記事の薬機法対策で注意すべき点|NGワード暗記より仕組み化が重要

著者: B2Bコンテンツマーケティング実践ガイド編集部公開日: 2026/1/1411分で読めます

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記事制作でNGワードを覚えても薬機法違反が起きる理由

多くの人が見落としがちですが、記事作成における薬機法対策は、NGワードを覚えるだけでは不十分であり、チェックリストと承認フローを記事制作プロセスに組み込む「仕組み化」によって、継続的にリスクを回避できます。

化粧品や健康食品を扱うBtoB企業のマーケティング担当者の中には、「薬機法のNGワードは一通り調べた」「ライターにも注意喚起している」という方も多いでしょう。しかし、2025年9-10月のREGAL CORE社調査では、記事LP広告において薬機法・景表法上「問題となる可能性が高い」表現を含む配信が依然として確認されています(調査対象は限定的)。つまり、知識として知っているだけでは、実際の記事制作で違反を防ぎきれないケースが少なくないのです。

この記事で分かること

  • 薬機法の基礎知識と、記事が広告とみなされる条件
  • 薬機法で注意すべきNGワードと言い換え表現の例
  • 担当者の知識任せでは防げない理由
  • 記事公開前のチェックリストと制作フローへの組み込み方
  • 仕組み化によって継続的にリスクを回避する方法

薬機法の基礎——記事が広告と判断される条件と規制の概要

薬機法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)は、医薬品・医療機器・化粧品・健康食品等の広告表現を規制する法律です。記事形式のコンテンツであっても、一定の条件を満たせば規制対象となる可能性があります。

薬機法第66条は、虚偽・誇大広告の禁止を定めた条文です。明示・暗示を問わず、事実と異なる効能効果の表示を禁止しています。また、薬機法第68条は、承認前医薬品等の広告禁止を定めており、未承認・適応外の効能効果の広告が禁じられています。

重要なのは、薬機法の規制対象は「何人も」であり、広告主だけでなく媒体社・代理店・インフルエンサー等にも適用されるという点です。「記事だから対象外」「体験談だから問題ない」といった認識は誤りであり、後述する広告の3要件を満たせば規制対象となりえます。

広告とみなされる要件——記事LPやオウンドメディアも対象

薬機法上の広告の3要件とは、以下の条件を指します。この3要件をすべて満たすと、法律上「広告」と判断される可能性があります。

要件 内容 具体例
顧客誘引の意図 商品・サービスへの誘導を目的としている 記事末尾に商品購入リンクを設置している
特定商品の名称等が明示 具体的な商品名やブランド名が記載されている 「○○クリーム」など商品名を明記
不特定多数への発信 一般に公開され、誰でもアクセスできる状態 Webサイト、SNS投稿など

PR記事・比較サイト・体験談記事であっても、上記3要件を満たせば規制対象となりえます。記事体であることは免責理由にならないため、コンテンツマーケティングに携わる担当者は注意が必要です。

2021年改正と課徴金制度——違反時のリスク

2021年8月1日施行の薬機法改正で、虚偽・誇大広告(第66条1項)に対する課徴金制度が導入されました。課徴金制度は、違反行為に対して金銭的な制裁を科す仕組みです。

また、薬機法違反の罰則として、最大3年以下の懲役または300万円以下の罰金が科せられる可能性があります。刑事罰だけでなく、課徴金という金銭的リスクも加わったことで、企業にとって薬機法対策の重要性はさらに高まっています。

なお、個別のケースについては法律の専門家への相談を推奨します。本記事はあくまで一般的な情報提供であり、法的助言ではありません。

薬機法で注意すべきNGワードと言い換え表現

薬機法違反となりうる表現と、その言い換え例を以下に整理します。ただし、これらはあくまで一般的な例であり、文脈や商品カテゴリによって判断が異なるケースがあります。個別の表現については、専門家への確認を推奨します。

医薬品等適正広告基準は、厚生労働省が定める広告規制の具体的な運用基準です。薬機法に基づく広告表現の指針として参照されます。

化粧品でよくあるNG表現と言い換え例

NG表現 問題点 言い換え例
シワを改善する 医薬品的な効能効果を標榜 ハリのある印象の肌へ
シミを消す 治療効果を暗示 透明感のある肌に導く
治療 医療行為を想起させる ケア、お手入れ
老化を防ぐ 医薬品的な効能効果 年齢に応じたケア

健康食品・サプリメントでよくあるNG表現と言い換え例

NG表現 問題点 言い換え例
病気が治る 医薬品的な効能効果 健康をサポート
血圧を下げる 医薬品的な効能効果 健康的な毎日のために
○○に効く 医薬品的な効能効果 ○○が気になる方に

**よくある誤解として、「体験談だから効能効果を謳っても問題ない」という考え方がありますが、これは誤りです。**体験談の形式であっても、効能効果の誇張表現は違反となりうるため、体験談コンテンツも同様の注意が必要です。

担当者の知識任せでは防げない——属人的運用の問題点

**薬機法のNGワードを担当者が個人的に調べて記憶し、記事ごとに都度判断するパターンは、継続的なリスク管理として不十分です。**担当者の知識レベルや注意力に依存するため、チェック漏れや解釈のばらつきが生じ、違反リスクが残り続けます。

前述の2025年調査で問題表現が継続的に確認されている背景には、このような属人的な運用体制の限界があると考えられます。

チェック漏れと解釈のばらつきが起きるパターン

属人的な運用では、以下のような問題が発生しがちです。

担当者間で判断が異なるケース

  • 担当者Aは「NG」と判断したが、担当者Bは「問題ない」と判断
  • 曖昧な表現について、毎回判断が揺れる

繁忙期にチェックが甘くなるケース

  • 急ぎの案件で十分なチェック時間が取れない
  • 「いつも使っている表現だから大丈夫」と思い込む

外注先との認識齟齬が生じるケース

  • ライターに伝えたはずのNGワードが反映されていない
  • 口頭での注意喚起が記録に残らず、引き継ぎ時に抜け落ちる

担当者の退職・異動時のリスク

  • 知識が属人化しており、後任者が同じレベルでチェックできない
  • NG表現リストが更新されないまま放置される

これらの問題を解決するには、個人の知識や注意力に頼らない「仕組み」を構築することが重要です。

記事制作フローに薬機法チェックを組み込む方法

薬機法対策を継続的に機能させるには、チェックリストを用意し、制作フローの各段階に組み込むことが有効です。薬機法の規制対象は「何人も」であり、広告主だけでなく外注先や代理店も含めた全関係者でのルール共有が重要です。

記事公開前の薬機法チェックリスト

以下は、記事公開前に確認すべき項目の例です。すべてのケースに対応できるものではありませんが、チェックの抜け漏れ防止に活用できます。

【チェックリスト】記事公開前の薬機法チェックリスト

  • 対象商品カテゴリ(化粧品・健康食品・サプリメント等)を確認した
  • 広告の3要件(顧客誘引の意図・商品名明示・不特定多数への発信)に該当するか確認した
  • 「治療」「改善」「効く」など医薬品的な効能効果を示す表現がないか確認した
  • 「シワを消す」「シミを取る」など身体の変化を断定する表現がないか確認した
  • 「No.1」「最高」「絶対」など根拠のない最上級表現がないか確認した
  • 体験談・口コミに効能効果の誇張表現がないか確認した
  • ビフォーアフター画像が効能効果を過度に強調していないか確認した
  • 医師・専門家の推薦が効能効果の保証と誤解される形式になっていないか確認した
  • 使用上の注意や注釈が適切に記載されているか確認した
  • 外注ライターにNGワードリスト・ガイドラインを共有したか確認した
  • 複数人でのダブルチェックを実施したか確認した
  • 判断に迷う表現について、専門家に相談したか確認した

上記チェックリストはあくまでガイドラインです。個別の判断が必要な場合は、薬事法務の専門家への確認を推奨します。

制作フローへの組み込み手順

薬機法チェックを制作プロセスの各段階に組み込むことで、チェック漏れを防止できます。

【フロー図】薬機法チェックを記事制作フローに組み込む手順

flowchart TD
    A[企画段階] --> B[執筆段階]
    B --> C[チェック段階]
    C --> D[承認段階]
    D --> E[公開]
    E --> F[公開後モニタリング]
    
    A1[対象商品カテゴリの確認] --> A
    A2[NGワードリストの共有] --> A
    
    B1[ライターへのガイドライン提供] --> B
    B2[執筆時のセルフチェック] --> B
    
    C1[チェックリストによる確認] --> C
    C2[ダブルチェックの実施] --> C
    
    D1[責任者による最終確認] --> D
    D2[必要に応じて専門家レビュー] --> D
    
    F1[定期的な表現見直し] --> F
    F2[法改正情報のキャッチアップ] --> F

各段階のポイント

企画段階

  • 対象商品がどのカテゴリに該当するか(化粧品・健康食品・医薬部外品等)を確認
  • 社内のNGワードリストを最新版に更新し、関係者に共有

執筆段階

  • 外注ライターにはガイドラインとNGワードリストを事前に提供
  • 執筆者自身によるセルフチェックを習慣化

チェック段階

  • チェックリストに基づく確認を実施
  • 可能であれば執筆者以外の担当者によるダブルチェックを導入

承認段階

  • 責任者が最終確認を行い、承認フローを経て公開
  • 判断に迷う表現がある場合は、専門家(薬事法務など)に相談

公開後

  • 公開済みコンテンツの定期的な見直しを実施
  • 法改正や行政指導の情報をキャッチアップし、必要に応じて修正

まとめ——薬機法対策は知識ではなく仕組みで担保する

本記事では、記事制作における薬機法対策について解説しました。

ポイントの整理

  • 薬機法の規制対象は「何人も」であり、記事形式でも広告の3要件を満たせば対象となりうる
  • 2021年の法改正で課徴金制度が導入され、違反時のリスクが高まっている
  • NGワードを知識として覚えるだけでは、担当者の注意力や知識レベルに依存し、チェック漏れが発生する
  • チェックリストと承認フローを制作プロセスに組み込む「仕組み化」が重要

薬機法のNGワードを担当者が個人的に調べて記憶し、記事ごとに都度判断するパターンでは、継続的なリスク管理として限界があります。

記事作成における薬機法対策は、NGワードを覚えるだけでは不十分であり、チェックリストと承認フローを記事制作プロセスに組み込む「仕組み化」によって、継続的にリスクを回避できます。

自社の制作フローを見直し、本記事で紹介したチェックリストや組み込み手順を参考に、仕組み化を検討してみてください。なお、個別のケースについては法律の専門家への相談を推奨します。

「記事は出してるのに商談につながらない」を解決する。
御社を理解して書くから、刺さる。この記事はMediaSprintで作成しました。

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よくある質問

Q1薬機法違反の罰則はどのくらい重い?

A1薬機法違反の罰則は最大3年以下の懲役または300万円以下の罰金が科せられる可能性があります。また、2021年8月施行の法改正で虚偽・誇大広告に対する課徴金制度も導入されました。刑事罰に加え金銭的な制裁リスクも生じるため、対策の重要性が高まっています。

Q2オウンドメディアの記事も薬機法の規制対象になる?

A2広告の3要件(顧客誘引の意図、特定商品名の明示、不特定多数への発信)を満たせば、オウンドメディア記事やPR記事も規制対象となりえます。記事形式であることは免責理由にならないため、商品への誘導を目的とした記事は注意が必要です。

Q3インフルエンサーの投稿で薬機法違反があった場合、企業も責任を問われる?

A3薬機法の規制対象は「何人も」であり、広告主だけでなく媒体社・代理店・インフルエンサー等にも適用されます。企業がインフルエンサーに依頼した投稿で違反があれば、企業側も責任を問われる可能性があります。依頼時にガイドラインを共有し、事前確認を行うことが重要です。

Q4体験談として効果を書けば薬機法違反にならない?

A4「個人の体験談だから効能効果を謳っても問題ない」という認識は誤りです。体験談の形式であっても、効能効果の誇張表現は違反となりうるため、体験談コンテンツも同様の注意が必要です。

Q5薬機法チェックは誰がすべき?

A5担当者個人の知識任せではなく、チェックリストと承認フローを制作プロセスに組み込み、組織として対応することが重要です。複数人でのダブルチェックを導入し、判断に迷う表現については専門家(薬事法務など)による監修体制を構築することが有効です。

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