記事コンテンツの炎上リスクは増加傾向にある
記事コンテンツの炎上を防ぐには、SNS運用ルールだけでなく、記事コンテンツの公開前にファクトチェック+複数人承認のフローを整備し、主張の一貫性と事実確認を仕組みで担保することが重要です。
炎上とは、SNS等で批判投稿が通常時の有意差を超えて急増する状態を指します。民間調査会社の集計によると、2025年9月の炎上件数は196件で、前年平均比+94件と増加傾向にあります。また、2025年上期(1-6月)のSNS炎上は181件に達し、特に3月は38件と突出していました(民間調査会社の独自定義に基づく集計であり、公的統計ではありません)。
記事を量産しながらも、ファクトチェックや承認フローが属人的で、炎上リスクを感じている企業は少なくありません。
この記事で分かること
- 記事・コンテンツが炎上する原因とメカニズム
- SNS運用だけでは防げない記事コンテンツの炎上リスク
- ファクトチェック+承認フローの具体的な設計方法
- 公開前に使える炎上リスクチェックリスト
記事・コンテンツが炎上する原因とメカニズム
炎上原因の最多は「特定の層を不快にさせる行為」で、約6割を占めると報告されています。記事コンテンツにおいては、事実誤認、配慮不足、主張の一貫性欠如が炎上の火種になりやすいです。
調査によると、炎上原因の80-90%が「不適切投稿」や「クレーム対応不備」に分類されています。また、「不適切発言・行為・失言」が原因の炎上は36%で、2024年下期の25%から増加しているというデータもあります。
二次炎上とは、初期対応の誤りや不十分な謝罪により再び批判が拡大することを指します。一度炎上が発生すると、対応次第では批判が収まるどころか拡大するリスクがあります。
記事コンテンツにおける炎上は、以下のような原因で発生することが多いです。
- 事実誤認: 裏付けのない情報や誤ったデータの記載
- 配慮不足: 特定の属性・立場の人を不快にさせる表現
- 主張ブレ: 記事ごとにターゲットや訴求ポイントがバラバラ
企業発信コンテンツにおける炎上の特徴
企業発信のコンテンツは、個人発信以上に社会的責任が問われ、炎上時の影響も大きくなります。
2024年通年の炎上原因主体で「メディア以外法人」が25.5%を占めるという調査結果があります。これは、炎上が大企業だけの問題ではなく、中小企業を含むあらゆる企業に影響しうることを示しています。
企業が発信する記事コンテンツは、個人のSNS投稿とは異なり、組織としての見解や姿勢を示すものと受け取られます。そのため、一度炎上すると企業ブランドへの影響が長期化するケースも見られます。
記事の炎上を防ぐための具体的対策
記事の炎上を防ぐには、SNS運用ガイドラインや監視ツールだけでは不十分です。記事コンテンツそのものの品質管理を仕組み化することが重要です。
ファクトチェックとは、記事内容の事実確認を行い、誤情報や根拠不備を検出するプロセスです。承認フローとは、コンテンツ公開前に複数人の確認・承認を経るプロセスを指します。
具体的な対策として、以下の3つが挙げられます。
- ガイドラインの整備: 表現ルール、NG表現リスト、配慮すべき事項を明文化
- 複数人チェック体制: 作成者以外の目で事実・表現を確認
- 承認フローの構築: 公開前に責任者の承認を必須化
SNS運用だけでは防げない記事コンテンツの炎上リスク
「SNS炎上対策」としてSNS運用ガイドラインや監視ツールを導入している企業は多いですが、この考え方だけでは記事コンテンツの炎上は防げません。
SNS監視ツールとは、SNS上の自社関連投稿をリアルタイムで検知・分析するツールです。炎上の早期発見には有効ですが、あくまで「発生後の検知」であり、予防にはなりません。
記事コンテンツそのものの品質管理が属人的なままでは、以下のような問題が発生します。
- 事実誤認の見落とし: チェック担当者のスキルや時間に依存
- 配慮不足の見落とし: 複数の視点でのレビューがない
- 主張ブレの蓄積: 記事ごとにターゲットや訴求がバラバラになる
これらは炎上の火種となりうるため、仕組みとしての品質管理体制が不可欠です。
ファクトチェック+承認フローの設計方法
公開前の品質管理フローを設計することで、炎上リスクを大幅に軽減できます。最低2-3人の承認体制を構築することが推奨されます。
【フロー図】ファクトチェック+承認フロー
flowchart TD
A[記事作成] --> B[セルフチェック]
B --> C{チェック担当者レビュー}
C -->|修正あり| A
C -->|OK| D[上長承認]
D -->|修正あり| A
D -->|承認| E[公開]
フローの各ステップ
- 記事作成: ライター・担当者が記事を執筆
- セルフチェック: 作成者自身がチェックリストに基づき確認
- チェック担当者レビュー: 作成者以外がファクトチェック・表現確認を実施
- 上長承認: 責任者が最終確認し、公開可否を判断
- 公開: 承認後に公開
ポイントは、作成者以外の目で必ず確認する体制を作ることです。自分で書いた文章は、自分では問題点に気づきにくいものです。
複数人チェック体制の構築ポイント
複数人でチェックする際は、役割分担を明確にすることで、チェックの質と効率を両立できます。
役割分担の例
| 役割 | 確認観点 |
|---|---|
| 作成者 | 内容の正確性、誤字脱字 |
| チェック担当者 | ファクトチェック、表現の適切性、配慮確認 |
| 上長・責任者 | ブランドとの整合性、公開可否の最終判断 |
小規模企業の場合、専任のチェック担当者を置くことが難しいケースもあります。その場合は、作成者と異なる部署の担当者(営業、カスタマーサポート等)に確認を依頼するなど、別の視点を入れる工夫が有効です。
記事公開前の炎上リスクチェックリスト
公開前に以下のチェックリストを使用することで、炎上リスクを軽減できます。炎上原因の最多が「特定の層を不快にさせる行為」であることを踏まえ、配慮確認の項目を重点的に設けています。
【チェックリスト】記事公開前の炎上リスクチェックリスト
- 記載している事実・データに根拠があるか確認した
- 引用元・出典を明記しているか確認した
- 数値や固有名詞に誤りがないか確認した
- 特定の属性(性別、年齢、国籍、職業等)を不当に扱っていないか確認した
- 差別的・侮蔑的と受け取られる表現がないか確認した
- 競合他社や他者を不当に批判・中傷していないか確認した
- 誇大表現や根拠のない断定がないか確認した
- 記事の主張が自社の方針・ブランドと一貫しているか確認した
- 画像・図表の著作権・使用許諾を確認した
- 公開前に作成者以外の確認を受けたか確認した
- 上長または責任者の承認を得たか確認した
このチェックリストをテンプレート化し、すべての記事公開前に実施することで、属人的な確認漏れを防ぐことができます。
炎上発生時の初動対応
万が一炎上が発生した場合、初動対応が極めて重要です。発見後1時間以内の社内報告と対応方針の決定が推奨されます。
初動対応のポイントは以下の通りです。
- 迅速な社内報告: 発見者から関係者への即時報告
- 事実確認: 何が問題になっているのかを正確に把握
- 対応方針の決定: 謝罪、訂正、削除等の方針を決定
- 公式対応の実施: 方針に基づき誠実に対応
不適切な謝罪は二次炎上を招くリスクがあります。事実確認が不十分なまま謝罪したり、責任逃れと受け取られる表現を使ったりすると、かえって批判が拡大することがあります。
まとめ:品質管理体制の構築で炎上リスクを最小化する
2015年〜2025年6月末時点で累計4,566件の炎上事例が蓄積されているという調査結果があります。他社の事例から学び、自社のリスク対策に活かすことが重要です。
記事の炎上を完全に防ぐことは困難ですが、品質管理体制を構築することでリスクを大幅に軽減できます。本記事で紹介した対策を実践することで、炎上リスクを最小化しながら継続的にコンテンツを公開できる体制を構築してください。
記事の炎上を防ぐには、SNS運用ルールだけでなく、記事コンテンツの公開前にファクトチェック+複数人承認のフローを整備し、主張の一貫性と事実確認を仕組みで担保することが重要です。
