オウンドメディアで被リンク獲得に苦戦する理由
意外かもしれませんが、オウンドメディアで被リンクを獲得するには、闇雲に被リンク営業を増やすのではなく、まず被リンクされやすいコンテンツ(独自データ・調査・テンプレート)を用意した上で、優先順位をつけた獲得施策を継続することが重要です。
「被リンク獲得の重要性は理解しているが、何から始めればよいかわからない」「営業リソースも限られており、効率的な方法を知りたい」——こうした課題を抱えるBtoB企業のマーケティング担当者は少なくありません。
被リンク(バックリンク) とは、他のウェブサイトから自社サイトへのハイパーリンクを指します。Googleの検索アルゴリズムでは、ページの信頼性や権威性を評価するシグナルとして被リンクが重視されています。Ahrefs調査によると、Google月間検索数は2024年1-7月が438.9億回、2025年1-7月が461.6億回と前年比+5%で増加しており、被リンクを含むSEOの重要性が継続しています(Ahrefsのツールベースの計測データであり、日本市場のサンプルは限定的な可能性がある点に注意)。
しかし、被リンクが重要だからといって「営業さえすれば増える」というわけではありません。被リンクされやすいコンテンツがなければ、いくら営業しても成果にはつながりにくいのです。
この記事で分かること
- 良質な被リンクの条件(関連性・権威性・自然さ)
- 被リンクされやすいコンテンツの種類と作り方
- 被リンク獲得施策の優先順位比較表
- 被リンク獲得に向けた実践チェックリスト
- ペナルティリスクを避けるための注意点
良質な被リンクの条件を理解する
被リンクは「量」より「質」が重要です。自社キーワードと関連性が高く、権威性のあるサイトからの被リンクを優先的に獲得すべきとされています。
ドメインパワーとは、サイト全体の評価力を示す指標で、被リンクの質と量、サイトの権威性などから算出されます。アンカーテキストとは、リンクに設定されるクリック可能なテキストのことで、キーワードを含む自然な文脈が望ましいとされています。
良質な被リンクの条件として、以下の3つが挙げられます。
関連性・権威性・自然さが重要
被リンクを評価する際に重要なのは、関連性・権威性・自然さの3つです。
関連性とは、リンク元のサイトやページが自社サイトの内容と関連しているかどうかです。たとえば、BtoBマーケティングに関するオウンドメディアであれば、同じくマーケティング領域のメディアや業界サイトからの被リンクが関連性の高い被リンクといえます。
権威性とは、リンク元のサイトがどれだけ信頼されているかを指します。教育機関、政府サイト、業界メディアなど、権威性の高いサイトからの被リンクは高く評価される傾向があります。
自然さとは、被リンクが自然な文脈で設置されているかどうかです。記事の内容に沿った形で引用されるリンクは自然な被リンクといえます。一方で、ペナルティリスクとして、リンク売買や低品質サイトからの被リンクはGoogleから検索順位を下げられるリスクがあるため、避けるべきです。
被リンクされやすいコンテンツを準備する
被リンク獲得の前提として、被リンクされやすいコンテンツを用意することが不可欠です。「被リンク獲得は営業すれば増える」という考え方は誤りです。営業だけでは被リンクは増えにくく、まずは被リンクに値するコンテンツを作ることが先決です。
被リンクされやすいコンテンツとは、他サイトが「引用したい」「参照したい」と思うような価値のある情報を含むコンテンツです。具体的には、独自調査・統計データ・テンプレート・専門家インタビューなどが挙げられます。
引用されやすいコンテンツの種類
他サイトから引用されやすいコンテンツには、以下のような種類があります。
独自調査・統計データ: 自社で実施したアンケート調査や分析データは、他メディアが参照する際に引用元としてリンクされやすい傾向があります。たとえば「BtoB企業のマーケティング予算調査」のような独自調査は、業界メディアや他社のブログ記事で引用される可能性が高まります。
テンプレート・フレームワーク: 業務で使えるテンプレートやフレームワークを提供することで、「このテンプレートが便利」という形で紹介・リンクされることがあります。
業界比較・ランキング: 特定の製品やサービスを比較・整理した記事は、検討段階のユーザーに価値があり、他サイトからの参照が増える傾向があります。
専門家インタビュー・寄稿: 業界の専門家へのインタビューや寄稿記事は、専門性・権威性(E-E-A-T)の観点から価値が高く、引用されやすいコンテンツといえます。
これらのコンテンツを用意した上で、被リンク獲得施策に取り組むことで、成功確率が高まります。
被リンク獲得施策の優先順位
被リンク獲得施策には複数の方法がありますが、BtoB企業のオウンドメディアにおいては、優先順位をつけて取り組むことが重要です。以下の比較表で各施策の特徴を整理します。
【比較表】被リンク獲得施策の優先順位比較表
| 施策 | 難易度 | 効果 | 優先度 | BtoB向け補足 |
|---|---|---|---|---|
| 引用されやすいコンテンツ作成 | 中 | 高 | 高 | 独自調査・統計・テンプレート等。被リンク獲得の前提条件 |
| 業界団体・協会への加盟 | 低 | 中 | 高 | 公式サイトからのリンク獲得が可能。信頼性向上にも寄与 |
| プレスリリース発信 | 低 | 中 | 高 | ニュースサイトやメディアからの被リンク機会を創出 |
| 業界メディアへの寄稿 | 中 | 高 | 中 | 執筆リソースが必要だが、権威性の高いリンク獲得が可能 |
| SNSでの情報発信 | 低 | 低〜中 | 中 | 直接的な被リンクは少ないが、認知拡大から間接的に寄与 |
| 相互リンク(自然な形) | 低 | 低 | 低 | 過度な相互リンクはペナルティリスクあり。自然な関係性が前提 |
| 被リンク営業 | 高 | 中 | 低 | コンテンツが揃っていないと成功確率が低い |
事例として、日本能率協会は展示会オウンドメディアで専門情報を発信し、ビッグキーワードで検索順位2位を獲得した例が報告されています。また、ベネッセは教育・キャリアブランドサイトをSEO・被リンク・SNS連携で維持し、エンゲージメント向上に成功しています(これらは個社ベースの事例であり、同様の成果を保証するものではありません)。
業界団体・協会からのリンク獲得
業界団体や協会への加盟は、比較的取り組みやすい被リンク獲得施策です。多くの業界団体は、会員企業の一覧をWebサイトに掲載しており、そこからリンクを獲得できる場合があります。
業界団体・協会からのリンクは、権威性の観点からも評価される傾向があります。自社が属する業界の団体・協会に加盟していない場合は、加盟を検討する価値があるといえます。
プレスリリース・メディア寄稿の活用
プレスリリースの発信は、ニュースサイトやメディアからの被リンク機会を創出する有効な手段です。新製品・サービスのリリース、調査結果の発表、イベント開催などのタイミングでプレスリリースを発信することで、メディアに取り上げられる可能性が高まります。
業界メディアへの寄稿も効果的な施策です。専門知識を活かした記事を寄稿することで、メディアサイトから自社サイトへの被リンクを獲得できる場合があります。ただし、寄稿記事の作成には一定のリソースが必要となるため、自社のリソース状況に応じて検討することをおすすめします。
被リンク獲得の実践チェックリスト
被リンク獲得に向けて、以下のチェックリストで自社の状況を確認してください。コンテンツ準備から施策実行、効果測定までの流れに沿って項目を整理しています。
【チェックリスト】オウンドメディア被リンク獲得チェックリスト
- 独自調査・統計データを公開しているか
- テンプレートやフレームワークを提供しているか
- 専門家インタビューや寄稿記事があるか
- 業界比較・ランキング記事を作成しているか
- コンテンツに引用しやすい形式(図表・データ)が含まれているか
- 業界団体・協会に加盟しているか
- 業界団体のサイトに自社リンクが掲載されているか
- プレスリリースを定期的に発信しているか
- 業界メディアへの寄稿実績があるか
- SNSでコンテンツを発信しているか
- 被リンク状況を定期的にモニタリングしているか
- 新規被リンクの獲得数を計測しているか
- リンク元サイトの質(関連性・権威性)を確認しているか
- リンク売買や低品質サイトからのリンクを避けているか
- 過度な相互リンクを行っていないか
ペナルティリスクを避けるための注意点
被リンク獲得において、避けるべき行為があります。ペナルティリスクを理解し、自然獲得を基本とする姿勢が重要です。
リンク売買: 金銭を支払ってリンクを購入する行為は、Googleのガイドライン違反に該当します。検索順位が下がるペナルティを受けるリスクがあるため、絶対に避けるべきです。
低品質サイトからの被リンク: スパムサイトや内容の薄いサイトからの被リンクは、むしろ悪影響を与える可能性があります。被リンクの質を確認し、問題のあるリンクが見つかった場合はGoogleの否認ツールで対応することを検討してください。
過度な相互リンク: 関連性のないサイト同士で機械的に相互リンクを行うことも、不自然なリンク構築とみなされる可能性があります。自然な関係性に基づいた相互リンクに留めるべきです。
被リンク獲得は「量」より「質」が重要であり、自然に獲得できる仕組みを整えることが成功への近道です。
まとめ:被リンクされやすいコンテンツと優先順位で着実に獲得する
本記事では、オウンドメディアにおける被リンク獲得の方法について解説しました。
ポイントの振り返り
- 被リンクは「量」より「質」が重要。関連性・権威性・自然さの3条件を満たす被リンクを優先すべき
- 「被リンク獲得は営業すれば増える」は誤解。まず被リンクされやすいコンテンツ(独自調査・統計・テンプレート等)を用意することが先決
- 被リンク獲得施策は優先順位をつけて取り組む。業界団体への加盟やプレスリリース発信など取り組みやすい施策から着手
- リンク売買や低品質サイトからのリンクはペナルティリスクがあるため、自然獲得を基本とする
次のアクション
まずは本記事のチェックリストで自社の被リンク獲得状況を点検してください。引用されやすいコンテンツ(独自調査・統計・テンプレート等)が不足している場合は、コンテンツ準備から着手することをおすすめします。コンテンツが揃っている場合は、優先度の高い施策(業界団体への加盟、プレスリリース発信等)から順に取り組むことで、着実に被リンクを獲得できるようになります。
オウンドメディアで被リンクを獲得するには、闇雲に被リンク営業を増やすのではなく、まず被リンクされやすいコンテンツを用意した上で、優先順位をつけた獲得施策を継続することが重要です。
