記事の数値・出典の調べ方|信頼できる情報源と引用ルールを解説

著者: B2Bコンテンツマーケティング実践ガイド編集部公開日: 2026/1/209分で読めます

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記事の数値引用で信頼性を損なわないために

記事に数値を正しく引用するには、情報源の種類(公的統計・業界レポート・学術論文など)ごとの信頼性を理解し、公開前に出典と数値の正確性を検証する仕組みを持つことが重要です。これが本記事の結論です。

「記事に数値を載せたいが、どこから引用すれば信頼性があるのかわからない」「根拠のない数値を使って読者の信頼を損なうリスクが怖い」——このような課題を抱えるオウンドメディア担当者やコンテンツマーケターは少なくありません。

一次ソースとは、調査を実施した機関が直接発表したオリジナルの情報源です。公的統計や調査会社のプレスリリースなどが該当します。一方、二次引用とは、他のメディアが一次ソースを引用・加工して報道した情報であり、歪曲リスクがあるため原典確認が必要です。

この記事で分かること

  • 数値データの情報源の種類と信頼性の違い
  • 一次ソースのたどり方と出典の調べ方
  • 数値の信頼性を判断する具体的な基準
  • 記事公開前の数値・出典チェックリスト

数値データの情報源の種類と信頼性の特徴

数値データの情報源は、大きく公的統計、業界団体レポート、学術論文、民間調査会社レポートの4種類に分類できます。それぞれの特徴を理解することで、記事の目的に合った情報源を選択できるようになります。

公的統計とは、経済産業省や総務省などの政府機関が発表する統計データです。例えば、経済産業省「令和6年度電子商取引に関する市場調査」によると、日本のBtoB-EC市場規模は514兆4,069億円(前年比10.6%増)、EC化率は43.1%(前年比+3.1ポイント)となっています。このような公的統計は、調査手法が公開されており、第三者による検証が可能なため、信頼性が高いとされています。

n値(サンプルサイズ) とは、調査の回答者数のことで、一般に300以上が統計的に信頼できる目安とされています。公的統計は対象母集団が大きく、サンプルサイズも十分に確保されているケースが多いです。

公的統計と民間調査の違い

公的統計は信頼性が高い反面、調査から公開までに時間がかかり、速報性に欠ける場合があります。一方、民間調査は速報性がありますが、サンプルサイズや調査対象者の偏りに注意が必要です。

例えば、ある民間調査では「2025年度BtoB企業のWeb広告予算増額予定は約6割(大幅増16.1% + やや増43.3%)、増額理由はリード獲得効果55.8%がトップ」という結果が報告されています(n=311、2024年12月調査)。また、BtoB企業の注力施策1位はWeb広告運用の強化26.2%、次いで展示会出展17.7%という結果も出ています。

これらの民間調査を引用する際は、n値(サンプルサイズ)や調査時期を必ず確認し、本文中に明記することが重要です。

信頼できる出典の調べ方と確認方法

信頼できる出典を調べる際は、まず一次ソースを特定することが重要です。ニュース記事やまとめ記事で数値を見つけた場合でも、必ず元データ(一次ソース)を確認してから引用しましょう。

一次ソースを探す具体的な方法としては、以下が有効です。

  • 記事末尾の「調査概要」を確認する: 調査名、調査機関、調査時期、サンプルサイズが記載されていることが多い
  • Google検索で公的統計にアクセスする: 「キーワード 経済産業省」「キーワード 総務省統計」で検索すると、公式レポートに直接アクセスできることがある
  • 調査機関のプレスリリースを探す: 民間調査の場合、調査会社のWebサイトでプレスリリースを確認する

【比較表】情報源別の信頼性と活用シーン比較表

情報源 信頼性 速報性 活用シーン
公的統計(経産省、総務省等) 高い 低い 市場規模、業界全体のトレンド
業界団体レポート 中〜高 中程度 業界動向、標準化情報
学術論文 高い 低い 理論的根拠、長期トレンド
民間調査会社レポート 中程度 高い 最新トレンド、詳細データ
自社調査・ベンダー調査 要検証 高い 独自の切り口、参考値

二次引用から一次ソースをたどる手順

ニュース記事やまとめ記事で数値を見つけた場合、以下の手順で一次ソースを確認しましょう。

  1. 記事内の「出典」「調査元」「参考」などの記載を探す
  2. 調査名や調査機関名でGoogle検索する
  3. 調査機関の公式サイトでプレスリリースやレポートを確認する
  4. 一次ソースの数値と、記事に記載された数値が一致するか照合する

引用元が不明な場合や一次ソースが見つからない場合は、その数値の使用を避けるのが安全です。信頼性の低い数値を引用することで、記事全体の信頼性が損なわれるリスクがあるためです。

数値の信頼性を判断する基準

数値の信頼性を判断する際は、n値(サンプルサイズ)、調査対象者、調査時期、調査方法の4つのポイントを確認しましょう。

よくある失敗パターンとして、「ネット検索で見つけた数値をそのまま引用する」「出典を明記せずに数値を使う」という方法があります。しかし、これでは誤情報の拡散や読者の信頼低下を招くリスクがあります。

例えば、「BtoBマーケティングのリード獲得施策実施率」という調査データ(広告29.0%(前年比-10pt減)、SNS36.4%、展示会27.1%)があるとします。この調査のn値は107と小規模ですが、年次比較でトレンドの信頼性が確保されています。このように、n値だけでなく調査の継続性や比較可能性も考慮することが重要です。

また、「BtoB商材の比較検討段階で3社以内に絞る購買担当者が8割超」という調査(n=517、2025年調査)は、サンプルサイズが十分に確保されており、引用しやすい例といえます。

信頼性を判断する基準をまとめると、以下のようになります。

  • n値300以上: 統計的に信頼できる目安
  • n値100〜299: 参考値として扱い、断定的な表現は避ける
  • n値100未満: 「傾向がある」程度の表現に留める

自社調査やベンダー調査を引用する際の注意点

ツールベンダーや自社が実施した調査は、自社サービスへの誘導バイアスがある可能性を考慮する必要があります。これらの調査を引用する際は、以下の点に注意しましょう。

  • 複数のソースで同じ傾向が確認できる場合、信頼性が高まる
  • 単独ソースの結果を断定的に書かない
  • 「〇〇社の調査によると〜という傾向がある」のように、出典を明示したうえで慎重な表現を使う

記事公開前の数値・出典チェックプロセス

記事公開前には、数値と出典を検証するチェックプロセスを設けることが重要です。特に近年は生成AIを活用した記事制作も増えていますが、AIが出力した数値は必ず検証が必要です。

ある調査によると、生成AI活用で組織の80%以上を日常活用している企業は12.2%、ボリュームゾーンは20-79%とされています(n=600、2025年調査。ただし自己申告ベースのため過大評価リスクあり)。AIを活用する場合でも、最終的な数値の正確性は人間が確認する体制を整えましょう。

出典の正しい書き方としては、「2024年BtoB-EC化率43.1%(経産省)」のように、年度と出典元を明記する形式が推奨されます。

【チェックリスト】数値・出典の信頼性チェックリスト

  • 一次ソース(元の調査機関・レポート)を特定できている
  • 二次引用の場合、一次ソースと数値が一致するか確認した
  • n値(サンプルサイズ)を確認した
  • n値が300以上、または100未満なら表現を調整した
  • 調査時期を確認し、古すぎるデータ(2年以上前)でないか確認した
  • 調査対象者に偏りがないか確認した
  • 自社調査・ベンダー調査の場合、バイアスの可能性を考慮した
  • 複数ソースで同じ傾向が確認できているか確認した
  • 出典を本文中に明記した(年度・調査元・数値)
  • 断定的な表現を避け、適切な留保表現を使っている
  • AIが出力した数値の場合、一次ソースで検証した

出典の正しい書き方と引用ルール

BtoB記事における出典の書き方には、いくつかのパターンがあります。自社のルールを定めて統一することをおすすめします。

本文中に埋め込むパターン:

  • 「2024年のBtoB-EC化率は43.1%(経済産業省「令和6年度電子商取引に関する市場調査」)」
  • 「〇〇という傾向がある(n=517、2025年調査)」

補足情報を付けるパターン:

  • 「〇〇という結果が報告されている(ただし調査対象は限定的)」
  • 「〇〇という傾向がみられる(第三者検証はされていない)」

数値の前提条件(調査時期、サンプルサイズ、対象者など)を明記することで、読者が「このデータをどの程度信頼してよいか」を判断できるようになります。

まとめ:情報源の信頼性を理解し、検証の仕組みを整える

本記事では、記事に載せる数値・出典の調べ方について、情報源の種類、信頼性の判断基準、公開前のチェックプロセスを解説しました。

重要なポイント

  • 情報源は公的統計、業界団体レポート、学術論文、民間調査の4種類に分類でき、それぞれ信頼性と速報性が異なる
  • 二次引用をそのまま使わず、必ず一次ソースをたどって確認する
  • n値(サンプルサイズ)は300以上が統計的に信頼できる目安、100未満は「傾向がある」程度の表現に留める
  • 自社調査・ベンダー調査はバイアスの可能性を考慮し、複数ソースで確認する
  • 公開前チェックリストを活用し、数値と出典の正確性を検証する仕組みを整える

まずは本記事のチェックリストを活用して、次に公開する記事から数値・出典の検証を習慣化してみてください。信頼できる数値を正しく引用することで、読者からの信頼につながり、オウンドメディア全体の品質向上に貢献します。

記事に数値を正しく引用するには、情報源の種類ごとの信頼性を理解し、公開前に出典と数値の正確性を検証する仕組みを持つことが重要です。

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御社を理解して書くから、刺さる。この記事はMediaSprintで作成しました。

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よくある質問

Q1n値(サンプルサイズ)が小さい調査は引用しても問題ないですか?

A1n値が100未満の調査は参考値として扱い、断定的な表現は避けてください。一般的にn=300以上が統計的に信頼できる目安とされています。n値が小さい場合は「〇〇という傾向がある」程度の表現に留めましょう。

Q2公的統計と民間調査、どちらを優先して引用すべきですか?

A2基本は公的統計(経産省、総務省など)を基軸とし、業界の最新動向や詳細データは民間調査で補完する2段階アプローチが有効です。例えば市場規模は公的統計(BtoB-EC市場規模514兆4,069億円など)を使い、業界トレンドは民間調査を参考にするといった使い分けが考えられます。民間調査を使う際はn値・調査対象・調査時期を必ず確認してください。

Q3他のメディアが引用している数値をそのまま使ってもいいですか?

A3二次引用をそのまま使うのは避けてください。他メディアの記事から一次ソース(調査を実施した機関の発表)をたどり、原典を確認してから引用しましょう。二次引用の過程で数値が歪曲されていることがあるため、必ず元データとの照合が必要です。

Q4出典の書き方に決まりはありますか?

A4BtoB記事では「2024年〇〇は〇〇%(経産省調査)」のように、年度・数値・出典元を明記する形式が一般的です。調査概要(n値、調査時期)を補足するとより信頼性が伝わります。自社のルールを定めて統一することをおすすめします。

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B2Bコンテンツマーケティング実践ガイド編集部

「PVではなく商談につながる」をテーマに、BtoB企業のマーケ担当者へ実践ノウハウを発信。デシセンス株式会社が運営。