結論とCTAを工夫しても成果が出ない理由
結論とCTAで読者を動かすには、テクニックの前に「この記事で誰に何を伝え、どう行動してほしいか」という戦略を明確にし、一貫したメッセージで締めくくることが重要です。
「CTAボタンの色を変えた」「配置を最適化した」——こうした改善を行っても、なかなかコンバージョンにつながらないという課題を抱えるBtoB企業のマーケティング担当者は少なくありません。
調査によると、BtoBサイトでCTA文言・コピーの変更に取り組んだ企業では57.2%が商談化率30%以上を達成したのに対し、配置改善のみのグループは31.2%にとどまったという結果があります。文言改善は配置改善の約2倍の効果があるとされていますが、それでも成果が出ないケースがあります(調査対象は限定的)。
その原因は、記事全体の主張が曖昧なまま結論・CTAだけを最適化しているためです。
この記事で分かること
- CTAと結論の役割、両者がセットで機能する仕組み
- 効果的な結論の書き方(「誰に・何を・なぜ」から逆算する方法)
- クリックされるCTAの設計ポイントと文言改善の具体例
- 結論・CTA設計を仕組み化するチェックリスト
CTAとは何か|結論が果たす役割と関係性
CTA(Call To Action) とは、ユーザーに「次に取ってほしい行動」を明確に促す要素です。ボタン・テキストリンク・バナー等の形式で設置され、資料ダウンロード、問い合わせ、デモ依頼などの行動を促します。
一方、記事の結論は「読者の疑問に答えを出す場所」です。読者が記事を読んで抱いた疑問や課題に対して、明確な答えを示す役割を担います。
BtoB記事においては、結論→CTAの流れが商談化の入り口になります。結論で読者の課題を解決する方向性を示し、CTAで具体的な次のアクション(資料請求、相談予約など)を促すという構成が効果的です。
CTR(Click Through Rate) とは、表示回数に対するクリック数の割合であり、CTAの効果を測る基本指標です。CTRを改善することは重要ですが、CTRだけでなく「クリック後の商談化」まで含めて設計することがBtoBでは求められます。
BtoB記事における結論・CTAの特徴
BtoB記事の読者は、BtoCとは異なる行動パターンを持っています。特に決裁者は結論だけを読む傾向があるため、結論パートの重要性が高まります。
調査によると、BtoBサイトのお役立ち資料系CTAはクリックの41.3%が情報収集層から発生し、見積・デモ・相談系CTAはクリックの約70%が即アクション層から発生するとされています。つまり、CTAの種類によってクリックする読者層が異なるのです。
この特徴を踏まえると、結論・CTAは「誰に向けて書いているか」を意識した設計が必要になります。情報収集段階の読者には資料系CTA、すでに導入を検討している読者にはデモ・相談系CTAが効果的という傾向があります。
効果的な結論の書き方|「誰に・何を・なぜ」から逆算する
効果的な結論を書くには、テクニックよりも先に「この記事で誰に何を伝え、どう行動してほしいか」を明確にすることが必要です。
結論の構成パターンとして、以下の流れが効果的です。
- 課題の再確認: 読者が抱える課題を端的に述べる
- 解決策の提示: 記事で解説した解決策を要約する
- 期待できる成果: 解決策を実行した場合の成果を示す
- CTAへの橋渡し: 次のアクションを促す導線を作る
この構成で結論を書くことで、読者は「自分の課題→解決策→成果→次にやるべきこと」という流れを理解しやすくなります。
結論パートでは「課題→解決策→期待できる成果」を短く整理し、CTAへの橋渡しを作ることが重要です。長く書けばCVが増えるという考えは誤りで、BtoBでは簡潔さが求められます。
よくある失敗パターン|主張がブレた結論
「CTAボタンの色や文言だけを工夫すれば成果が出る」という考え方は誤りです。記事全体の主張が曖昧なまま結論・CTAを最適化しても、読者は行動しません。
よくある失敗パターンとして、記事本文では「コスト削減」を訴求しているのに、結論では「業務効率化」を強調するケースがあります。このように主張がブレていると、読者は「結局何が言いたいのか」が分からず、CTAをクリックする動機が生まれません。
また、記事のターゲットが曖昧なまま書いてしまうと、結論も誰に向けたものか不明確になります。「経営層向け」なのか「現場担当者向け」なのかによって、結論の書き方やCTAの種類は変わるべきです。
クリックされるCTAの設計|配置と文言のポイント
CTA改善においては、配置よりも文言・コピーの見直しを優先することが効果的とされています。
前述の調査では、文言改善は配置改善の約2倍の効果があるという結果が報告されています。これは、読者がCTAをクリックするかどうかは「どこにあるか」よりも「何を得られるか」で判断する傾向が強いためと考えられます。
CTA文言を改善する際のポイントは、「行動のハードルを下げる」表現にすることです。具体的には以下の要素が効果的です。
- 所要時間の明示: 「30秒で完了」「1分で登録」
- 無料であることの強調: 「無料で試す」「0円でダウンロード」
- 得られる価値の明示: 「成功事例集を入手」「具体的な手順を確認」
パーソナライズCTAとは、ユーザーの属性・行動履歴に応じて表示内容を変えるCTAです。海外の調査では、パーソナライズされたCTAは非パーソナライズより42%多くの訪問者をコンバージョンさせるというデータがあります(海外データのため日本市場では異なる可能性があります)。
【比較表】BtoB記事タイプ別CTA配置パターン
| 記事タイプ | 想定読者層 | 推奨CTA種類 | 配置のポイント |
|---|---|---|---|
| ハウツー記事 | 情報収集層 | 資料ダウンロード、チェックリスト | 記事中盤と末尾に設置 |
| 事例紹介記事 | 比較検討層 | 事例集ダウンロード、無料相談 | 事例説明後に設置 |
| 比較記事 | 比較検討層〜即アクション層 | デモ依頼、見積もり依頼 | 比較表の直後に設置 |
| 課題解決記事 | 情報収集層〜比較検討層 | ホワイトペーパー、無料診断 | 課題提示後と末尾に設置 |
| ニュース・トレンド記事 | 情報収集層 | メルマガ登録、関連資料 | 記事末尾に設置 |
資料系CTAはクリックの41.3%が情報収集層から発生する傾向があるため、ハウツー記事やトレンド記事との相性が良いとされています。一方、デモ・相談系CTAは約70%が即アクション層からクリックされるため、比較記事や事例記事に配置すると効果的です。
CTA文言改善の具体例
CTA文言の改善で効果が出た事例を紹介します。
ある調査では、CTA文言を「今すぐ資料を見る」から「30秒で完了!無料で試す」に変更したところ、クリック率が1.8%から4.5%(約2.5倍)に向上した事例が報告されています。
この事例のポイントは以下の通りです。
- 所要時間の明示(30秒で完了)により、時間的なハードルを下げた
- 無料であることの強調により、金銭的なハードルを下げた
- 「試す」という動詞により、コミットメントの軽さを伝えた
また、CTAボタンを静止画からアニメーション付きに変更し、平均CTRが1.7倍(最大2.8倍)に向上した事例もあります(自社サービス事例のため一般化には注意が必要)。視覚的な注目を集める工夫も効果があるとされています。
結論・CTA設計を仕組み化するチェックリスト
戦略から結論・CTAまでを一貫させるためのチェックリストを用意しました。新しい記事を書く際や、既存記事を改善する際に活用してください。
【チェックリスト】結論・CTA設計チェックリスト
- この記事のターゲット(誰に)を明文化している
- この記事で伝えたいメッセージ(何を)を明文化している
- この記事を読んだ後に読者にしてほしい行動(なぜ)を明文化している
- 記事全体を通じて主張が一貫している
- 結論で「課題→解決策→期待できる成果」を簡潔にまとめている
- 結論から CTAへの橋渡しが自然にできている
- CTAの種類がターゲットの検討フェーズに合っている
- CTA文言に「所要時間」「無料」などハードルを下げる要素が入っている
- CTA文言に得られる価値が明示されている
- CTAの配置が記事タイプに合っている
- 複数のCTAを設置する場合、検討フェーズ別に分けている
- パーソナライズCTAの導入を検討している
海外の調査では、パーソナライズされたCTAは非パーソナライズより42%多くの訪問者をコンバージョンさせるというデータがあります(海外データのため日本市場への適用には注意が必要)。ターゲットセグメントごとにCTAを出し分けることで、効果を高められる可能性があります。
まとめ|戦略を明確にしてから結論・CTAを設計する
本記事では、BtoB記事における結論とCTAの書き方を解説しました。要点は以下の通りです。
- CTAは「次に取ってほしい行動」を促す要素であり、結論は「読者の疑問に答えを出す場所」である
- CTA改善は配置よりも文言改善の方が効果が高い傾向がある(約2倍という調査結果あり)
- 記事タイプと読者の検討フェーズに応じてCTAの種類と配置を決める
- 結論・CTAを設計する前に「誰に・何を・なぜ」を明文化することが必要
結論とCTAで読者を動かすには、テクニックの前に「この記事で誰に何を伝え、どう行動してほしいか」という戦略を明確にし、一貫したメッセージで締めくくることが必要です。
まずは既存の記事について、チェックリストを使って「主張がブレていないか」「CTAの種類と配置は適切か」を確認してみてください。戦略が明確になれば、結論・CTAの改善効果も高まるはずです。
