オウンドメディア売上貢献|27.6%が課題を抱える原因と対策

著者: B2Bコンテンツマーケティング実践ガイド編集部公開日: 2026/1/1610分で読めます

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オウンドメディアで売上貢献できない企業が陥る共通の問題

オウンドメディアの売上貢献とは何か。オウンドメディアで売上貢献を実現するには、PV・UVではなく商談化率・受注率を指標に据え、「誰に・何を・なぜ」という戦略を全記事に一貫して反映させる仕組みを構築することが不可欠です。

「PVは増えているのに商談・受注につながらない」「経営層への売上貢献の説明ができない」——BtoB企業のマーケティング担当者から、このような声を聞くことは少なくありません。

ある調査によると、BtoBオウンドメディア経由売上が会社全体の売上の10%未満の企業が13.6%、「売上が上がっていない」企業が14%存在し、合計27.6%が成果に課題を抱えているという結果があります(民間調査会社の分析、サンプル74社と規模は限定的)。つまり、約4社に1社は売上貢献を実現できていない状態にあるのです。

この記事で分かること

  • オウンドメディアの売上貢献パターン(直接貢献・間接貢献)の違い
  • PVではなく商談化率・受注率を指標にした測定方法
  • 成功事例と失敗パターンの分析
  • 「誰に・何を・なぜ」を全記事に反映させる仕組みとチェックリスト

オウンドメディアの売上貢献パターンを理解する

オウンドメディアの売上貢献には、大きく分けて「直接貢献」と「間接貢献」の2パターンがあります。自社のビジネスモデルやオウンドメディアの役割に応じて、どちらのパターンを重視するかを明確にすることが、効果測定の第一歩となります。

KGI(Key Goal Indicator) とは、重要目標達成指標を指します。売上、問い合わせ数など最終的なビジネス成果を測る指標です。KPI(Key Performance Indicator) とは、重要業績評価指標を指します。KGI達成に向けた中間指標で、PV、CV数、検索順位などが該当します。

アシストCVとは、直接コンバージョンではなく、購買検討過程で接触した中間的なコンバージョンを指します。BtoBでは複数回の接触を経て商談に至ることが多いため、アシストCVの追跡は売上貢献の可視化に重要です。

【比較表】売上貢献パターン比較表

パターン 定義 測定指標 向いている企業 注意点
直接貢献 記事→問い合わせ→商談→受注 CV数、商談化率、受注率 明確なCTAを設置できる 短期成果を求めすぎない
間接貢献(認知) 認知形成・ブランド向上 指名検索数、ブランド想起率 市場認知度を高めたい 効果測定が難しい
間接貢献(ナーチャリング) 見込み客の育成 リード獲得数、MQL転換率 長い検討期間がある 長期視点が必要
間接貢献(比較検討支援) 購買検討時の判断材料提供 アシストCV数、滞在時間 競合比較が発生する 他施策との連携必須
ハイブリッド 直接+間接の組み合わせ 複合指標 中堅〜大企業 指標設計が複雑

直接貢献と間接貢献の違い

直接貢献とは、オウンドメディアの記事から直接問い合わせや資料請求が発生し、そのまま商談・受注につながるパターンです。CVR(Conversion Rate) とは、コンバージョン率を指します。サイト訪問者のうち目標アクション(問い合わせ等)を達成した割合で、売上貢献の測定に欠かせない指標です。

一方、間接貢献は「いつか商談につながる」ための土台づくりです。認知形成、リードナーチャリング、指名検索の増加など、直接的な成果には現れにくいものの、長期的な売上貢献に寄与します。

どちらが正解ということではなく、自社のビジネスモデルと顧客の購買行動に合わせて、重視するパターンを決めることが重要です。

売上貢献を測定する指標の設計方法

売上貢献を測定するには、PVではなく「商談化率」「受注率」「アシストCV数」を追跡する仕組みを設計する必要があります。

CVR(コンバージョン率)を1%から2%に改善すれば、同じアクセス数で成果が2倍になります。つまり、PVを2倍にするよりも、CVRを1ポイント改善する方が効率的なケースは多いのです。

BtoB中小企業のKGI目安として、月間問い合わせ30件、月間売上500万円という設定例が挙げられます(ただし業種・商材・単価により大きく異なるため、あくまで参考値としてお考えください)。

指標設計のポイントは、KGI(最終目標)から逆算してKPIを設定することです。

  1. KGIの設定: 月間売上目標、問い合わせ目標など
  2. 必要なCV数の算出: 商談化率・受注率から逆算
  3. 必要なPV数の算出: CVRから逆算
  4. 中間KPIの設定: 検索順位、記事公開数、アシストCV数など

この逆算思考により、「PVが増えれば良い」という曖昧な目標から脱却できます。

経営層に売上貢献を説明するための指標整理

経営層への報告では、PV数よりも「売上との因果関係」を示すことが重要です。

MMM(Marketing Mix Modeling) とは、マーケティング施策と売上の因果関係を統計的に分析する手法です。大規模なデータ分析が必要なため中小企業での導入はハードルが高いですが、概念として理解しておくと経営層との会話がスムーズになります。

経営層への報告で有効な指標整理の例:

  • 売上直結指標: オウンドメディア経由の問い合わせ数、商談数、受注金額
  • 効率指標: 問い合わせ1件あたりのコスト、商談化率、受注率
  • 成長指標: 前年同月比、月次推移、検索順位の変化

「PVが増えました」ではなく、「問い合わせが何件増え、そのうち何件が商談になり、いくらの売上につながったか」を説明できる体制を整えることが、経営層の理解を得る鍵となります。

成功事例から学ぶ売上貢献の実態

売上貢献を実現している企業には、共通した特徴があります。BtoBオウンドメディア上位10社のうち8社で、検索1ページ目(1-10位)表示記事割合が50%超を達成しているという調査結果があり、戦略的なキーワード設計と継続的なコンテンツ投資が成果につながっていることがわかります。

具体的な成功事例として、法務系BtoB企業ではPV63%増(2021年5月vs2022年5月)、資料ダウンロード50%増を達成したケースがあります。この企業では、単にPVを追いかけるのではなく、ターゲットとなる法務担当者の課題に寄り添ったコンテンツを継続的に発信していました。

成功企業に共通するのは、「とりあえず記事を量産する」のではなく、「誰に・何を・なぜ」が明確になっている点です。

PV増加が売上につながらないケースの分析

「とりあえず記事を量産してPVを増やせば売上につながる」という考え方は誤りです。 戦略なく記事を量産すると、記事ごとにメッセージがバラバラになり、読者は「何の会社かわからない」状態になって商談につながりません。

先述のとおり、BtoBオウンドメディアの27.6%が「売上貢献がない・10%未満」という調査結果があります(サンプル74社と規模は限定的)。この数字は、PVを追いかけるだけでは売上貢献を実現できないことを示唆しています。

失敗パターンの特徴:

  • 記事ごとにターゲットが異なり、メッセージに一貫性がない
  • CTAが設置されていない、または不明確
  • PVは追跡しているが、商談化率・受注率は追跡していない
  • 記事制作が目的化し、「なぜこの記事を書くのか」が不明確

「誰に・何を・なぜ」を全記事に反映させる仕組み

売上貢献を実現するには、「誰に・何を・なぜ」という戦略を言語化し、すべての記事に一貫して反映させる仕組みを構築することが不可欠です。

BtoBオウンドメディア上位事例の平均指標として、1記事あたりCTA数2-4、内部リンク3-4、文字数7,000-8,000字、月間記事作成数12-14本という数値があります。ただし、これらはあくまで参考値であり、自社の戦略に合わせた設計が重要です。

戦略を全記事に反映させるための3ステップ:

  1. 戦略の言語化: ターゲット(誰に)、提供価値(何を)、選ばれる理由(なぜ)を明文化する
  2. 記事企画への落とし込み: 各記事がどのターゲットのどの課題に応えるかを明確にする
  3. チェック体制の構築: 公開前に戦略との整合性を確認するプロセスを設ける

【チェックリスト】オウンドメディア売上貢献チェックリスト

  • ターゲット(誰に)が明文化されている
  • 提供価値(何を)が言語化されている
  • 選ばれる理由(なぜ)が整理されている
  • KGI(売上・問い合わせ目標)が設定されている
  • KPI(商談化率・CVR等)が設定されている
  • 各記事のターゲット課題が明確になっている
  • CTAが各記事に設置されている
  • 問い合わせから商談への導線が設計されている
  • 商談化率・受注率を追跡する体制がある
  • アシストCV数を計測している
  • 記事ごとのCV数を把握している
  • 経営層への報告フォーマットが決まっている
  • 月次での効果振り返りを実施している
  • 戦略との整合性を公開前にチェックしている
  • 担当者間で戦略が共有されている
  • 外注先にも戦略を共有している
  • 成功パターン・失敗パターンを蓄積している
  • 定期的な戦略の見直しスケジュールがある

少人数でも実現できる運用体制の作り方

中小企業では、少人数でオウンドメディアを運用するケースが多いです。その場合でも、売上貢献を実現するための体制づくりは可能です。

ポイントは、「戦略は内製、制作は外注」という役割分担です。

  • 内製すべきこと: 戦略設計、ターゲット定義、記事企画、最終チェック、効果測定
  • 外注可能なこと: 記事執筆、画像制作、CMSへの入稿

外注する場合でも、「誰に・何を・なぜ」という戦略は必ず共有し、記事ごとにブレないようにチェックする仕組みを設けることが重要です。

まとめ|PV依存から脱却し売上貢献を実現するために

本記事では、オウンドメディアの売上貢献を実現するための方法を解説しました。

要点の整理

  • BtoBオウンドメディアの27.6%が「売上貢献がない・10%未満」と回答しており、PV依存では成果が出にくい
  • 売上貢献には「直接貢献」と「間接貢献」の2パターンがあり、自社に合った設計が必要
  • CVRを1%から2%に改善すれば成果は2倍になる。PVよりも転換率の改善を重視する
  • 成功企業は検索1ページ目表示50%超を達成しており、戦略的なキーワード設計が重要
  • 「誰に・何を・なぜ」を言語化し、全記事に一貫して反映させる仕組みが不可欠

まずは本記事のチェックリストを活用して、自社のオウンドメディアの現状を点検してみてください。KGI・KPIの設計ができていなければ、そこから着手することを推奨します。

オウンドメディアで売上貢献を実現するには、PV・UVではなく商談化率・受注率を指標に据え、「誰に・何を・なぜ」という戦略を全記事に一貫して反映させる仕組みを構築することが不可欠です。

「記事は出してるのに商談につながらない」を解決する。
御社を理解して書くから、刺さる。この記事はMediaSprintで作成しました。

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よくある質問

Q1オウンドメディアの売上貢献をどう測定すればよいですか?

A1PVだけでなく、商談化率・受注率・アシストCV数を追跡することが重要です。CVRを1%から2%に改善すれば同じアクセス数で成果が2倍になるため、流入数よりも転換率の改善を重視します。KGI(売上・問い合わせ目標)から逆算してKPIを設計することがポイントです。

Q2オウンドメディアで売上貢献できない企業の特徴は?

A2BtoBオウンドメディアの27.6%が「売上貢献がない・10%未満」という調査結果があります(サンプル74社と限定的)。共通する特徴として、戦略なく記事を量産しPVだけを追いかけていること、記事ごとにメッセージがバラバラで一貫性がないことが挙げられます。

Q3売上につながるオウンドメディアの運用ポイントは?

A3「誰に・何を・なぜ」という戦略を言語化し、全記事に一貫して反映させる仕組みを構築することです。上位企業では検索1ページ目表示50%超を達成しており、戦略的なキーワード設計と継続的なコンテンツ投資が重要です。

Q4経営層にオウンドメディアの売上貢献をどう説明すればよいですか?

A4KGI(売上・問い合わせ数)とKPI(商談化率・CVR)の関係を整理し、PVではなく「問い合わせ何件→商談何件→売上いくら」という因果関係で説明します。中小企業であれば月間問い合わせ30件、月間売上500万円といった目安を参考に自社の目標を設定すると効果的です。

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B2Bコンテンツマーケティング実践ガイド編集部

「PVではなく商談につながる」をテーマに、BtoB企業のマーケ担当者へ実践ノウハウを発信。デシセンス株式会社が運営。