェビナーを22回開催し、新規リード501件、売上1,000万円超を達成。ROI約416%という成果が報告されています。

ホワイトペーパーからの受注事例: 制作費40万円のホワイトペーパーから受注2件を獲得し、ROI 500%以上を達成した事例も報告されています。

高ROI企業に共通する投資姿勢

ROI「非常に高い」と評価している企業の67.4%が、導入事例1本あたり30万円以上を投資しているというデータがあります(2025年調査)。この数字から見えてくるのは、高ROI企業は「安く大量に作る」のではなく、「質の高いコンテンツに適切に投資する」姿勢を持っているということです。

また、単発でコンテンツを制作して終わりではなく、継続的に更新・活用し「運用資産化」している点も共通しています。

ROI改善のためのコンテンツ運用チェックリスト

自社のコンテンツマーケティングでROIを改善するために、以下のチェックリストを活用してください。AI活用企業の64%がコンテンツ制作の迅速化とROI向上を報告しているというデータもあり(Adobe Digital Trends 2025、ただしグローバル調査のため日本企業のみの数値ではありません)、効率化と戦略の一貫性の両面からの取り組みが重要です。

【チェックリスト】ROI改善チェックリスト

  • ROI計算の基準(利益の定義、投資範囲)が社内で統一されている
  • PV・リード数だけでなく、商談化率・受注率まで追跡する仕組みがある
  • コンテンツごとにCPA(獲得単価)を算出している
  • 短期(3ヶ月)と中長期(1年以上)の両方でROIを評価している
  • ターゲット顧客の定義が全コンテンツで一貫している
  • 自社のUSP(独自の強み)が全コンテンツに反映されている
  • 競合との差別化ポイントがコンテンツに明確に表現されている
  • コンテンツの主張が記事ごとにブレていないか定期的に確認している
  • 成果の出たコンテンツを分析し、パターンを把握している
  • コンテンツを単発制作ではなく運用資産として継続活用している

戦略の一貫性を担保するチェック項目

記事ごとに主張がブレて一貫性がなく、読者の信頼を得られないままリソースを浪費しているケースは少なくありません。これを防ぐために、以下の項目を確認してください。

  • ターゲット顧客(誰に)は全コンテンツで同じ定義になっているか
  • 提供価値(何を)は一貫して伝えられているか
  • 競合との違い(なぜ自社か)が明確に表現されているか

これらの要素が記事ごとにバラバラだと、いくらコンテンツを量産しても読者の信頼を得られず、ROIは上がりません。

まとめ|PVではなく商談化率・受注率でROIを評価する

コンテンツマーケティングには、アウトバウンドマーケティングと比較してリード獲得数が3倍以上、コストが62%低減というポテンシャルがあるとされています(2025年統計、ただし海外集計を基にした二次集計であり、日本市場特化データではありません)。

しかし、このポテンシャルを活かすためには、正しいROI測定と継続的な改善が不可欠です。

コンテンツマーケティングのROIを正しく測定・改善するには、PV・リード数だけでなく商談化率・受注率まで追跡し、戦略の一貫性を仕組みで担保する体制が必要です。

本記事で紹介したROI計算フレームワークとチェックリストを活用し、自社のコンテンツマーケティングを「成果につながる仕組み」として機能させてください。まずは現在のコンテンツの商談化率を可視化することから始めてみてはいかがでしょうか。

「記事は出してるのに商談につながらない」を解決する。
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よくある質問

Q1コンテンツマーケティングのROIはどのくらいの期間で測定すべきですか?

A1BtoBコンテンツマーケティングは長期施策のため、短期ROIのみでの評価は不適切です。半年〜1年以上のスパンで商談化率・受注率まで追跡することを推奨します。BtoB商材は検討期間が長いため、短期評価だけでは本来成果を生み出すコンテンツを過小評価してしまうリスクがあります。

Q2ROIとROASはどちらを重視すべきですか?

A2最終的にはROIで評価すべきです。ROASは売上ベース、ROIは利益ベースの指標です。ROASが高くても原価や運用コストを考慮するとROIが低い(または赤字)というケースがあるため、利益ベースのROIで判断することが重要です。

Q3コンテンツ1本あたりいくら投資すればROIが高くなりますか?

A32025年の調査によると、ROI「非常に高い」と評価している企業の67.4%が導入事例1本あたり30万円以上を投資しています。ただし、金額そのものよりも、コンテンツを運用資産として継続活用し、商談化率まで追跡する仕組みを構築することが重要です。

Q4PV数だけを追いかけるとなぜROIが見えなくなるのですか?

A4PVは認知指標であり、商談・受注につながったかを示すものではありません。2025年の調査では、BtoB導入事例施策の成果として商談化率向上が58.0%で1位となっており、リード数増加(36.3%)を上回っています。商談化率・受注率まで追跡しないと、投資対効果を正確に測定できません。

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B2Bコンテンツマーケティング実践ガイド編集部

「PVではなく商談につながる」をテーマに、BtoB企業のマーケ担当者へ実践ノウハウを発信。デシセンス株式会社が運営。