用語集コンテンツがPV止まりになる原因と成果を出すための視点
自社の専門分野に合った用語集を効率的に作成し、SEO効果だけでなくリード獲得にも貢献するコンテンツにするために必要なのは、ペルソナと購買段階を考慮した用語選定と、適切な導線設計を組み合わせることです。
「用語集を作ればSEOに効く」と聞いて用語集コンテンツを作成したものの、PVは増えても問い合わせや資料請求につながらない、という課題を抱える企業は少なくありません。この背景には、「業界用語を網羅的に解説すればSEOに効く」という誤解があります。読者のペルソナや検索意図を考慮せずに用語を追加してしまうと、PVは増えてもCV・商談につながらない用語集になってしまいます。
用語集コンテンツ(グロッサリー) とは、特定の業界・技術・プロダクトに関する専門用語を一覧化し、その定義・概念を整理したコンテンツ群です。本記事では、用語集コンテンツの役割とSEO効果の仕組みから、リード獲得につなげる設計の考え方まで解説します。
この記事で分かること
- 用語集コンテンツの役割とSEO効果の仕組み
- リード獲得につなげる用語選定の考え方
- 用語解説の項目設計とフォーマットの選び方
- CTA設計と導線でリード獲得を実現する方法
用語集コンテンツの役割とSEO効果の仕組み
用語集コンテンツには、業界専門用語の定義を共通化する役割と、サイト内の内部リンクハブとして機能する役割があります。日本インタラクティブ広告協会(JIAA)の用語集では、「業界専門用語について、関係者間で定義・概念に齟齬が生じないよう、認識を共通化すること」を用語集の目的として明記しています(2025年6月10日改訂)。
検索順位とクリック率の関係を見ると、2025年9月時点の日本国内データで、自然検索の順位別クリック率は1位が約38.7%、2位が12.8%、3位が5.4%となっています(ランクエスト調べ)。用語集コンテンツで上位表示を獲得できれば、安定した流入を期待できます。
2026年のSEOトレンドレポートでは、Googleが生成AI要約「AI Overviews」を拡張し、一次情報・専門性・構造化されたコンテンツが評価されやすくなると解説されています。専門用語の定義を明確に説明する用語集コンテンツは、検索エンジンと生成AIの両方から高評価を受けやすい傾向にあります。
なお、新規コンテンツのSEO効果は一般的に一定期間かかるケースが多く、業種・ドメインパワー・競合状況により大きく変動します。
内部リンクハブとしての機能
内部リンクとは、同一サイト内のページ同士をつなぐリンクです。Googleはサイト構造や内部リンクを通じてページ同士の関連性や重要度を理解するとされています。用語集コンテンツは「用語→詳細記事・製品ページ」への内部リンクハブとして機能させることで、サイト全体の回遊性とSEO評価の両方を高める効果が期待できます。
ロングテールキーワードとの相性
ロングテールキーワードとは、月間検索ボリュームが比較的少ない検索語句です。専門用語や課題解決系キーワードが多く、用語集との相性が良いとされています。BtoBでは「専門用語・課題解決型キーワード」が検索の中心であり、用語集はロングテール対策として効果的です。
リード獲得につなげる用語選定の考え方
用語選定は「網羅的に追加すればよい」わけではありません。ペルソナの検討ステージに合わせた優先順位を設定し、限られたリソースで最大の効果を得ることが重要です。
用語集コンテンツで成果を出すためには、「どの用語を」「どの順番で」作成するかを戦略的に決める必要があります。以下のチェックリストを活用して、用語の優先順位を決定してください。
【チェックリスト】用語選定・優先順位チェックリスト
- ターゲットペルソナの課題・疑問に直結する用語か
- 自社の商品・サービスと関連性が高い用語か
- 検索ボリュームがある程度存在する用語か
- 競合サイトでカバーされていない用語か
- 比較検討段階のペルソナが検索する用語か
- 認知段階のペルソナが検索する基礎用語か
- 自社に専門知識・独自見解がある用語か
- 関連する詳細記事や製品ページへリンクできるか
- 資料ダウンロードや問い合わせにつなげやすい用語か
- 用語解説に必要な一次情報・事例が社内にあるか
ペルソナと購買段階から逆算する用語の優先順位
ターゲットペルソナがどの購買段階で検索する用語かを考慮し、優先順位を決めることが効果的です。
(例)用語の優先順位付け
- 比較検討段階の用語(例: 「〇〇ツール 比較」「〇〇 導入メリット」)を先に作成
- 認知段階の基礎用語(例: 「〇〇とは」)は次のフェーズで追加
※優先順位は自社のターゲット設定やリソース状況により異なります
リード獲得を重視する場合は、比較検討段階で検索される用語を優先し、資料ダウンロードや問い合わせへの導線を設計することが効果的です。
用語解説の項目設計とフォーマット
1語あたりの用語解説は、単なる定義だけでなく背景・メリット・事例まで含める構成が主流となっています。検索意図に応える構造化された長文コンテンツが上位表示の前提とされており、定義を簡潔に述べるだけでは不十分なケースが多いです。
日本語と英語の両方で検索される用語は、見出しに日英併記することでSEOとユーザビリティを両立できます。
長文型と辞書型の比較
用語集コンテンツには、大きく分けて長文型と辞書型があります。自社の目的に合わせてフォーマットを選択してください。
【比較表】用語集コンテンツ項目設計比較表
| 項目 | 長文型 | 辞書型 |
|---|---|---|
| 文字数(1語あたり) | 1,500〜4,000字程度 | 200〜500字程度 |
| 構成要素 | 定義・背景・メリット・デメリット・活用事例・関連用語 | 定義・関連用語 |
| SEO効果 | 高い(検索意図に応えやすい) | 限定的 |
| 制作工数 | 多い | 少ない |
| リード獲得への貢献 | CTA設置しやすく高い | 導線設計次第 |
| 適した用途 | 主力キーワードの用語解説 | 補助的な用語一覧 |
| 更新頻度 | 定期的な見直しが必要 | 比較的少ない |
CTA設計と導線でリード獲得を実現する方法
PVが増えてもリード獲得が増えない原因は、CTA設計と導線の欠如にあります。用語集コンテンツからリード獲得につなげるためには、記事内に適切なCTAを設置することが不可欠です。
CTA(Call To Action) とは、ユーザーに特定の行動を促すボタンやリンクです。資料ダウンロード、問い合わせ、デモ予約などを指します。CTA設置は1ページあたり複数箇所(上部・中部・下部)が目安とされています。
成功事例として、BtoBオウンドメディア「LISKUL」は公開から半年で月間35万PV、約2年で月間70万PVを達成し、無料eBookダウンロード月間約800件、問い合わせ月間約200件を獲得したと報告されています。これは特定企業の事例であり、成果は業種・コンテンツ戦略・運用体制により大きく異なります。
事例に学ぶCTA設置のポイント
人事SaaS「カオナビ」の人事用語集は、ダウンロード資料を豊富に用意し記事内に細かくCTAを設置することで、辞書型コンテンツからのリード獲得に成功していると分析されています(事例分析に基づく成功要因であり、統計的な検証はされていない点に留意が必要です)。
この事例から学べるポイントは以下のとおりです。
- 用語解説と関連するダウンロード資料を用意する
- 記事内の複数箇所にCTAを配置する
- 読者の次のアクション(資料DL・問い合わせ)を明確に促す
「PVが増えればリード獲得も増える」は誤りであり、CTA設計がなければPV以外の成果にはつながりにくいという点を意識して設計を進めてください。
まとめ:用語選定と導線設計で資産型コンテンツを作る
本記事では、用語集コンテンツの作り方とリード獲得につなげる設計の考え方を解説しました。
要点の整理
- 用語集コンテンツは、定義の共通化と内部リンクハブの役割を持つ
- 「網羅的に用語を追加すればよい」は誤りであり、ペルソナと購買段階を考慮した選定が必要
- 長文型と辞書型では目的・効果が異なるため、自社の戦略に合わせて選択する
- CTA設計がなければPVが増えてもリード獲得にはつながりにくい
用語集コンテンツは、ペルソナと購買段階を考慮した用語選定と、適切な導線設計を組み合わせることで、SEO効果だけでなくリード獲得・商談化にも貢献する資産型コンテンツになります。まずは自社のターゲットペルソナを整理し、優先すべき用語を選定することから始めてみてください。
