オウンドメディア目的別効果設計|受注額9倍の成功事例も

著者: B2Bコンテンツマーケティング実践ガイド編集部公開日: 2026/1/119分で読めます

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オウンドメディアの目的と効果をどう設計するか

オウンドメディアの目的を明確にし、成果につながる運営方針を決めるために必要なのは、PVではなく「誰に・何を・なぜ伝えるか」という戦略を先に定義し、その戦略を全記事に一貫して反映させる仕組みを作ることです。これにより商談化率・受注率向上という本来の成果につながります。

「オウンドメディアを立ち上げたが、PV以外に何を指標にすべきか分からない」「記事を増やしても問い合わせにつながらない」——こうした課題を抱えるBtoB企業のマーケティング担当者は少なくありません。

オウンドメディアとは、企業が自社で保有・運営するメディアです。ブログ、コーポレートサイト、メールマガジンなどが含まれます。

本記事では、オウンドメディアの目的を「成果」から逆算して設計する方法を解説します。

この記事で分かること

  • オウンドメディアの代表的な目的と、目的別の効果設計ポイント
  • PV重視の運営が陥る失敗パターンとその回避方法
  • 成果につながるオウンドメディア設計のチェックリスト
  • 戦略の一貫性を担保する仕組みの作り方

オウンドメディアの定義と代表的な目的

オウンドメディアとは、企業が自社で保有・運営するメディアであり、BtoB企業が設定する目的は大きく「リード獲得」「ブランディング」「採用」「顧客教育」の4つに分類されます。目的によって設計すべきKPIが異なるため、まず自社の目的を明確にすることが重要です。

インバウンドマーケティングとは、顧客が自ら情報を探す過程で自社コンテンツに接触させ、見込み顧客化する手法です。オウンドメディアが中心的な役割を果たします。

オウンドメディアの目的は、単一ではなく複合的に設定されることも多いです。ただし、優先順位を明確にしておかないと、施策が分散し成果が出にくくなる傾向があります。

リード獲得・商談創出を目的とする場合

BtoB企業でもっとも多い目的がリード獲得です。この場合、PVやセッション数ではなく、商談化率・受注率まで見据えたKPI設計が重要になります。

リードナーチャリングとは、見込み顧客との関係を継続的なコミュニケーションで育成し、商談・受注につなげるプロセスです。

リード獲得を目的とする場合の設計ポイントは以下の通りです。

  • ホワイトペーパーや資料ダウンロードへの導線設計
  • フォームの簡素化によるCV率向上
  • CVに近いキーワード(課題解決系・比較検討系)での上位表示
  • 獲得リードの質を測定する仕組み(商談化率、受注率の追跡)

ブランディング・オピニオンリーダー化を目的とする場合

中長期のブランディングを目的とする場合は、直接的なCV数よりも、指名検索の増加や業界内でのポジション獲得を成果指標として設定します。

日経クロストレンド「400人のマーケターが選ぶ先進的な企業」で、トヨタ自動車は「トヨタイムズ」などオウンドメディアを通じた情報発信がブランディング向上に寄与したと分析されています。

ブランディング目的の場合は、以下の指標を追跡することが一般的です。

  • 指名検索数の推移
  • 業界メディアや他社からの言及・引用数
  • 採用応募者の認知経路

オウンドメディアで得られる効果と成功事例

オウンドメディアで得られる効果は、リード獲得の量的拡大だけでなく、リードの質向上、商談化率の改善、ブランド認知の向上など多岐にわたります。ただし、これらの効果は一朝一夕で得られるものではなく、継続的な運営が前提となります。

具体的な成功事例を見てみましょう。

あるSEO専門企業のオウンドメディアでは、運用約3年で受注額約9倍、資料ダウンロード数34倍、ブログ経由資料ダウンロード数25倍を達成しました。

HubSpot Japanの事例では、導入後6ヶ月で検索流入約2倍、資料ダウンロード数2.5倍を達成しています。

また、あるBtoB企業のオウンドメディアでは、半年で問い合わせ数10倍の増加を達成した事例も報告されています。

注意: これらの成功事例は特定条件下の結果であり、すべての企業で再現できるわけではありません。業種、ターゲット、競合環境、社内リソースなど多くの要因が成果に影響します。

短期・中長期で得られる効果の違い

短期(半年〜1年)と中長期(3年〜10年)では、得られる成果の質が異なります。短期では問い合わせ増加や資料ダウンロード増加など「量」の成果が見えやすいのに対し、中長期では業界でのオピニオンリーダー化や指名検索増加など「質」の成果が蓄積されます。

10年間で1,000記事以上を蓄積し、累計リーチ2,000万人、業界でのオピニオンリーダー化を実現したBtoBメディアの事例もあります。

多くの成功事例は2〜3年スパンでの成果であることを理解し、短期成果を過度に期待しない姿勢が重要です。

PV重視のオウンドメディア運営が陥る落とし穴

「PVが伸びれば成果が出る」「記事数を増やせば成果が出る」という考え方は、オウンドメディア運営でよくある失敗パターンです。 オウンドメディアの目的を「PV増加」「SEO流入」に設定し、記事数を増やすことに注力してしまうと、記事ごとに主張がバラバラになり、読者に刺さらないコンテンツが量産されてしまいます。

トラフィックとCVは必ずしも比例しません。PVが増えても、CV設計(ホワイトペーパー導線、フォーム簡素化等)が不十分であれば、問い合わせや商談にはつながりません。

また、CVに近いキーワード(課題解決系・比較検討系)で上位表示できていなければ、いくらトラフィックを集めても成果は出にくいです。「量より質、特にCVに近いキーワードでの上位表示が重要」という認識が必要です。

記事ごとに主張がブレる原因と対策

記事ごとに主張がブレる根本原因は、「誰に・何を・なぜ伝えるか」が全社で共有されていないことにあります。戦略不在のまま記事を量産すると、担当者ごとに異なるメッセージが発信され、読者から見て一貫性のないメディアになってしまいます。

トピッククラスターとは、ピラーページ(柱となる記事)とクラスターコンテンツ(関連記事)を内部リンクで構造化するSEO手法です。

対策としては、戦略を明文化し、全記事で参照する仕組みを作ることが有効です。ペルソナ、提供価値、差別化ポイントをドキュメント化し、記事制作時に必ず確認するフローを設けることで、担当者が変わっても一貫した主張を維持できます。

成果につながるオウンドメディア設計のポイント

PVではなく商談・受注につながるオウンドメディアを設計するためには、目的の明確化、CV設計の徹底、継続更新体制の確立が重要です。以下のチェックリストを活用して、自社の設計状況を確認してください。

【チェックリスト】オウンドメディア目的別効果設計チェックリスト

  • オウンドメディアの主目的(リード獲得/ブランディング/採用/顧客教育)を明確に定義している
  • 目的に応じたKPI(問い合わせ数、商談化率、指名検索数など)を設定している
  • ターゲットペルソナ(誰に伝えるか)を具体的に定義している
  • 提供価値(何を伝えるか)を明文化している
  • 発信する理由(なぜ伝えるか)を全社で共有している
  • CVに近いキーワード(課題解決系・比較検討系)を優先的に狙っている
  • ホワイトペーパーや資料ダウンロードへの導線を設計している
  • フォームの項目数を最小限に抑えている
  • 獲得リードの商談化率・受注率を追跡する仕組みがある
  • 記事制作時にペルソナ・提供価値を確認するフローがある
  • 継続更新できる体制(人員、予算、ワークフロー)を確立している
  • 短期成果と中長期成果を区別して評価している
  • 成功事例の数値を自社の目標にそのまま適用していない
  • PV以外の成果指標(CV数、商談化率など)を定期的にレビューしている
  • 戦略の一貫性を担保するドキュメントを整備している

HR領域のBtoBメディアの事例では、オウンドメディアと成功報酬型サービスの組み合わせで売上が前年同期比21.6%増を達成しています。オウンドメディア単体ではなく、他施策との連携も成果に影響することを示す事例です。

戦略の一貫性を担保する仕組み

全記事に戦略を一貫させるためには、戦略の明文化と参照の仕組み化が必要です。

具体的には、以下の要素をドキュメント化することが有効です。

  • ペルソナ(誰に伝えるか):業種、役職、課題、情報収集行動
  • 提供価値(何を伝えるか):自社が提供できる専門知識、独自の視点
  • 差別化ポイント(なぜ自社が伝えるか):競合との違い、自社ならではの強み

これらを記事制作フローに組み込み、執筆前に必ず確認するルールを設けることで、担当者が変わっても同じ戦略に基づいた記事が作成できる状態を目指します。

まとめ|戦略一貫性で成果につなげる

オウンドメディアの目的と効果を設計する際に重要なのは、PVではなく「誰に・何を・なぜ伝えるか」という戦略を先に定義し、その戦略を全記事に一貫して反映させる仕組みを作ることです。これにより商談化率・受注率向上という本来の成果につながります。

本記事のポイントを整理します。

  • オウンドメディアの目的は「リード獲得」「ブランディング」「採用」「顧客教育」の4つに分類され、目的によって設計すべきKPIが異なる
  • 「PV増加」「記事数増加」を目的にすると、主張がバラバラになり成果が出にくい
  • 成功事例の数値(受注9倍、問い合わせ10倍等)は特定条件下の結果であり、自社の状況に合わせた設計が重要
  • 戦略の一貫性を担保する仕組みを作ることで、担当者が変わっても成果につながる運営ができる

上記のチェックリストを活用して、自社のオウンドメディア設計を見直してみてください。PVではなく成果から逆算した設計が、オウンドメディアの本来の価値を引き出す鍵となります。

「記事は出してるのに商談につながらない」を解決する。
御社を理解して書くから、刺さる。この記事はMediaSprintで作成しました。

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よくある質問

Q1オウンドメディアを始めるべき企業の特徴は?

A1リード獲得・ブランディング・採用など明確な目的があり、中長期で継続投資できる企業に向いています。短期成果を求める場合は広告との併用を検討すべきです。オウンドメディアは2〜3年スパンでの成果を見据えた施策であり、短期間での投資回収を前提とする場合は他の手法を優先することが現実的です。

Q2オウンドメディアの効果はどのくらいの期間で出ますか?

A2多くの成功事例は2〜3年スパンでの成果です。HubSpot Japanの事例では導入後6ヶ月で検索流入約2倍・資料ダウンロード数2.5倍を達成していますが、これは特定条件下の結果であり、すべての企業で再現できるわけではありません。業種やターゲット、競合環境によって必要な期間は異なります。

Q3PVは伸びているのに成果(問い合わせ・商談)が出ないのはなぜ?

A3トラフィックとCVは必ずしも比例しません。CV設計(ホワイトペーパー導線、フォーム簡素化等)が不十分な場合や、CVに近いキーワード(課題解決系・比較検討系)で上位表示できていない場合に起こりやすい問題です。PVではなく、CVに近いキーワードでの上位表示と導線設計を見直すことが重要です。

Q4オウンドメディアと広告はどう使い分けるべきですか?

A4広告は短期のリード獲得に向き、オウンドメディアは中長期のブランド構築・継続的なリード獲得に向いています。HR領域のBtoB事例では、オウンドメディアと成功報酬型サービスの組み合わせで売上が前年同期比21.6%増を達成しています。どちらか一方ではなく、目的に応じた併用が効果的です。

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B2Bコンテンツマーケティング実践ガイド編集部

「PVではなく商談につながる」をテーマに、BtoB企業のマーケ担当者へ実践ノウハウを発信。デシセンス株式会社が運営。