オウンドメディア運用代行の費用相場を知るだけでは成果が出ない理由
多くの方が悩むオウンドメディア運用代行の費用。結論は、オウンドメディア運用代行で成果を出すには、費用相場を知るだけでなく、戦略設計にコストをかけ、外注範囲を自社の課題に合わせて設計することが重要です。
「運用代行の費用相場はいくらなのか」「会社ごとに提案内容や価格がバラバラで判断基準が分からない」——オウンドメディアの運用代行を検討するBtoB企業の担当者から、このような声を聞くことは少なくありません。
運用代行とは、オウンドメディアの記事制作・更新・分析などの運用業務を外部に委託するサービスを指します。2018年の調査によると、コンテンツマーケティングの月間運用費用で「30万円以上〜50万円未満」と「50万円〜100万円未満」が各14.8%を占め、67.9%の企業が運営・制作を外注しているという結果が出ています(impress調査)。当時の調査ではありますが、運用代行の活用が一般的であることを示しています。
しかし、費用相場だけを調べて「安い方が良い」と選んでしまうと、期待した成果が出ないケースが多いのも事実です。
この記事で分かること
- オウンドメディア運用代行の業務範囲と費用形態の種類
- 外注範囲別の費用相場と内訳(比較表付き)
- 「安さ重視」で選ぶと失敗する理由
- 成果につながる外注戦略の設計ポイント(チェックリスト付き)
オウンドメディア運用代行の業務範囲と費用形態
オウンドメディア運用代行の費用相場は、業務範囲により月額10万円〜150万円程度と幅広いのが特徴です。
費用相場を正しく理解するには、まず「何を依頼するか」という業務範囲を整理することが重要です。主な業務範囲は以下の3つに分類されます。
- 基本運用代行(月額10万〜50万円目安): 記事制作・更新など、コンテンツ制作が中心
- 戦略込み運用(月額30万〜80万円目安): 戦略設計・SEO提案・分析・改善を含む
- フル代行(月額80万〜150万円目安): 戦略設計から制作・運用・分析・改善まで全業務を外部に委託。専任チーム配置を含む
これらの相場は目安であり、企業規模や業界により変動します。複数社から見積もりを取得して比較することを推奨します。
月額固定型と成果報酬型の違い
費用形態には主に「月額固定型」と「成果報酬型」があり、それぞれ特徴が異なります。
月額固定型は、毎月一定の費用を支払う形態です。予算管理がしやすく、長期的な運用計画を立てやすいメリットがあります。一方で、成果が出なくても費用が発生するリスクがあります。
成果報酬型は、リード獲得数やCV数などの成果に応じて費用が発生する料金体系です。リスク分散ができる反面、KPI設計が曖昧だと期待した効果が得られない場合があります。また、KPI未達時に運用会社との関係が悪化するリスクもあります。
どちらの費用形態が良いかは一概には言えません。自社の状況や目標に応じて、適切な形態を選択することが重要です。
外注範囲別の費用相場と内訳
外注範囲ごとの費用配分を比較表で整理すると、どこにコストをかけるべきかが明確になります。
【比較表】外注範囲別の費用配分と成果の関係比較表
| 外注範囲 | 月額費用目安 | 含まれる主なサービス | 成果への影響 |
|---|---|---|---|
| 基本運用代行 | 10万〜50万円 | 記事制作・更新・軽微保守 | 戦略性が低く、成果につながりにくい |
| 戦略込み運用 | 30万〜80万円 | 戦略設計・SEO提案・分析・改善・記事制作 | 戦略に基づいた運用で成果が出やすい |
| フル代行 | 80万〜150万円 | 全業務(構築・運用・MA連携・専任チーム) | 専任チームによる継続的な改善で高成果 |
| 初期構築のみ | 35万〜500万円(一括) | 戦略設計・サイト構築・CMS導入 | 運用フェーズの基盤を整備 |
| 記事制作のみ | 1万〜10万円/本 | 記事の執筆・編集 | 戦略と切り離すと効果が限定的 |
| SEOコンサルのみ | 10万〜50万円/月 | キーワード選定・競合分析・改善提案 | 制作と組み合わせることで効果発揮 |
上記の相場は目安であり、企業規模や業界により変動します。また、AI活用により運用費用は下落傾向にあるとの報告もあり、2024年以前と比較して2〜3割程度下落しているケースもあります。最新の相場は複数社から見積もりを取得して確認することを推奨します。
初期構築費用と月額運用費用の考え方
構築フェーズとは、オウンドメディア立ち上げ時の戦略設計・サイト構築・CMS導入などの初期段階を指します。このフェーズへの投資は、その後の運用成果を大きく左右します。
戦略設計・構築フェーズには35万〜500万円の投資が推奨されています。特に戦略設計(ターゲット設定、キーワード戦略、競合分析)には30〜100万円程度が必要とされています。
参考事例として、フル代行の年間総費用は構築費300万円+月間運用費100万円で年間総費用1,500万円という事例があります。これは大規模な事例であり、すべての企業に当てはまるわけではありませんが、初期構築と継続運用の両方にコストがかかることを示しています。
「安さ重視」で運用代行を選ぶと失敗する理由
月額30万円以下の格安代行では、「コンテンツ量産のみ」で戦略性が低く、費用対効果が悪いケースが多発しています。
「費用が安い方が良い」「全部丸投げすれば楽」と考え、戦略設計を省いて記事制作だけを安価に外注する——この考え方では成果が出ません。
実際に、リード獲得ゼロの事例報告もあります(ただし、これは代理店視点の情報であり、バイアスの可能性にも注意が必要です)。
安さ重視の外注で失敗するパターンには、共通した特徴があります。
- 戦略が曖昧なまま記事を量産: ターゲットやキーワード戦略が不明確なまま記事を増やしても、検索流入につながりにくい
- PVは増えても商談につながらない: アクセス数だけを追いかけ、リード獲得や商談化の導線が設計されていない
- 改善サイクルが回らない: 分析・改善のプロセスがなく、同じ失敗を繰り返す
「安い=コスパが良い」という考えは誤りです。費用対効果は、投資した金額ではなく、その投資がどれだけの成果を生んだかで測るべきです。戦略設計を省いた格安外注は、結果的に「成果が出ないまま費用だけがかかる」状態を招くリスクがあります。
成果につながる外注戦略の設計ポイント
成果を出すためには、「どこにコストをかけるか」の優先順位を明確にすることが重要です。
戦略設計・構築フェーズには35万〜500万円の投資が推奨されており、特に戦略設計(ターゲット設定、キーワード戦略、競合分析)には30〜100万円程度が必要とされています。この初期投資を省くと、その後の運用フェーズで成果が出にくくなります。
以下のチェックリストを使って、自社の外注戦略を設計してください。
【チェックリスト】オウンドメディア外注戦略チェックリスト
- 自社のターゲットペルソナが明確に定義されている
- 自社の強み・差別化ポイントが言語化されている
- オウンドメディアの目的(リード獲得・ブランディング等)が明確である
- KPI(問い合わせ数・商談数等)が設定されている
- 外注する業務範囲(戦略・制作・分析等)を明確にした
- 自社で内製する業務範囲を明確にした
- 戦略設計を含むプランを検討している(記事制作のみでない)
- 月額予算と初期構築予算を分けて検討している
- 複数社(最低3社)から見積もりを取得する予定である
- 見積もり比較時にサービス内容の詳細を確認する予定である
- BtoB業界での実績・事例を確認する予定である
- 契約期間と契約解除条項を確認する予定である
- 報告・改善サイクルの頻度を確認する予定である
- 成果が出ない場合の対応方針を確認する予定である
- 担当者のスキル・経験を確認する予定である
運用代行会社を選ぶ際の比較ポイント
運用代行会社を選定する際は、費用だけでなく以下のポイントを比較することが重要です。
戦略設計の有無: 記事制作だけでなく、ターゲット設計・キーワード戦略・競合分析を含むサービスかどうかを確認します。戦略設計がないプランは、成果につながりにくい傾向があります。
BtoB実績の確認: 自社と同じ業界・規模の企業での実績があるかを確認します。BtoCとBtoBでは求められるコンテンツの質や導線設計が異なるため、BtoB実績は重要な判断材料です。
契約解除条項: 成果が出ない場合に契約を見直せるかどうかを確認します。長期契約を前提とするサービスでは、途中解約のペナルティがある場合もあります。
報告・改善サイクル: 定期的な報告と改善提案が含まれているかを確認します。月次報告だけでなく、改善アクションの提案があるサービスを選ぶことで、PDCAサイクルを回しやすくなります。
特定の運用代行会社を推奨・批判することは避けますが、複数社から見積もりを取得し、上記のポイントで比較することを推奨します。
まとめ:費用相場より「どこにコストをかけるか」が成果を左右する
本記事では、オウンドメディア運用代行の費用相場と、成果につながる外注戦略の設計方法について解説しました。
要点の整理
- 運用代行の費用相場は業務範囲により月額10万円〜150万円程度と幅広い
- 基本運用代行(10万〜50万円)、戦略込み運用(30万〜80万円)、フル代行(80万〜150万円)の3段階がある
- 月額30万円以下の格安代行は戦略性が低く、成果につながりにくい傾向がある
- 戦略設計には30〜100万円程度の投資が推奨されている
- 複数社から見積もりを取得し、サービス内容・実績・契約条件を比較することが重要
次のアクション
- 本記事のチェックリストを使って、自社の外注戦略を設計する
- 外注範囲と予算配分を決定する
- 複数社(最低3社)から見積もりを取得し、比較検討する
オウンドメディア運用代行で成果を出すには、費用相場を知るだけでなく、戦略設計にコストをかけ、外注範囲を自社の課題に合わせて設計することが重要です。
