LPで成果が出ないのは「テクニック不足」ではない
実はLPライティングで成果を出すには、テクニック以前に「誰に・何を・なぜ伝えるか」という戦略を明確にし、ファーストビューからCTAまで全パーツでメッセージを一貫させることが重要です。
「LPを作成しているがCVにつながらない」「構成要素ごとにメッセージがバラバラになる」という課題を抱えるマーケティング担当者は少なくありません。総務省「令和6年 通信利用動向調査(企業編)」によると、日本企業の93.2%がWebサイトを開設しています(2024年調査)。多くの企業がWebを活用する中で、成果に差がつく原因は、単なるライティングテクニックの問題ではありません。
CVR(コンバージョン率) とは、訪問者数に対するコンバージョン(目標達成)の割合です。LPの成果を測る最も重要な指標の一つですが、CVRを改善するためにはテクニックの前に戦略の一貫性を担保する必要があります。
この記事で分かること
- LPの基本構成と各パーツの役割
- ファーストビューとキャッチコピーの書き方
- ベネフィット訴求とCTAの設計方法
- 戦略を全パーツに反映させるライティング手順
LPの基本構成と各パーツの役割を理解する
LPの構成要素を正しく理解し、各パーツが果たす役割を把握することがライティングの出発点です。LPは一般的に「ファーストビュー→問題提起→解決策→ベネフィット→証拠→CTA」という構成で設計されます。
ファーストビューとは、LPを開いたときにスクロールせず見える領域です。訪問者は数秒で「自分向けか」「読む価値があるか」を判断するため、最も重要な部分です。
CTA(Call To Action) とは、訪問者に次のアクション(資料請求、問い合わせ等)を促すボタンやリンクです。LPの最終目標を達成するための導線であり、すべての構成要素はCTAへの誘導を目的として設計されます。
ベネフィットとは、商品・サービスの機能(Feature)ではなく、顧客が得られる便益・成果です。「レポート自動作成」という機能ではなく「月30時間削減」のように、顧客視点で書くことがポイントです。
各パーツは独立して存在するのではなく、「誰に・何を・なぜ伝えるか」という戦略を一貫して伝える役割を担っています。
なぜパーツごとの最適化だけでは成果が出ないのか
キャッチコピーのテクニックやテンプレートに頼り、戦略なしにパーツごとの改善を繰り返すのはよくある失敗パターンです。この方法では、要素ごとにメッセージがブレて、結局CVにつながらないLPになってしまいます。
例えば、ファーストビューでは「中小企業向け」と訴求しているのに、ベネフィットセクションでは「大企業の導入事例」を並べている、といったメッセージのズレが発生します。こうした不一致は訪問者に違和感を与え、離脱やCVR低下の原因になります。
LPライティングでは、まず戦略を明確にした上で、全パーツに一貫したメッセージを反映させることが成果につながります。
ファーストビューとキャッチコピーの書き方
ファーストビューは、訪問者が数秒で「自分向けか」を判断する最重要エリアです。ここで「誰向けのサービスか」「どんな課題を解決するか」を一文で示すことが必要です。
BtoB向けのキャッチコピーでは、論理的な訴求が有効です。複数の意思決定者(担当者・上司・情シス・法務など)が関わるため、「社内説明に使える情報」を意識した訴求が求められます。
ファーストビューに含めるべき要素は以下のとおりです。
- ターゲットを明示するキャッチコピー: 誰向けのサービスかを一目で伝える
- 課題解決を示すサブコピー: どんな課題を解決するかを簡潔に表現
- 信頼性を示す要素: 導入社数、受賞歴、メディア掲載などの実績
BtoB向けキャッチコピーで避けるべき表現
抽象的すぎる表現やターゲットが不明確な表現は、BtoBでは効果が薄いです。
避けるべき例
- 「業界をリードする」「革新的な」など具体性のない表現
- 「みなさまのビジネスを支援」など誰にでも当てはまる曖昧な訴求
- 感情に訴えすぎる表現(BtoCには有効でもBtoBでは論理性が重視される)
改善の方向性
- 「〇〇業界のマーケティング担当者向け」など対象を明確にする
- 「導入後、工数を削減した実績」など具体的なKPIに結びつく訴求にする
- 「社内説明用の資料もご用意」など複数意思決定者への配慮を示す
ベネフィット訴求とCTAの設計
ベネフィットは「機能」ではなく「顧客が得られる成果」で表現します。CTAは段階的に設計することで、BtoBでも高いコンバージョンを得やすくなります。
CTAクリック率の業界平均は2〜3%程度とされており、業界別では不動産が3.71%、テクノロジーが2.09%と報告されています。業種や商材により大きく変動するため、自社の過去データとの比較が重要です。
海外の調査によると、パーソナライズされたCTAは、汎用的なCTAよりコンバージョン率が高いとされています(HubSpot等の調査に基づく。日本市場では異なる可能性があります)。
【比較表】LP構成要素別・ライティングポイント比較表
| 構成要素 | 役割 | ライティングポイント | BtoB特有の注意点 |
|---|---|---|---|
| ファーストビュー | 第一印象、ターゲット判断 | 誰向けか・何を解決するかを一文で示す | 論理的訴求、実績表示 |
| 問題提起 | 共感獲得、課題認識 | ターゲットの具体的な悩みを列挙する | 業務課題・KPI視点で記載 |
| 解決策 | サービス概要の提示 | 課題に対する解決方法を簡潔に示す | 導入プロセスも含める |
| ベネフィット | 成果・価値の訴求 | 機能ではなくKPI視点の成果で表現 | 数値根拠、他社比較 |
| 証拠・実績 | 信頼性の担保 | 導入事例、受賞歴、第三者評価 | 同業種事例、セキュリティ対応 |
| CTA | アクション誘導 | 行動を促す明確な文言とボタン | 段階的CTA(資料DL→デモ) |
段階的なCTA設計でハードルを下げる
BtoBでは「いきなり商談」よりも、ハードルの低いCTAを段階的に用意することが有効です。
段階的なCTAの例
- 資料ダウンロード: 最もハードルが低く、リード獲得の入口
- 無料トライアル・デモ依頼: 製品理解を深める中間ステップ
- 個別相談・商談予約: 購買意欲の高い見込み客向け
LPの目的や流入チャネルに応じて、どの段階のCTAを主軸にするかを決め、CTAの文言もそれに合わせて調整します。
戦略を全パーツに反映させるライティング手順
戦略の一貫性を担保するためには、「誰に・何を・なぜ」を明確にしてからライティングに入る手順が重要です。あるLPO事業者の1,300件以上のA/Bテスト結果によると、全施策のうち59.4%でコンバージョン指標が改善し、統計的に有意な改善が認められたケースでは平均53.94%のCVR向上が報告されています。
LPO(Landing Page Optimization) とは、ランディングページ最適化です。A/BテストなどでLPの構成・コピー・デザインを改善しCVRを向上させる活動を指します。
以下のチェックリストを活用して、戦略の一貫性を担保してください。
【チェックリスト】LPライティング戦略一貫性チェックリスト
- ターゲットペルソナが明確に定義されている
- ペルソナの課題・悩みが具体的に言語化されている
- 自社サービスがその課題を解決する理由が明確である
- ファーストビューでターゲットと課題解決を一文で示している
- 問題提起がペルソナの実際の悩みと一致している
- ベネフィットが「機能」ではなく「成果・KPI」で表現されている
- 導入事例・実績が同業種・同規模である
- CTAの文言がターゲットの行動ハードルに合っている
- 段階的なCTA(資料DL→デモ→商談)が用意されている
- セキュリティ・SLA・サポート体制の情報が記載されている
- 全パーツで一貫したメッセージ・トーンになっている
- 社内説明用の資料やFAQが用意されている
A/Bテストで検証を繰り返す
LPは一度作って終わりではなく、継続的な検証・改善が必要です。A/Bテスト結果によると、全施策のうち約6割で改善が見られますが、残り4割は有意差なし、または悪化しています。
テストは一回で成果が出るとは限りません。仮説を立て、検証し、結果をもとに次の改善を行うサイクルを回し続けることが重要です。
A/Bテストで検証すべき項目の例
- キャッチコピーの訴求軸(課題解決型 vs 成果訴求型)
- CTAの文言とボタンの色・配置
- ベネフィットの表現方法(数値 vs 事例)
- フォーム項目数と入力ステップ
まとめ|戦略の一貫性がLPの成果を左右する
本記事では、LPライティングのコツとして戦略の一貫性を担保する方法を解説しました。
ポイントの整理
- キャッチコピーのテクニックに頼る前に「誰に・何を・なぜ」を明確にする
- ファーストビューからCTAまで全パーツで一貫したメッセージを伝える
- ベネフィットは「機能」ではなく「顧客が得られる成果」で表現する
- BtoBでは段階的なCTA設計でハードルを下げる
- A/Bテストで継続的に検証・改善を行う
LPライティングで成果を出すには、テクニック以前に「誰に・何を・なぜ伝えるか」という戦略を明確にし、ファーストビューからCTAまで全パーツでメッセージを一貫させることが重要です。
まずは本記事のチェックリストを活用して、自社LPの戦略一貫性を確認することから始めてみてください。
