オウンドメディアの記事企画・ネタ出しで本当に必要なこと
記事は出しているが商談・受注につながらない、企画のネタ切れで困っている——こうした課題を解決したいなら、ネタ出しテクニックより先に「誰に・何を・なぜ」の戦略を明確にすれば、少ない企画でも成果につながるオウンドメディア運営ができます。
この記事で分かること
- 記事タイプ(認知獲得型・リード獲得型)の使い分け方
- 記事ネタを継続的に生み出す具体的な方法
- ネタ切れの本当の原因と戦略的な企画設計
- 企画の戦略整合性を確認するチェックリストとテンプレート
「ネタ切れ」に悩むオウンドメディア担当者は少なくありません。しかし、本当の問題は「ネタの量」ではなく「戦略との整合性」にあります。キーワードを調べて記事を量産しても、読者の課題解決や自社の強み訴求につながらなければ、成果は出にくいのが現実です。
記事タイプの分類と目的別の使い分け
オウンドメディアの記事は、目的によって大きく「認知獲得型」と「リード獲得型」に分類できます。企画段階でどちらのタイプを作るかを明確にすることが、成果につながる記事設計の第一歩です。
認知獲得型コンテンツとは、企業やサービスの認知を広げることを目的とした記事です。業界トレンド解説やストーリー記事などが該当し、潜在層向けの集客に活用されます。
リード獲得型コンテンツとは、見込み客の連絡先獲得を目的とした記事です。ホワイトペーパー連動記事や導入事例、専門家インタビューなどが該当します。
BtoBオウンドメディアの成功事例を分析した調査によると、成功しているメディアの平均CTA数は1記事あたり3.4個であり、特に冒頭の導入文に資料ダウンロードCTAを設置しているケースが多いとされています(ただしランキング上位5社に限定した分析結果であり、サンプル数は限定的です)。
認知獲得型とリード獲得型の違い
認知獲得型は「まだ課題を認識していない」潜在層向けの記事です。業界の課題や最新トレンドを解説し、読者に「この分野のことはこの会社に聞けばいい」という印象を持ってもらうことが目的です。
リード獲得型は「課題を認識し、解決策を探している」顕在層向けの記事です。具体的な導入事例や比較検討の材料を提供し、資料請求や問い合わせにつなげることが目的となります。
顕在キーワードとは、「サービス名+料金」「サービス名+導入事例」「サービス名+比較」など、購買検討段階にある読者が検索するキーワードを指します。リード獲得型の記事では、こうしたキーワードを狙うことが効果的です。
記事ネタを継続的に生み出す具体的な方法
記事ネタを継続的に生み出すには、複数のアプローチを組み合わせることが効果的です。代表的な方法として、キーワード調査、ユーザーの声の活用、競合分析、社内専門家へのヒアリング、過去記事のリライトなどがあります。
ターゲットの検討段階(認知→比較→購買)に応じてコンテンツテーマを分類し、次のステージへの導線を設計することが重要です。
キーワード調査からのネタ発掘
キーワード調査は、ネタ発掘の基本となる手法です。検索ボリュームや競合性を確認し、自社が狙うべきキーワードを洗い出します。
一般的な手順は以下のとおりです。
- 自社サービスに関連するメインキーワードを設定する
- キーワードツールで関連キーワードや検索ボリュームを調査する
- 検索意図を分析し、読者が求めている情報を整理する
- 競合記事を確認し、差別化ポイントを検討する
特に顕在キーワード(サービス名+料金、比較等)を的確に狙うことで、コンバージョンに近い読者を集めやすくなります。
ユーザーの声・社内知見の活用
データ分析だけでなく、ユーザーの生の声や社内に眠る知見を活用することも有効です。一次情報は他社が真似しにくく、差別化につながります。
- 営業担当への「よく聞かれる質問」のヒアリング
- 既存顧客へのインタビューや事例取材
- 問い合わせフォームやアンケートで「読みたい記事のテーマ」を収集
- 社内専門家の知見を記事化(インタビュー形式など)
こうした一次情報を核にした記事は、汎用的なハウツー記事との差別化につながります。
ネタ切れの本当の原因と戦略的な企画設計
ネタ切れの本当の原因は、多くの場合「テクニック不足」ではなく「戦略の不在」にあります。「誰に・何を・なぜ」が明確でないまま記事を量産しても、成果にはつながりません。
ネタ切れを解消しようとテクニックで量産するが、戦略なき企画は成果につながらず、結果的に「記事を出しても意味がない」状態に陥る——これはよくある失敗パターンです。
BtoBオウンドメディアの調査によると、成功しているメディアの平均記事数は462記事であり、少なくとも270記事が目安とされています(2025年調査)。ただし、これは「記事数が多ければ成功する」ということではありません。成功メディアは記事数が多いだけでなく、戦略に基づいた企画設計ができているからこそ成果につながっているのです。
戦略不在の企画が成果につながらない理由
戦略が不在のまま記事を作り続けると、以下のような問題が発生します。
- 記事Aと記事Bで主張が矛盾する
- 同じテーマでも担当者によってトーンが異なる
- 自社の強み(USP)が一貫して訴求されない
- 読者から見て「この会社は何が強みなのか」が分からない
これでは、いくら記事を増やしても「点」が「線」にならず、商談や受注にはつながりにくくなります。
成果につながる企画を設計する具体的な手順
成果につながる企画を設計するには、毎回の企画で「ターゲットは誰か」「どんな課題を解決するか」「なぜ自社がこの記事を書くのか」を確認する仕組みが必要です。以下のチェックリストとテンプレートを活用して、戦略との整合性を担保してください。
【チェックリスト】記事企画の戦略整合性チェックリスト
- ターゲット読者(ペルソナ)が明確に定義されているか
- ターゲットの課題・悩みを具体的に把握しているか
- この記事で読者のどんな課題を解決するか明確か
- 自社USP(強み・差別化ポイント)との整合性があるか
- 記事を読んだ後、読者にどんなアクションを期待するか明確か
- 既存記事と主張が矛盾していないか
- 認知獲得型かリード獲得型か、記事タイプを明確にしているか
- 狙うキーワードの検索意図を理解しているか
- 競合記事との差別化ポイントを設計しているか
- CTA(資料請求、問い合わせ等)の導線を設計しているか
- 一次情報や独自の視点を含められるか検討したか
- 社内の専門知識を活用できないか検討したか
【テンプレート】企画設計シート(誰に・何を・なぜ)
記事企画設計シート
■ 基本情報
記事タイトル案: {{タイトル案}}
狙うキーワード: {{キーワード}}
記事タイプ: □認知獲得型 □リード獲得型
■ ターゲット設計
ターゲット読者(誰に): {{業種・役職・状況を具体的に}}
読者の課題: {{解決したい悩み・達成したいこと}}
検討段階: □認知 □興味 □比較検討 □決定
■ コンテンツ設計
解決する課題(何を): {{この記事で提供する価値}}
自社USPとの関連: {{なぜ自社がこの記事を書くのか}}
既存記事との整合性: {{関連記事があれば記載}}
■ 期待する成果
読者に期待するアクション: {{資料請求、問い合わせ、次の記事へ遷移など}}
CTA設置箇所: □冒頭 □中盤 □末尾
差別化ポイント: {{競合記事との違い}}
■ 備考
活用する一次情報: {{社内知見、顧客インタビュー等}}
その他メモ: {{注意点、参考情報など}}
差し込み変数:
- {{タイトル案}}: 記事のタイトル案
- {{キーワード}}: 狙う検索キーワード
- {{業種・役職・状況を具体的に}}: ターゲット読者の属性
- {{解決したい悩み・達成したいこと}}: 読者の課題
- {{この記事で提供する価値}}: 記事の主要な提供価値
- {{なぜ自社がこの記事を書くのか}}: 自社USPとの関連
- {{関連記事があれば記載}}: 既存記事との関連
- {{資料請求、問い合わせ、次の記事へ遷移など}}: 期待する読者アクション
- {{競合記事との違い}}: 差別化ポイント
- {{社内知見、顧客インタビュー等}}: 活用する一次情報
- {{注意点、参考情報など}}: その他メモ
まとめ:ネタの量より戦略との整合性が成果を左右する
オウンドメディアの記事企画・ネタ出しについて解説してきました。本記事のポイントを整理します。
- 記事タイプの使い分け: 認知獲得型(潜在層向け)とリード獲得型(顕在層向け)を目的に応じて選択
- ネタ発掘の方法: キーワード調査、ユーザーの声、社内知見など複数のアプローチを組み合わせる
- ネタ切れの本当の原因: テクニック不足ではなく戦略の不在。量産しても成果につながらない失敗パターンを避ける
- 戦略的な企画設計: チェックリストとテンプレートで「誰に・何を・なぜ」を毎回確認する
ネタ出しテクニックより先に「誰に・何を・なぜ」の戦略を明確にすれば、少ない企画でも成果につながるオウンドメディア運営ができます。本記事のチェックリストと企画設計シートを活用し、戦略との整合性を確認する習慣をつけてください。
