PVは増えてもCVRが上がらない原因と改善の考え方
オウンドメディアのCVR改善とは何か。先に答えを言うと、オウンドメディアのCVR改善は、CTA最適化やフォーム改善といった施策単体ではなく、「誰に・何を・なぜ」という戦略を全記事に一貫して反映させることで、ターゲットに刺さるコンテンツを継続供給し、商談・受注につながるCVR向上を実現できます。
CVR(コンバージョン率) とは、訪問者のうち成果地点(問い合わせ・購入・申込み等)に到達した割合を指します。CVR(%)=コンバージョン数÷訪問者数×100で計算します。
オウンドメディアの平均CVRは1〜3%が目安と言われています。BtoB領域では高単価・長検討期間により1〜2%が標準相場とされています。CVRを1%から2%に向上させると、同じアクセス数でCV数が2倍になる計算です。このインパクトを理解した上で、効果的な改善に取り組むことが重要です。
この記事で分かること
- CVRの基本と計算方法、業界平均の目安
- CVRが低い構造的な原因とボトルネックの特定方法
- CVR改善施策の比較と選び方
- 戦略の一貫性でCVRを改善するチェックリスト
CVRの基本と計算方法を理解する
CVR改善に取り組む前に、基本的な定義と計算方法を確認しておきましょう。CVR(コンバージョン率)は、CVR(%)=コンバージョン数÷訪問者数×100で算出します。
CTR(クリック率) とは、表示回数に対するクリック数の割合を指します。CTAのCTR向上がCV数増加に直結する重要な指標です。
CVRの目安は、CVポイント(成果地点)の種類によって大きく異なります。BtoB領域では、問い合わせを成果地点とする場合は0.5〜1.5%、ホワイトペーパーDLを成果地点とする場合は1.5〜2.0%が目安とされています。ただし業種・商材・CVポイントで変動が大きいため、自社の過去データとの比較が重要です。
BtoB領域のCVR平均値と目安
BtoB領域のCVR相場感を理解しておくことが、自社の状況を客観的に評価するために役立ちます。BtoB領域では高単価商材が多く、検討期間も長いため、一般的に1〜2%が標準相場とされています。
参考情報として、WordStream調査(2017-2018年データ基盤)によると、BtoB検索広告の平均CVRは3.04%、ディスプレイ広告は0.46〜0.80%という結果が報告されています。ただしこのデータは数年前の調査であり、広告とオウンドメディアでは流入経路が異なるため、直接比較には注意が必要です。
CVRの目標値を設定する際は、業界平均を参考にしつつも、自社の過去データとの比較を重視することをおすすめします。
CVRが低い原因を構造的に分析する
CVRが低い根本原因は、施策以前に「誰に向けた記事か」が不明確なケースが多いです。
CTA(Call To Action) とは、ユーザーに特定の行動を促すボタンやリンクを指します。資料請求・問い合わせ・ダウンロードボタンなどが代表例です。
EFO(Entry Form Optimization) とは、入力フォームの最適化を指します。項目数削減や入力補助で離脱率を下げ、CVR向上を図る施策です。
BtoBフォームの離脱率は76.9%と高い傾向にあり、入力UI簡素化による改善が効果的とされています。
よくある失敗パターンは、CVRが低いからといってCTAボタンの色や位置を変更したり、フォームの項目を減らしたりする施策を繰り返すが、そもそも「誰に向けた記事か」が不明確なため、改善しても効果が限定的で、商談につながらないことです。 この考え方では、表面的な数値改善はできても、本質的なCVR向上は難しいでしょう。
CV数の分解式でボトルネックを特定する
CVRが低い原因を構造的に把握するには、CV数を分解して考えることが有効です。CV数 = PV × CTA-CTR × サービスページCVRという分解式で分析できます。
この分解式を使うと、ボトルネックがどこにあるかを特定できます。
- PVが低い場合: 集客施策(SEO、広告等)の見直しが優先
- CTA-CTRが低い場合: CTA設計・配置の改善が有効
- サービスページCVRが低い場合: フォーム最適化や訴求軸の見直しが必要
どこに課題があるかを把握した上で、適切な施策を選ぶことが重要です。
CVR改善施策を比較表で整理する
CVR改善には複数の施策がありますが、自社の状況に合った施策を選ぶことが成果への近道です。
参考情報として、CV優先キーワード選定と成果直結コンテンツ設計により、アクセス6倍・CV数1.4倍を達成した事例があります(第三者検証はされていない個別企業の事例のため、再現性は要検証)。
施策を選ぶ際は、「影響度×工数」のマトリクスで優先順位を付けると効率的です。影響度が高く工数が低い施策から着手することで、限られたリソースで最大の効果を狙えます。
【比較表】CVR改善施策の特徴と選び方
| 施策名 | 概要 | 影響度 | 工数 | 適したケース | 注意点 |
|---|---|---|---|---|---|
| CTA改善 | ボタンの文言・色・配置を最適化 | 中 | 低 | CTRが低い場合 | ターゲット不明確だと効果限定的 |
| 導線設計 | 記事からCVページへの導線を整理 | 高 | 中 | 直帰率が高い場合 | 全体設計の見直しが必要 |
| フォーム改善(EFO) | 入力項目の削減・UI簡素化 | 高 | 中 | フォーム離脱率が高い場合 | 取得情報とのバランスが必要 |
| コンテンツ改善 | ターゲットに刺さる内容への修正 | 高 | 高 | 訴求軸がブレている場合 | 戦略の言語化が前提 |
| CVポイント追加 | ホワイトペーパーDL等の追加 | 中 | 中 | 問い合わせハードルが高い場合 | 後工程のナーチャリングが必要 |
施策を選ぶ際は、まず自社のボトルネックを特定し、そこに効く施策から優先的に実施することをおすすめします。
戦略の一貫性でCVRを構造的に改善するチェックリスト
施策単体ではなく、「誰に・何を・なぜ」という戦略を言語化し、全記事に一貫して反映させることが、CVR改善の本質です。
戦略が言語化されていれば、CTAの文言も、コンテンツの内容も、フォームの設計も、すべてが一貫した方向を向きます。その結果、ターゲットに刺さるコンテンツを継続的に供給でき、CVRが構造的に向上します。
以下のチェックリストを活用して、自社の状況を点検してみてください。
【チェックリスト】CVR改善の確認項目
- ターゲット(誰に向けたコンテンツか)が言語化されている
- USP(自社の独自の価値)が明文化されている
- 訴求軸が全記事で一貫している
- 記事の内容とCTAの訴求が連動している
- CVポイント(問い合わせ、DL等)が適切に設計されている
- フォームの入力項目数が最適化されている
- 記事からCVページへの導線が整理されている
- GA4等で個別ページのCVRを計測している
- CV数の分解式でボトルネックを特定している
- 施策の優先順位が「影響度×工数」で整理されている
- 戦略変更時に既存記事も更新するルールがある
- CVR改善のPDCAサイクルが回っている
全項目を満たす必要はありませんが、最初の3項目(ターゲット、USP、訴求軸の一貫性)は最低限整備することをおすすめします。
まとめ|戦略を一貫させてCVRと商談化を両立する
オウンドメディアのCVR改善について、基本から実践まで解説しました。
要点の整理
- CVRの目安はBtoB領域で1〜2%が標準相場(CVポイントで変動)
- CV数 = PV × CTA-CTR × CVRの分解式でボトルネックを特定
- 施策は「影響度×工数」で優先順位を決める
- 施策単体ではなく、戦略の一貫性が本質
CTAの色や位置を変えるだけ、フォームの項目を減らすだけでは、CVRの構造的な改善は難しいでしょう。「誰に・何を・なぜ」という戦略を言語化し、全記事に一貫して反映させることで、ターゲットに刺さるコンテンツを継続供給し、商談・受注につながるCVR向上を実現できます。
まずは上記のチェックリストを使って、自社のCVR改善状況を点検することから始めてみてください。
