オウンドメディアの記事削除で迷う背景と解決の方向性
ずばり、オウンドメディアの記事削除は、SEO指標だけでなく「戦略との一貫性」を加えた総合的な判断基準を設け、削除・リライト・noindexの選択を仕組み化することで、成果を損なわずにコンテンツの質を維持できます。
記事が増えてきたものの、古い記事や成果の出ない記事を削除すべきか判断に迷う——こうした課題を抱えるオウンドメディア運営者は少なくありません。「SEOに悪影響が出るのでは」という不安から、削除を先送りにしているケースも多いのではないでしょうか。
コンテンツクレンジングとは、非効率な記事の統合・リライト・削除によりサイト全体のコンテンツ品質を最適化する手法です。
SEOコンサルの経験則として、長く読まれ続け価値を生み続けている記事は全体の約1%程度とされています(公的統計ではなく経験則に基づく数値)。多くの記事が時間の経過とともに価値を失っている可能性があり、定期的な棚卸しと判断基準の整備が必要です。
ただし、SEO指標だけで機械的に判断すると、本来残すべき記事まで削除してしまうリスクがあります。本記事では、SEO指標と戦略一貫性の両面から判断するフレームワークを解説します。
この記事で分かること
- 低品質コンテンツの定義と見分け方
- 記事削除でよくある失敗パターンと回避方法
- 削除・リライト・noindexの使い分け基準
- 記事削除判断を仕組み化するチェックリスト
低品質コンテンツの定義と見分け方
削除検討の対象となる低品質コンテンツとは、オリジナリティや付加価値がなく、読者の課題解決に貢献していないコンテンツを指します。
低品質コンテンツとは、オリジナリティや付加価値がなく、コピー・言い換え・自動生成等で労力をかけずに作られたコンテンツです。Google品質評価ガイドラインでは最低評価の対象とされています。
2025年12月コアアップデートでは、専門家の監督なしに大量生産されたAIコンテンツの87%がネガティブな影響を受けたという報告があります(ただし、これは海外調査のまとめであり、日本国内の数値ではありません。BtoBオウンドメディアへの直接の影響は示されていない点に留意が必要です)。
低品質コンテンツを見分けるポイントは以下の通りです。
- オリジナリティがなく、他サイトの内容を言い換えただけ
- 情報が古く、現在の状況と乖離している
- ターゲット読者の課題解決に貢献していない
- 自社の専門性や経験が反映されていない
- E-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)の観点で価値が低い
Search Consoleで確認すべき指標
記事のパフォーマンスを客観的に評価するには、Google Search Consoleのデータを活用します。評価期間は6〜12か月のデータで判断することが推奨されています。
確認すべき主な指標は以下の通りです。
- オーガニックセッション: 検索からの流入数を確認
- インプレッション: 検索結果での表示回数を確認
- 平均掲載順位: 検索順位の推移を確認
- クリック率(CTR): 表示に対するクリック割合を確認
数値が低いからといって即座に削除を判断するのではなく、次のセクションで解説する失敗パターンを理解した上で総合的に判断することが重要です。
記事削除でよくある失敗パターン
「検索トラフィックが少ない=削除すべき」「古い記事は全部削除すべき」というSEO指標のみでの機械的な判断は、よくある失敗パターンです。 被リンクや内部リンクの損失、戦略上の位置づけを考慮せずに削除すると、かえってサイト全体の評価を下げるリスクがあります。
カニバリゼーションとは、同一キーワードを複数の自社記事が競合し、検索順位を食い合う状態です。統合・削除で解消することができます。
ただし、カニバリゼーションが起きているからといって、どちらかを削除すればよいというわけではありません。両記事の被リンク状況や内部リンク構造を確認し、統合や301リダイレクトを検討することが必要です。
301リダイレクトとは、URLが恒久的に移動したことを示すHTTPステータスコードです。記事削除・統合時に旧URLから新URLへ転送し、SEO評価を引き継ぐことができます。
安易な削除がSEOに与える悪影響
記事を安易に削除すると、以下のような悪影響が発生する可能性があります。
- 被リンク価値の喪失: 外部サイトからのリンクを獲得している記事を削除すると、その評価が失われる
- 内部リンク構造の破綻: 他の記事からリンクされている場合、リンク切れが発生する
- ナーチャリング資産の消失: メルマガやホワイトペーパーからリンクしている記事が消えると、顧客接点が失われる
「削除=跡形もなく消す」ではなく、「統合・301リダイレクトによる整理」が主流です。削除は最後の選択肢として位置づけることが重要です。
削除・リライト・noindexの使い分け基準
記事の整理には、削除・リライト・noindexの3つの選択肢があります。それぞれの使い分け基準を理解することで、適切な判断ができるようになります。
noindexとは、検索エンジンにインデックス登録させないよう指示するメタタグです。ページは公開したまま検索結果から除外したい場合に使用します。
基本的な優先順位は「リライト → 統合 → 削除」です。削除は最後の選択肢として、どうしても価値を引き出せない場合にのみ検討します。
【フロー図】削除・リライト・noindex判断フロー
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戦略一貫性の観点を加えた判断
SEO指標だけでなく、戦略との整合性を評価する視点を加えることが重要です。「誰に向けて書いた記事か」「自社の戦略に合致しているか」を確認します。
SEO数値が低くても残すべき記事の例は以下の通りです。
- ターゲット顧客の課題解決に直結する記事
- 自社の専門性を示す重要なコンテンツ
- ナーチャリング(見込み顧客育成)で活用される記事
- 商談時の説明資料として使われる記事
- 採用ブランディングに貢献する記事
逆に、SEO数値が高くてもターゲット外の流入が多い場合は、戦略との整合性を再検討する必要があります。
記事削除判断を仕組み化するチェックリストと運用
記事削除の判断を属人化させず、チームで一貫した基準を持つためには、チェックリストによる仕組み化が有効です。
SEOコンサルの経験則として、長く読まれ続け価値を生み続けている記事は全体の約1%程度とされています(公的統計ではなく経験則に基づく数値)。この前提に立つと、多くの記事が棚卸しの対象となる可能性があり、定期的な確認が重要です。
棚卸しの頻度は、月間の記事追加ペースによりますが、四半期〜半年に1回の頻度で全体を確認するのが一般的です。
【チェックリスト】オウンドメディア記事削除判断チェックリスト
- 過去6〜12か月のオーガニックセッションを確認したか
- Search Consoleでインプレッション・平均順位を確認したか
- 被リンク(外部サイトからのリンク)の有無を確認したか
- 内部リンク(他の自社記事からのリンク)を確認したか
- メルマガ・ホワイトペーパーからリンクされていないか確認したか
- 営業・カスタマーサクセスが活用していないか確認したか
- 情報が古くなっていないか確認したか
- ターゲット読者の課題解決に貢献しているか確認したか
- 自社の戦略・ポジショニングと合致しているか確認したか
- カニバリゼーション(キーワード重複)が発生していないか確認したか
- リライトで価値を引き出せないか検討したか
- 関連記事への統合が可能か検討したか
- noindex設定で対応できないか検討したか
- 削除する場合の301リダイレクト先を決定したか
- 削除・変更の記録を残したか
削除後のフォローアップと効果検証
削除や統合を実施した後は、以下の確認を行うことが重要です。
- 301リダイレクト設定の確認: 旧URLにアクセスした際に正しくリダイレクトされるか確認
- Search Consoleでのインデックス状況確認: 削除したURLがインデックスから除外されているか確認
- トラフィック・順位変動のモニタリング: 削除前後でサイト全体のパフォーマンスに悪影響がないか確認
- 内部リンク切れの確認: 他の記事からのリンクが切れていないか確認
効果検証は削除後1〜3か月程度の期間を設けて行い、問題があれば対処します。
まとめ——SEO指標と戦略一貫性の両面から判断する
本記事では、オウンドメディアの記事削除判断について、SEO指標と戦略一貫性の両面から判断する基準とフローを解説しました。
要点の整理
- 低品質コンテンツはオリジナリティ・付加価値・情報の鮮度で判断する
- 「検索トラフィックが少ない=削除すべき」という機械的判断は失敗パターン
- 被リンク・内部リンク・ナーチャリング価値を考慮して総合的に判断する
- 優先順位は「リライト → 統合 → 削除」で、削除は最後の選択肢
- noindexは「公開は続けたいが検索結果には出したくない」ケースに活用
- チェックリストとフローで判断を仕組み化し、属人化を防ぐ
オウンドメディアの記事削除は、SEO指標だけでなく「戦略との一貫性」を加えた総合的な判断基準を設け、削除・リライト・noindexの選択を仕組み化することで、成果を損なわずにコンテンツの質を維持できます。
まずは本記事のチェックリストとフローを活用して、自社の記事棚卸しを始めてみてください。
