動画コンテンツを作っても商談につながらない理由
意外かもしれませんが、動画コンテンツマーケティングで成果を出すには、YouTube活用のメリットを理解した上で、記事コンテンツと同じく「誰に・何を・なぜ」の戦略一貫性を保ち、商談化への導線を設計することが重要です。
「YouTubeチャンネルを開設して動画を投稿しているが、視聴数は増えても問い合わせにつながらない」「動画と記事で伝えている内容がバラバラになっている」——こうした悩みを抱えるBtoB企業のマーケティング担当者は少なくありません。
2025年の調査によると、BtoB商材の導入検討時に約49%(頻繁23%+時々26%)がYouTubeを情報源として利用しているという結果があります。また、動画マーケティングを導入した企業の87%が売上向上を実感しているとされています。これらの数値は動画活用の可能性を示す一方で、「視聴数が増えれば自然と商談につながる」という考えは誤りであることも示唆しています。
よくある失敗パターンとして、動画を作ればYouTubeの視聴数やチャンネル登録者が増え、自然とリードや商談につながると考えることが挙げられます。しかし、視聴数の増加と商談化は別の課題であり、CTAの設計やLPへの導線がなければ、いくら視聴されても成果にはつながりません。
この記事で分かること
- 動画コンテンツマーケティングの定義と市場動向
- BtoB企業におけるYouTube活用のメリット・デメリット
- 視聴数を商談につなげるための戦略設計方法
- 動画コンテンツ制作前に確認すべきチェックリスト
動画コンテンツマーケティングの定義と市場動向
動画コンテンツマーケティングとは、動画を活用して商品・サービスの認知向上、集客、購買促進を図るマーケティング手法です。テキストや画像と比較して、情報量が多く視覚的なインパクトを与えやすい特徴があります。
2024年の調査によると、日本国内18歳以上の月間YouTube利用者数は7,370万人で、日本人口の約60%に相当します。また、日本の動画広告市場規模は2023年時点で約5,065億円とされており、2019年比で約2倍の成長を遂げています。
この市場拡大はBtoC領域が中心ではあるものの、BtoB企業においても動画活用の機運が高まっています。製品デモや導入事例インタビュー、ウェビナーのアーカイブ配信など、BtoB特有の活用方法が増えてきています。
BtoB企業における動画活用の現状
BtoB商材の購買検討において、動画は重要な情報源となりつつあります。2025年の調査では、BtoB商材の導入検討時に約49%がYouTubeを情報源として利用していると報告されています(頻繁に利用23%+時々利用26%)。
この数値は、BtoB企業にとってもYouTubeでの情報発信が検討段階の見込み顧客にリーチする手段として有効であることを示しています。ただし、BtoCと異なり、視聴から商談化までの導線設計がより重要になる点に注意が必要です。
YouTube活用のメリット・デメリット
YouTube活用のメリットは、大きなリーチと購買検討への影響力にあります。一方で、成果が出るまでに時間がかかり、継続運用の負荷が高いというデメリットもあります。
2025年の調査によると、YouTube運用企業の約76%が事業成果を実感しており、その成果を実感している企業の約67%が半年以上運用しているという結果があります。これは、短期での成果は期待しにくく、継続的な取り組みが必要であることを示しています。
メリット:リーチ拡大と購買検討への影響
YouTubeを活用する最大のメリットは、BtoB購買検討者へのリーチを拡大できる点です。前述のとおり、BtoB商材の導入検討時に約49%がYouTubeを情報源として利用しています。
また、バンパー広告(6秒以下のスキップ不可の短尺動画広告)を活用した場合、2025年の調査ではコンバージョン直結効果を挙げる企業が73.7%に上るとされています。認知向上からリード獲得まで、動画広告を組み合わせることで効果を高められる可能性があります。
インストリーム広告とは、動画本編の再生前・中・後に表示される動画広告形式で、スキップ可能/不可のタイプがあります。BtoB企業では、ターゲティングを絞った配信により、意思決定者層へのリーチに活用されるケースもあります。
デメリット:継続運用と成果までの時間
YouTube活用の主なデメリットは、成果が出るまでに時間がかかることです。成果を実感している企業の約67%が半年以上運用しているという調査結果からも、短期的な成果は期待しにくいことが分かります。
また、動画制作には記事制作と比較してコストと工数がかかる傾向があります。撮影、編集、サムネイル作成など、継続的に運用するためのリソース確保が課題となるケースが多いです。
BtoB企業の動画コンテンツマーケティング成功事例
BtoB企業の動画活用事例として、導入事例インタビュー動画が成果を上げているケースがあります。重要なのは、単に動画を作るだけでなく、商談化への導線が設計されていた点です。
ある調査では、BtoB向けサービス紹介動画でCV率が8〜15倍向上したという事例平均値が報告されています(ただし、調査対象や条件は限定的であり、すべてのケースに当てはまるわけではありません)。
【比較表】動画コンテンツと記事コンテンツの活用比較表
| 観点 | 動画コンテンツ | 記事コンテンツ |
|---|---|---|
| 主な役割 | 理解促進・信頼構築 | 検索流入・詳細説明 |
| 情報量 | 短時間で多くの情報を伝達 | 読者のペースで詳細を確認 |
| SEO効果 | YouTube検索・関連動画表示 | Google検索での上位表示 |
| 制作コスト | 高め(撮影・編集工数) | 比較的低め |
| 更新頻度 | 月1〜4本が一般的 | 週1〜複数本が可能 |
| 商談化への貢献 | 検討段階での理解促進 | 認知〜比較検討まで幅広く |
| 戦略との整合性 | ターゲット・USPの反映が重要 | 同じく一貫性が重要 |
導入事例インタビュー動画の活用例
ゾーホージャパンの事例では、導入事例インタビュー動画を活用した結果、サービスへの問い合わせが250%増加し、契約率が180%向上したと報告されています(企業自己申告ベースのデータであり、第三者検証はされていません)。
この事例が成功した要因として考えられるのは、単に動画を公開しただけでなく、問い合わせへの導線が設計されていた点です。視聴数を追うのではなく、「この動画を見た人に次に何をしてほしいか」が明確だったことが成果につながっています。
商談化につなげる動画コンテンツ戦略の設計方法
動画コンテンツで商談化を実現するには、「誰に・何を・なぜ」の戦略を記事コンテンツと統一し、CTAと導線を設計することが不可欠です。視聴数だけを追っても商談にはつながりません。
2025年の調査では、YouTube運用で成果を実感している企業の約76%が、事業成果(商談数増加や売上向上など)を得ていると報告されています。これらの企業に共通するのは、動画単体ではなく、マーケティング全体の中で動画の役割を位置づけている点です。
【チェックリスト】動画コンテンツ制作前の戦略確認チェックリスト
- ターゲット(業種・企業規模・役職)が明確になっている
- この動画で伝えるUSP(自社の強み)が定義されている
- 記事コンテンツと同じターゲット・メッセージになっている
- 視聴者に取ってほしい次のアクション(CTA)が決まっている
- 動画からLP・問い合わせへの導線が設計されている
- 動画の概要欄にCTAとリンクを記載する準備ができている
- サムネイルでターゲットの課題に訴求できている
- 動画の冒頭15秒で視聴者の課題と解決策を提示している
- 動画の最後でCTAを明示する構成になっている
- 成果測定のKPI(視聴数・クリック数・CV数)が設定されている
- 記事やメルマガとの連携施策が計画されている
- 継続運用のリソース(月1〜4本程度)が確保されている
記事コンテンツと動画コンテンツの役割分担
記事コンテンツと動画コンテンツは、それぞれ異なる強みを持っています。記事はGoogle検索での流入獲得と詳細情報の提供に適しており、動画は理解促進と信頼構築に効果的です。
重要なのは、両者で「誰に・何を・なぜ」の戦略を統一することです。記事で訴求しているターゲットやUSPと、動画で伝えているメッセージがバラバラになると、見込み顧客の理解が混乱し、商談化につながりにくくなります。
CTAと導線設計のポイント
CTR(クリック率) とは、広告やリンクの表示回数に対するクリック数の割合で、動画広告の効果指標の一つです。CVR(コンバージョン率) は、サイト訪問者のうち目標アクション(問い合わせ、資料DL等)を完了した割合を指します。
動画から商談化への導線設計では、以下のポイントが重要です。
- 動画の概要欄にCTAとLPへのリンクを明記する
- 動画内でも視聴者に次のアクションを促す(「詳しくは概要欄のリンクから」など)
- 動画視聴後に遷移するLPでは、動画と同じメッセージを継続する
- 問い合わせフォームへの導線をシンプルに設計する
視聴数やチャンネル登録者が増えても、これらの導線がなければ商談にはつながりません。動画制作の前に、「視聴後に何をしてほしいか」を明確にすることが成果を左右します。
まとめ:戦略一貫性を持った動画活用で商談化を実現する
動画コンテンツマーケティングは、BtoB企業にとっても有効な手法となりつつあります。BtoB商材の導入検討時に約49%がYouTubeを情報源として利用しており、YouTube運用企業の約76%が事業成果を実感しているというデータがその可能性を示しています。
ただし、「動画を作れば視聴数が増え、自然と商談につながる」という考え方では成果は出ません。重要なのは、以下の3点です。
- 記事コンテンツと同じく「誰に・何を・なぜ」の戦略を統一する
- 視聴後のCTAと導線を設計する
- 継続運用(成果実感企業の67%が半年以上運用)を前提とした計画を立てる
動画コンテンツマーケティングで成果を出すには、YouTube活用のメリットを理解した上で、記事コンテンツと同じく「誰に・何を・なぜ」の戦略一貫性を保ち、商談化への導線を設計することが重要です。
まずは本記事のチェックリストを活用し、動画制作前に戦略が整理されているかを確認することから始めてみてください。
