メルマガとステップメールの違い|BtoB向け使い分けと連携設計

著者: B2Bコンテンツマーケティング実践ガイド編集部公開日: 2026/1/1611分で読めます

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メルマガとステップメールを「同じもの」と思っていませんか?

リード獲得から商談化までの効率を高めるために必要なのは、メルマガは「最新情報の発信」、ステップメールは「見込み客の段階的育成」という異なる役割を理解し、オウンドメディア記事と連携させることです。

メルマガとステップメールを同じ感覚で運用してしまい、見込み客の状態に合わない情報を配信して離脱を招く—これはBtoBマーケティングでよくある失敗パターンです。この考え方では成果が出ません。両者は目的も配信タイミングも異なるため、役割を明確に分けて設計することが重要です。

メール施策の重要性は市場データからも裏付けられています。2023年の国内BtoB MA市場規模は約753億円(前年比11.2%成長、2022年は677億円)に達し、SaaS型メール配信システム市場も842.7億円、2025年には1,166.7億円(成長率約38%)に拡大すると予測されています。

ただし、MAツール導入企業は国内626,003社中9,444社(1.5%)にとどまり、上場企業でも3,850社中562社(14.6%)と普及途上にあります。つまり、多くの企業がツールなしでメール施策を運用している現状があり、正しい役割分担の理解がより重要になっています。

この記事で分かること

  • メルマガとステップメールの基本的な違いと使い分け方
  • オウンドメディアとメール施策を連携させるメリット
  • ステップメールのシナリオ設計方法とチェックリスト
  • 少人数チームでも実践できる運用設計のポイント

メルマガとステップメールの基本的な違い

メルマガとステップメールは、配信のトリガーと目的が根本的に異なります。この違いを理解することが、効果的なメール施策の第一歩です。

メルマガ(メールマガジン) とは、登録者全体へ定期的に有益情報・最新ニュースを一斉配信する手法です。認知拡大・信頼構築を主眼とします。

ステップメールとは、ユーザーの特定アクション(登録、資料請求、購入等)をトリガーに、あらかじめ設計したシナリオ・スケジュールに沿って自動配信するメール手法です。トリガーメールとも呼ばれ、ユーザーの特定の行動や条件をきっかけとして自動送信されるメールの一種です。

BtoBメルマガの開封率は業界平均で20〜30%程度とされており、購買関与度が高いリストでは30%を超えることもあります。SaaS・IT業界では20〜35%が目安です。一方、ステップメールの開封率は約30%、開封者のうちURLクリック率は約60%という調査結果があります(ただし調査元により10-15%のばらつきがあるため、参考値として捉えてください)。

比較項目 メルマガ ステップメール
配信トリガー 定期的なスケジュール ユーザーのアクション
主な目的 認知拡大・信頼構築 見込み客の段階的育成
配信対象 登録者全体 特定のアクションを取った人
配信頻度 週1〜2回が標準 シナリオに沿って自動
開封率目安 20〜30% 約30%

メルマガの役割と特徴

メルマガは、定期的な情報発信を通じて見込み客との接点を維持し、信頼関係を構築する役割を担います。新製品情報、業界動向、ノウハウ記事の紹介など、幅広いコンテンツを全登録者に一斉配信します。

コスト効率の面でも優れています。メルマガは1通あたり0.1〜1円と低コストで配信できるのに対し、SNS広告はクリック単価が50〜500円かかります。予算効率の観点からメルマガが有利であり、継続的なリード育成に適した手法です。

BtoBメルマガの配信頻度は週1〜2回が標準的です。頻度が高すぎると購読解除につながり、低すぎると存在を忘れられてしまいます。

ステップメールの役割と特徴

ステップメールは、見込み客を段階的に育成するリードナーチャリングの役割を担います。リードナーチャリングとは、見込み顧客(リード)を段階的に育成し、購買意欲を高めて商談や受注につなげるマーケティング活動を指します。

一般的に、1シナリオあたり3〜7通、配信期間は1週間〜数か月が標準的です。商材の検討期間に合わせて設計することが重要です。

基本的な構成例としては、1-2通目で課題認識を促し、3-4通目で解決策を提示、5通目で事例紹介、6通目で特典案内という流れが効果的とされています。

オウンドメディアとメール施策を連携させるメリット

オウンドメディア記事とメール施策を連携させることで、リード獲得から商談化までの効率が向上します。記事で獲得したリードをメールで育成し、商談につなげる一連のフローを構築できます。

MAツール(マーケティングオートメーション) とは、見込み顧客の獲得から育成、選別までを自動化・効率化するためのマーケティング支援ツールです。このツールを活用することで、オウンドメディアとメール施策の連携がよりスムーズになります。

実際に、トリガー配信とステップメールを組み合わせた企業では、プロモーション予算を150%達成した事例があります。また、ステップメール活用で商談化率が8倍に向上した事例も報告されています。ただし、これらは特定企業の結果であり、すべての企業で同様の成果が出るとは限りません。

記事閲覧からリード獲得への導線設計

オウンドメディア記事からメール施策への連携は、以下のような流れで設計します。

  1. オウンドメディア記事で見込み客の課題を解決するコンテンツを提供
  2. 記事内でホワイトペーパーやeBookのダウンロードを促す
  3. ダウンロード時にメールアドレスを取得
  4. ステップメールを自動開始し、段階的に育成
  5. 商談化の兆候が見られたら営業にパス

この流れを構築することで、単なるPV獲得ではなく、商談につながるコンテンツマーケティングが実現できます。

ステップメールのシナリオ設計方法

BtoB向けステップメールは、見込み客の課題認識から解決策の理解、導入検討へと段階的に進めるシナリオ設計が重要です。開封率約30%、クリック率約60%という数字が示すように、適切に設計されたステップメールは高いエンゲージメントを得られます。

シナリオ構成の基本フレーム

基本的なシナリオ構成は以下の流れです。

  • 1-2通目(課題認識): 見込み客が抱える課題を言語化し、共感を示す
  • 3-4通目(解決策提示): 課題に対する具体的な解決アプローチを紹介
  • 5通目(事例紹介): 同業他社や類似企業の成功事例を共有
  • 6通目(特典案内): 無料相談や特別オファーで次のアクションを促す

【チェックリスト】ステップメール設計チェックリスト

  • ターゲットペルソナが明確に定義されている
  • トリガーとなるアクション(資料DL、セミナー参加等)が決まっている
  • シナリオ全体の目的(商談化、セミナー誘導等)が設定されている
  • 1通目の配信タイミングが決まっている(即時、翌日等)
  • 2通目以降の配信間隔が設計されている
  • 各メールの件名案が作成されている
  • 各メールのCTA(行動喚起)が明確に設定されている
  • 開封率・クリック率の目標値が設定されている
  • 配信停止条件(商談化、一定期間未開封等)が決まっている
  • A/Bテストの計画がある
  • 効果測定の頻度とKPIが決まっている
  • シナリオ改善のPDCAサイクルが設計されている

BtoB向けシナリオ例を3パターン紹介します。

パターン1: 資料請求後シナリオ

  • 1通目(即時): 資料ダウンロードのお礼と活用ポイント
  • 2通目(3日後): 関連する課題解決コンテンツの紹介
  • 3通目(7日後): 導入事例の紹介
  • 4通目(14日後): 無料相談の案内

パターン2: セミナー参加後シナリオ

  • 1通目(翌日): セミナー資料の共有とお礼
  • 2通目(3日後): セミナー内容の補足コンテンツ
  • 3通目(7日後): 関連製品・サービスの紹介
  • 4通目(14日後): 個別相談の案内

パターン3: 無料トライアル後シナリオ

  • 1通目(即時): トライアル開始のお礼と初期設定ガイド
  • 2通目(3日後): 活用Tips・よくある質問
  • 3通目(7日後): 成功事例と活用パターン
  • 4通目(トライアル終了3日前): 本契約の案内

少人数チームでも回せるメール施策の運用設計

MAツール未導入でも、メール配信ツールの自動配信機能で基本的なステップメールは実現可能です。MAツール導入率は中小企業で1.5%程度ですが、多くの企業がツールなしでメール施策を運用しています。

最近のトレンドとして、日本EC上位50社のうち61.5%がHTMLメール(画像やデザインを含むメール)を導入しており、視覚的な訴求力を高める傾向がみられます。

メルマガは1通あたり0.1〜1円と低コストで運用できるため、少人数チームでも継続しやすい施策です。

【テンプレート】オウンドメディア×メール施策 連携設計シート

施策種別,配信目的,トリガー条件,配信タイミング,コンテンツ概要,KPI,担当者
メルマガ,認知拡大・信頼構築,定期スケジュール,毎週火曜10時,新着記事紹介・業界ニュース,開封率20%以上,
ステップメール1,課題認識,ホワイトペーパーDL,即時,DL資料の活用ポイント,開封率30%以上,
ステップメール2,解決策提示,ステップメール1配信後,3日後,関連課題解決コンテンツ,クリック率10%以上,
ステップメール3,事例紹介,ステップメール2配信後,7日後,導入事例・成功パターン,クリック率10%以上,
ステップメール4,商談化,ステップメール3配信後,14日後,無料相談・デモ案内,返信率5%以上,

入力例:

  • 施策種別: メルマガ、ステップメール1〜4
  • 配信目的: 認知拡大、課題認識、解決策提示、事例紹介、商談化
  • トリガー条件: 定期スケジュール、特定アクション(資料DL、セミナー参加等)
  • KPI: 開封率、クリック率、返信率の目標値

メルマガとステップメールの使い分け基準

どちらの施策を使うべきかの判断基準は、情報発信の目的とタイミングで決まります。

メルマガを使うべきケース:

  • 新製品・新サービスのお知らせ
  • キャンペーン・イベント情報の告知
  • 業界動向・トレンド情報の発信
  • 新着記事・コンテンツの紹介

ステップメールを使うべきケース:

  • 資料請求・ホワイトペーパーDL後のフォロー
  • セミナー・ウェビナー参加後のフォロー
  • 無料トライアル申込後のオンボーディング
  • 問い合わせ後の商談化促進

まとめ:役割を理解し、連携させることで成果を最大化する

メルマガとステップメールは、それぞれ異なる役割を持つメール施策です。メルマガは登録者全体への定期的な情報発信で認知拡大・信頼構築を担い、ステップメールは特定のアクションをトリガーに見込み客を段階的に育成します。

両者を正しく使い分け、オウンドメディア記事と連携させることで、以下のような成果が期待できます。

  • 記事で獲得したリードを効率的に育成
  • 見込み客の状態に合った情報を適切なタイミングで配信
  • 商談化までのリードタイムを短縮

実際に、トリガー配信とステップメールを組み合わせた企業ではプロモーション予算150%達成、ステップメール活用で商談化率8倍という事例も報告されています(ただし特定企業の結果であり、成果は企業の状況により異なります)。

コンテンツマーケティングにおいて、メルマガは「最新情報の発信」、ステップメールは「見込み客の段階的育成」という異なる役割を持ち、オウンドメディア記事と連携させることで、リード獲得から商談化までの効率を高められます。

まずは自社のメール施策がどちらの役割を担っているかを整理し、本記事のチェックリストやテンプレートを活用して、体系的なメール施策の構築を進めてみてください。

「記事は出してるのに商談につながらない」を解決する。
御社を理解して書くから、刺さる。この記事はMediaSprintで作成しました。

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よくある質問

Q1メルマガとステップメールはどちらを先に始めるべきですか?

A1まずはメルマガで定期的な情報発信の基盤を作り、リスト数が一定規模になったらステップメールを追加するのが効率的です。ただし、資料請求や問い合わせ後のフォローが課題なら、ステップメールを先に整備する方が成果につながりやすいです。

Q2BtoBメルマガの開封率はどのくらいが目安ですか?

A2BtoBメルマガの開封率は業界平均で20〜30%程度です。購買関与度が高いリストでは30%を超えることもあります。SaaS・IT業界では20〜35%が目安とされています。

Q3ステップメールは何通くらいで設計すべきですか?

A31シナリオあたり3〜7通、配信期間は1週間〜数か月が一般的です。長すぎると離脱リスクが高まり、短すぎると育成効果が薄れます。商材の検討期間に合わせて設計することが重要です。

Q4MAツールがなくてもステップメールは運用できますか?

A4MAツール未導入でも、メール配信ツールの自動配信機能で基本的なステップメールは実現可能です。MAツール導入率は中小企業で1.5%程度ですが、多くの企業がツールなしで運用しています。

Q5メルマガの配信頻度はどのくらいが適切ですか?

A5BtoBメルマガは週1〜2回の配信頻度が標準です。頻度が高すぎると解除率が上がり、低すぎると存在を忘れられます。ある事例では2年間で約200通(週2回程度)配信し、購読解除率0.01〜0.03%を維持しています。

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B2Bコンテンツマーケティング実践ガイド編集部

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