オウンドメディアのコンセプト設計|5要素と15項目チェックリスト

著者: B2Bコンテンツマーケティング実践ガイド編集部公開日: 2026/1/810分で読めます

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オウンドメディアのコンセプトが曖昧だと成果につながらない理由

記事ごとに主張がブレて一貫性がないオウンドメディアを改善したいなら、オウンドメディアのコンセプト設計は、単に方針を決めるだけでなく、その戦略を全記事に一貫して反映する仕組みを整備することで、読者に刺さり成果につながるメディアになります。

「オウンドメディアを立ち上げたが、記事ごとに方向性がバラバラになっている」「コンセプトは決めたはずなのに、担当者によって書く内容が変わってしまう」——こうした悩みを抱えるBtoB企業のマーケティング担当者は少なくありません。

ある調査によると、コーポレートサイトでは社名検索流入が7割を占め、非認知層へのリーチが課題となっています(特定企業の事例ベースで一般化には注意が必要です)。オウンドメディアを通じて非認知層にリーチするためには、明確なコンセプトを設計し、そのコンセプトを全記事に一貫して反映することが重要です。

この記事で分かること

  • オウンドメディアのコンセプトとは何か、その構成要素
  • コンセプト設計の具体的な手順とチェックリスト
  • 成功事例から学ぶコンセプト設計のポイント
  • コンセプトを全記事に反映する仕組みづくり

オウンドメディアのコンセプトとは何か

コンセプトとは、オウンドメディアの「誰に・何を・なぜ・どのように・独自性」を定義した運営方針です。コンセプトが明確でなければ、記事ごとに主張がブレ、読者に「このメディアは何のためにあるのか」が伝わりません。

コンセプトを設計する際は、「一言で説明できるか」をチェックポイントにすることが有効です。自社メディアの方針を30秒で説明できなければ、コンセプトが曖昧な可能性があります。

【比較表】コンセプト設計の要素と確認ポイント一覧

要素 内容 確認ポイント
誰に ターゲット読者 業種・役職・課題が具体的か
何を 提供する価値 読者の課題解決につながるか
なぜ メディアの目的 自社事業との接点が明確か
どのように コンテンツ形式 記事・動画・事例など形式が適切か
独自性 他社との差別化 自社だけが提供できる価値か

コンセプトの構成要素

コンセプトは以下の5要素で構成されます。

  • 誰に: ターゲットとなる読者。ペルソナ(ターゲット読者の属性・ニーズ・行動を具体化した人物像)を設定し、業種・役職・課題を明確にします。
  • 何を: 読者に提供する価値。課題解決に役立つ情報やノウハウを定義します。
  • なぜ: メディアを運営する目的。リード獲得、ブランディング、採用など、事業目標との接点を明確にします。
  • どのように: コンテンツの形式や発信方法。記事、動画、ホワイトペーパーなど適切な形式を選定します。
  • 独自性: 競合との差別化ポイント。自社だけが提供できる価値や専門性を定義します。

KGI・KPIとの関係

コンセプトを設計したら、それを数値目標に落とし込むことが重要です。

KGI(Key Goal Indicator) とは、最終目標指標です。オウンドメディアでは売上貢献率、受注数などを設定します。BtoBメディア成功の相場として、KGIを売上貢献率5-10%に設定するケースが一般的とされています(業界・企業規模により変動します)。

KPI(Key Performance Indicator) とは、プロセス指標です。オウンドメディアではPV、セッション数、CV数、商談化率などを設定します。BtoBオウンドメディアのKPI相場例として、PV目標月間10万PV、CV率2-5%、リード数月間100件などが挙げられます(SMART法則準拠)。ただし、これらはあくまで目安であり、自社の状況に合わせた調整が必要です。

コンセプト設計の手順とチェックリスト

コンセプト設計は、ターゲット設定から始め、競合分析、差別化ポイントの整理へと進めていきます。オウンドメディアのコンセプト設計フェーズは約1ヶ月、準備全体で1-2ヶ月、全体立ち上げに3-6ヶ月が相場とされています。

以下のチェックリストを活用して、コンセプト設計の抜け漏れを防いでください。

【チェックリスト】オウンドメディアコンセプト設計チェックリスト

  • ターゲット読者の業種・役職・企業規模を定義している
  • ターゲット読者の課題・ニーズを言語化している
  • ペルソナ(具体的な人物像)を設定している
  • メディアの目的(リード獲得/ブランディング/採用等)を明確にしている
  • 提供する価値(読者が得られるもの)を定義している
  • 競合メディアを調査し、差別化ポイントを整理している
  • 自社の強み・専門性を言語化している
  • コンテンツの形式(記事/動画/ホワイトペーパー等)を決定している
  • 更新頻度とリソース配分を計画している
  • KGI(最終目標)を設定している
  • KPI(プロセス指標)を設定している
  • コンセプトを一言で説明できる状態にしている
  • 関係者間でコンセプトを共有・合意している
  • コンセプトをガイドラインとして文書化している
  • 記事制作時のチェック体制を整備している

ターゲット・ペルソナの設定

BtoB企業のオウンドメディアでは、意思決定者と情報収集者が異なることが多いため、両者を意識したペルソナ設定が重要です。

ペルソナを設定する際は、以下の情報を具体化します。

  • 業種・企業規模
  • 役職・部署
  • 抱えている課題
  • 情報収集の方法・タイミング
  • 意思決定に関わる人物像

営業担当者へのヒアリングや、既存顧客へのインタビューを通じて、リアルな課題を把握することが有効です。

競合との差別化ポイントの整理

競合メディアを調査し、自社が提供できる独自の価値を整理します。

差別化のアプローチとしては、ニッチ領域への特化が有効です。すべてのテーマを網羅しようとするよりも、特定の領域で深い専門性を発揮することで、読者に選ばれるメディアになりやすくなります。

コンセプト設計の成功事例

具体的な成功事例を通じて、コンセプト設計のポイントを確認しましょう。なお、以下の事例の数値は企業の自己申告ベースであり、第三者検証はされていません。

サイボウズ式:ブランディング型コンセプト

ブランディング型メディアとは、製品訴求ではなく企業ビジョン・価値観を発信し、ブランド価値向上を目的とするメディアです。

サイボウズ式は「チームワークと働き方改革」というコンセプトで、月間300万PV、メディア露出年間400件、企業ブランド価値5年間で400%向上、採用応募数年間2.3倍増加を達成したとされています(サイボウズ社の自己申告データで第三者検証されていない点に留意が必要です)。

この事例は大手IT企業のものであり、中小企業への直接適用は難しい場合がありますが、「製品を売り込まない」「ビジョンを発信する」というコンセプトの立て方は参考になります。

ニッチ特化型:製造業・専門領域の事例

中小企業でも参考にしやすい事例として、ニッチ領域に特化したメディアがあります。

松尾産業のPEAKS MEDIAは、製造業オープンイノベーション分野に特化したコンセプトで業界内認知度No.1を獲得したとされています(「業界内認知度No.1」の測定方法・定義が不明で、自己申告ベースの可能性があります)。

河内屋(特殊印刷技術)は、専門知識公開をコンセプトに業界内検索シェア85%を獲得しています。特定の専門領域に絞り込むことで、その分野での第一想起を獲得する戦略です。

これらの事例に共通するのは、「すべてを網羅しない」「特定領域で深い専門性を発揮する」というコンセプト設計のアプローチです。

コンセプトを全記事に反映する仕組みづくり

コンセプトを設計しただけで満足し、運用段階で記事ごとに主張がブレたり、担当者によって方向性が変わったりして、結局「誰に向けたメディアかわからない」状態に陥る——これはよくある失敗パターンです。

コンセプトを全記事に一貫して反映するためには、仕組みづくりが不可欠です。

運用で一貫性が崩れる失敗パターン

以下のような状況は、コンセプトが形骸化しているサインです。

  • 担当者によって記事のトーンや主張が異なる
  • 記事を書く際にコンセプトを参照していない
  • 新しい担当者がコンセプトを把握していない
  • 数値目標だけを追い、コンセプトとの整合性を確認していない

コンセプトを「決めた」だけでは不十分です。それを「使い続ける」仕組みがなければ、時間とともに形骸化してしまいます。

一貫性を保つための仕組み

コンセプトを全記事に反映するための仕組みとして、以下が有効です。

  • ガイドラインの文書化: コンセプト、ターゲット、トーン、NG表現などを明文化し、誰でも参照できる状態にする
  • 記事制作時のチェック体制: 記事がコンセプトに沿っているかを確認するレビュープロセスを設ける
  • 承認フローの整備: 公開前に複数の目でコンセプトとの整合性を確認する
  • 定期的な振り返り: コンセプトと実際の記事の乖離がないか、定期的に確認する場を設ける

コンセプトを「決める」だけでなく「守り続ける」仕組みを整備することで、長期的に一貫性のあるメディア運営が可能になります。

まとめ:コンセプト設計と運用の一貫性で成果につなげる

本記事では、オウンドメディアのコンセプト設計の方法と、それを全記事に反映する仕組みづくりについて解説しました。

記事の要点:

  • コンセプトは「誰に・何を・なぜ・どのように・独自性」の5要素で構成する
  • KGIを売上貢献率5-10%、KPIをPV・CV率・リード数で設定するのが一般的(業界・規模により変動)
  • コンセプト設計フェーズは約1ヶ月、全体立ち上げに3-6ヶ月が相場
  • 成功事例に共通するのは、特定領域への特化と一貫したコンセプト
  • コンセプトを「決める」だけでなく「守り続ける」仕組みが重要

オウンドメディアのコンセプト設計は、単に方針を決めるだけでなく、その戦略を全記事に一貫して反映する仕組みを整備することで、読者に刺さり成果につながるメディアになります。まずは本記事のチェックリストを活用して、自社メディアのコンセプトを見直すことから始めてみてください。

「記事は出してるのに商談につながらない」を解決する。
御社を理解して書くから、刺さる。この記事はMediaSprintで作成しました。

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よくある質問

Q1オウンドメディアのコンセプト設計にはどれくらいの期間がかかりますか?

A1コンセプト設計フェーズは約1ヶ月、準備全体で1-2ヶ月、全体立ち上げに3-6ヶ月が相場とされています。企業の意思決定スピードや関係者の数により変動するため、自社の状況に合わせた計画が必要です。

Q2オウンドメディアのKPIはどのように設定すればよいですか?

A2BtoBオウンドメディアのKPI相場例として、PV目標月間10万PV、CV率2-5%、リード数月間100件などがあります。KGIは売上貢献率5-10%に設定するケースが一般的です。ただし業界・企業規模により変動するため、自社状況に合わせた調整が必要です。

Q3コンセプト設計の成功事例を教えてください

A3サイボウズ式は「チームワークと働き方改革」コンセプトで月間300万PV、企業ブランド価値5年間で400%向上を達成したとされています(自己申告ベース)。松尾産業のPEAKS MEDIAは製造業特化で業界内認知度No.1を獲得。河内屋は専門知識公開で業界内検索シェア85%を獲得しています。

Q4コンセプトを設計しても運用で崩れてしまうのを防ぐには?

A4コンセプトをガイドラインとして明文化し、記事制作時のチェック体制・承認フローを整備することが重要です。担当者が変わっても一貫性を保てる仕組みを構築し、定期的にコンセプトと実際の記事の乖離がないか確認する場を設けてください。

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B2Bコンテンツマーケティング実践ガイド編集部

「PVではなく商談につながる」をテーマに、BtoB企業のマーケ担当者へ実践ノウハウを発信。デシセンス株式会社が運営。