専門性・権威性を意識しているのに成果が出ない問題
オウンドメディアで専門性・権威性を高めるには、単発の施策ではなく「誰に対する専門性か」を明確にした上で、全記事に一貫して反映させる仕組みを構築することが重要です。
専門性・権威性を意識して記事を書いているのに、思ったような成果が出ない。2022年12月、GoogleはE-A-TからE-E-A-Tへと評価基準を拡張し、経験(Experience)を追加しました。一次情報・実体験・専門的知見の重要度が高まったことで、オウンドメディアにおける専門性・権威性の重要度も増しています。
Web担当者フォーラムの調査によると、検索エンジンを信頼していると回答した割合の合計は約9割近いという結果も出ています。検索結果で上位に表示されることは、ユーザーからの信頼獲得に直結するのです。
この記事で分かること
- E-E-A-Tにおける専門性と権威性の意味と違い
- 専門性・権威性がSEOに与える影響
- 記事単位のバラバラ施策では効果が出ない理由
- 全記事に専門性・権威性を反映させる仕組みの構築方法
E-E-A-Tとは、Experience(経験)・Expertise(専門性)・Authoritativeness(権威性)・Trustworthiness(信頼性)の4要素を指します。Googleの検索品質評価ガイドラインで示される評価基準であり、コンテンツの質を判断する上で重視されています。
E-E-A-Tにおける専門性・権威性の意味
専門性と権威性は、E-E-A-Tの中でも特に混同されやすい2つの要素です。E-E-A-Tはランキングアルゴリズムの直接的なスコアではなく、品質評価の考え方であることを押さえておく必要があります。スコアや数値として公表されているものではありません。
専門性(Expertise) とは、特定テーマについて、ユーザーの課題を深く解決できるレベルの知識・情報量・正確さを持つことを指します。一方、権威性(Authoritativeness) は、コンテンツの発信者が、第三者から信頼される権威ある存在として認められている度合いを意味します。
専門性と権威性の違い
専門性と権威性の違いを簡潔に整理すると、専門性は「内部の力量」、権威性は「外部からの評価」という切り分けになります。
専門性は、自社がどれだけ深い知識やノウハウを持っているかという内部の実力です。具体的には、業界経験、技術力、問題解決能力などが該当します。一方、権威性は、その専門性が第三者からどれだけ認められているかという外部からの評価です。メディア掲載、受賞歴、被リンク、業界での評判などが権威性を構成します。
両方を高めることで、サイト全体としての信頼性(Trustworthiness)も向上するのです。
専門性・権威性がSEOに与える影響
専門性・権威性を高めることは、SEO評価に間接的な影響を与えると考えられています。ただし、即座に検索順位に反映されるわけではなく、中長期的な取り組みが必要です。
DR(ドメインランク) とは、Ahrefsなどの民間SEOツールが算出するドメインの権威性を表す相対スコアです。公的指標ではありませんが、BtoB成功オウンドメディアの上位10サイトのうち8サイトがDR50以上であるという調査結果があります(ただしDRはGoogleの評価と直接一致するとは限りません)。
一次情報とは、独自調査・インタビュー・自社データなど、他社からの引用ではないオリジナルの情報です。E-E-A-Tで重視される要素であり、専門性・権威性の源泉となります。
検索上位に表示される記事の文字数は7,000〜12,000字の範囲が多いとされています。ただし業種やキーワードにより最適値は異なるため、文字数を増やすこと自体が目的ではなく、ユーザーの課題を深く解決できる情報量を意識することが重要です。
記事単位のバラバラ施策では効果が出ない理由
専門家監修や著者情報の追加など個別施策を記事単位でバラバラに実施することは、失敗パターンです。これでは専門性の見せ方が記事ごとにブレて、サイト全体としての一貫した権威性が構築できません。
記事Aでは専門家監修を付けているのに、記事Bでは著者情報すら記載されていない。このような状態では、ユーザーが「このサイトは本当に専門性があるのだろうか」と疑問を抱くのは当然です。
BtoB成功オウンドメディア1位の営業DX Hand Bookは、1記事あたり平均文字数7,409字、平均内部リンク数3.5本、月間平均記事作成数12.8本、CV獲得系記事割合47.4%という一貫した運用を行っています。成功しているオウンドメディアは、記事単位のバラバラ施策ではなく、サイト全体で一貫した体制を構築しているのです。
「誰に対する専門性か」を明確にする重要性
「誰に対する専門性か」が不明確なまま専門性をアピールしようとすると、記事ごとにアピール方法が定まらず、一貫性のない状態に陥ります。
ターゲットペルソナを明確にし、「このペルソナに対して、どのような専門知識を提供するのか」を定めることで、全記事で一貫した専門性の示し方が可能になります。ペルソナと専門性を紐付けることが、仕組み化の第一歩です。
専門性・権威性を全記事に反映させる仕組み
専門性・権威性を高めるには、記事単位の施策ではなく、全記事に一貫して反映させる仕組みを構築することが重要です。成功事例を参考にすると、1記事あたり内部リンク3.5本程度の導線設計が目安となります。
【比較表】専門性・権威性を高める施策一覧
| 施策カテゴリ | 具体的な施策 | 専門性への寄与 | 権威性への寄与 |
|---|---|---|---|
| 著者情報 | 職種・保有資格の明記 | 高 | 中 |
| 著者情報 | 実務年数の記載 | 高 | 中 |
| 著者情報 | 登壇・受賞歴の記載 | 中 | 高 |
| 監修体制 | 専門家による記事監修 | 高 | 高 |
| 監修体制 | 監修者プロフィールの掲載 | 高 | 高 |
| 一次情報 | オリジナル調査レポートの公開 | 高 | 高 |
| 一次情報 | 顧客インタビューの掲載 | 高 | 中 |
| 一次情報 | 自社データの公開 | 高 | 中 |
| コンテンツ品質 | 課題を深く解決する情報量 | 高 | 中 |
| コンテンツ品質 | 内部リンクによる導線設計 | 中 | 中 |
| 外部評価 | 業界メディアへの寄稿 | 中 | 高 |
| 外部評価 | 第三者からの被リンク獲得 | 低 | 高 |
【チェックリスト】専門性・権威性の示し方チェックリスト
- ターゲットペルソナが明確に定義されている
- 「誰に対する専門性か」が社内で共有されている
- 著者プロフィールのフォーマットが統一されている
- 著者プロフィールに職種を記載している
- 著者プロフィールに保有資格を記載している
- 著者プロフィールに実務年数を記載している
- 著者プロフィールに登壇・受賞歴を記載している
- 専門記事には専門家の監修を付けている
- 監修者のプロフィールを掲載している
- 年1〜2本以上のオリジナル調査レポートを公開している
- 調査レポートから派生記事を展開している
- 顧客インタビューを定期的に掲載している
- 自社データを記事内で引用している
- 1記事あたり内部リンクを設計している
- 記事公開前に専門性・権威性のチェックを行っている
- 全記事で一貫した専門性の示し方ができている
著者情報・監修体制の整備
著者プロフィール欄には、職種、保有資格、実務年数、登壇・受賞歴などを記載することで専門性・権威性を示せます。全記事で統一したフォーマットを使い、一貫性を保つことが重要です。
専門記事のうち3〜5割程度は、専門職・有資格者・プロダクト責任者が関与する体制を目安として検討するとよいでしょう。ただし企業規模やリソースにより最適な体制は異なります。
一次情報の蓄積と活用
一次情報は専門性・権威性の源泉です。年1〜2本以上のオリジナル調査レポートを公開し、そこから派生記事を複数展開することで、サイト全体の専門性を高められます。
一次情報の種類としては、自社データ(サービス利用データ、顧客分析など)、顧客インタビュー、独自調査(アンケート調査、市場調査など)があります。これらを継続的に蓄積し、記事内で引用することで、他社との差別化が可能になります。
まとめ:仕組みで専門性・権威性を一貫させる
本記事では、オウンドメディアで専門性・権威性を高める方法について解説しました。
ポイントを整理すると以下のとおりです。
- 専門性は「内部の力量」、権威性は「外部からの評価」
- E-E-A-Tはランキング要因ではなく品質評価の考え方
- 記事単位のバラバラ施策では、サイト全体としての一貫した権威性が構築できない
- 「誰に対する専門性か」を明確にし、全記事に仕組みで反映させることが重要
2022年12月、GoogleはE-A-TからE-E-A-Tへと評価基準を拡張しました。一次情報・実体験・専門的知見の重要度が高まった今、オウンドメディアで専門性・権威性を高めることはますます重要になっています。
本記事で紹介したチェックリストを使い、自社の状況を診断してください。専門性・権威性を高めても即座に順位に反映されるわけではなく、中長期的な取り組みが必要ですが、仕組みを構築することで継続的な成果につなげられます。オウンドメディアで専門性・権威性を高めるには、単発の施策ではなく「誰に対する専門性か」を明確にした上で、全記事に一貫して反映させる仕組みを構築することが重要です。
