コンテンツマーケティングのレポートが成果説明に活かされない理由
コンテンツマーケティングのレポート作成で成功するには、PV・UVだけでなく商談化・受注への貢献を可視化し、戦略(誰に・何を・なぜ)との一貫性を検証できる項目を含めることで、経営層への説明と継続的な改善に活用できるものになります。
多くのBtoB企業で、コンテンツマーケティングのレポートが「PVが増えました」「記事を公開しました」という報告に終わっています。しかし、このようなレポートでは経営層への成果説明ができず、次の改善アクションにもつながりません。
2025年5月の調査によると、BtoB営業活動でコンテンツを「全く/あまり活用できていない」と回答した企業は36%に上ります(n=197)。コンテンツを制作しても、レポートでその価値を適切に伝えられていないことが、活用不足の一因と考えられます。
この記事で分かること
- レポートに含めるべき指標の種類(KPI/KGI/CVR/MQL)
- 経営層に伝わるレポートの書き方と見せ方
- 商談化・受注への貢献を可視化する方法
- レポート作成を効率化するツールとチェックリスト
レポートに含めるべき指標の種類を理解する
コンテンツマーケティングのレポートには、PV・UVだけでなく、商談化・受注までの流れを追跡できる指標を含めることが重要です。指標はKGI(最終目標)からKPI(中間指標)へとツリー構造で設計します。
KGI(重要目標達成指標) とは、最終的な目標を示す指標です。例として年間売上高や新規顧客獲得数などが挙げられます。
KPI(重要業績評価指標) とは、目標達成度を測定する指標です。レポートではPV、CVR、問い合わせ数、商談化率などを設定します。
CVR(コンバージョン率) とは、サイト訪問者のうち、問い合わせや資料請求などの成果に至った割合を指します。
MQL(Marketing Qualified Lead) とは、マーケティング活動によって獲得・育成され、営業に引き渡す基準を満たした見込み顧客のことです。
BtoB SEO施策の目安として、オーガニック流入月3,000PV、CVR1%、問い合わせ20件/月といったKGI/KPI事例が紹介されています。ただし、これらの数値は業界・企業規模によって大きく異なるため、自社データとの比較を推奨します。
【比較表】レポート指標の分類比較表
| 指標分類 | 指標名 | 役割 | レポートでの活用方法 |
|---|---|---|---|
| 流入指標 | PV・UU・セッション数 | 認知拡大の成果を測定 | 前月比・目標対比で報告 |
| エンゲージメント指標 | 滞在時間・直帰率 | コンテンツ品質を測定 | 改善余地の特定に活用 |
| コンバージョン指標 | CVR・問い合わせ数 | リード獲得を測定 | 商談化への貢献として報告 |
| 商談指標 | MQL数・商談化率 | 営業貢献を測定 | 売上への寄与として報告 |
| 受注指標 | 受注数・受注金額 | 最終成果を測定 | ROIの根拠として報告 |
PVだけでは不十分な理由
PVだけを追跡すると、「アクセスは増えているが商談につながらない」という状況を見逃してしまいます。PVが増えても、ターゲット外のユーザーが流入しているケースや、記事の訴求とサービス内容がミスマッチしているケースでは、商談化につながりません。
レポートでは、PVからCVR、MQL、商談、受注までの流れを一気通貫で追跡できる指標設計が求められます。
レポート作成の手順と書き方のポイント
レポート作成は、データ収集、分析、ストーリー構成、改善提案の順で進めます。数値の羅列ではなく、「なぜその結果になったのか」「次に何をすべきか」を含めたストーリーとして構成することが重要です。
レポート作成の基本ステップ
- 報告期間と目的の明確化
- 各指標のデータ収集
- 目標対比・前期比較の分析
- 成果と課題の整理
- 改善アクションの提案
経営層に伝わるデータの見せ方
経営層への報告では、細かい数値よりも「ビジネスへの貢献」を端的に伝えることが求められます。
効果的な見せ方のポイント
- 数値データはグラフ化し、傾向を視覚的に伝える
- 目標対比・前期比較を明示し、進捗状況を一目で把握できるようにする
- ハイライト(特に伝えたいポイント)を冒頭に配置する
- 改善アクションと期待される効果を具体的に提案する
業界平均との比較を含めると、自社の立ち位置を客観的に伝えられます。ただし、業界平均は公開されているデータが限られるため、あくまで参考値として提示することを推奨します。
商談化・受注への貢献を可視化するレポート項目
商談化・受注への貢献を可視化するには、PVやUVだけでなく、MQLから商談、受注までの流れを追跡できる項目をレポートに含める必要があります。
「PVが増えました」「記事を○本公開しました」という数値の羅列で終わるレポートでは、経営層への成果説明ができず、次の改善アクションにもつながらないという考え方は誤りです。 このようなレポートでは、コンテンツマーケティングの真の価値を伝えることができません。
前述の調査では、BtoB営業活動でコンテンツを活用できていない企業が36%という結果が出ています(2025年5月調査)。レポートで商談化への貢献を可視化できていないことが、営業部門でのコンテンツ活用の障壁になっている可能性があります。
商談化を可視化するために含めるべき項目
- MQL(マーケティング認定リード)数の推移
- コンテンツ経由の問い合わせ数・資料請求数
- 商談化率(MQLから商談に進んだ割合)
- 受注への貢献(コンテンツがタッチポイントとなった案件数)
戦略との一貫性を検証するレポート項目
「誰に・何を・なぜ」という戦略との整合性を検証する項目も、レポートに含めることを推奨します。
- ターゲット合致度: 流入ユーザーがターゲットペルソナに合致しているか
- 訴求軸の一貫性: 記事ごとにメッセージがブレていないか
- CVポイントの適切性: ターゲットに適したCVポイントを設定できているか
これらの項目を定期的に検証することで、「なぜCVRが低いのか」「なぜ商談につながらないのか」の原因を特定し、改善につなげることができます。
レポート作成を効率化するツールとフォーマット
レポート作成を効率化するには、データ収集から可視化まで一貫して行えるツールの活用が有効です。
Looker Studioは、Googleが提供する無料のBIツールです。Google Analyticsやサーチコンソールのデータを連携し、ダッシュボード形式でレポートを自動生成できます。特定ツールの推奨は避けますが、無料で利用できるツールとして選択肢の一つになります。
2025年度のBtoBマーケティング注力施策として、中小企業ではSEO・コンテンツマーケティング強化意向が13.5%という調査結果があります(回答者属性に偏りの可能性あり)。限られたリソースで成果を出すためにも、レポート作成の効率化は重要なテーマです。
【チェックリスト】コンテンツマーケティングレポート作成チェックリスト
- レポートの目的と報告対象者を明確にした
- 報告期間を設定した(週次/月次/四半期)
- KGI(最終目標)を明記した
- KPI(中間指標)を設定した
- PV・UVの推移を記載した
- CVR(コンバージョン率)を算出した
- MQL数を追跡した
- 商談化率を計算した
- 受注への貢献を可視化した
- 目標対比を明示した
- 前期比較を記載した
- グラフ・図表で視覚化した
- 成果のハイライトを冒頭に配置した
- 課題を具体的に記載した
- 改善アクションを提案した
- 次期の目標を設定した
- 戦略との一貫性を検証した
- 経営層向けのサマリーを作成した
まとめ|商談・受注への貢献を可視化するレポートで改善サイクルを回す
本記事では、コンテンツマーケティングのレポート作成方法について解説しました。
要点の整理
- レポートにはPV・UVだけでなく、CVR・MQL・商談化率・受注貢献まで含める
- KPIツリー(KGI→KPI)の構造で指標を設計する
- 数値の羅列ではなく、ストーリーと改善提案を含めて報告する
- 戦略(誰に・何を・なぜ)との一貫性を定期的に検証する
- BtoB SEO施策の目安として、オーガニック流入月3,000PV、CVR1%、問い合わせ20件/月といったKPI事例がある(業界・企業規模により異なる)
コンテンツマーケティングのレポートは、PV・UVだけでなく商談化・受注への貢献を可視化し、戦略(誰に・何を・なぜ)との一貫性を検証できる項目を含めることで、経営層への説明と継続的な改善に活用できるものになります。
まずは本記事のチェックリストを活用して、自社のレポートに不足している項目を確認してみてください。商談・受注への貢献を可視化することで、コンテンツマーケティングの価値を経営層に正しく伝え、継続的な改善サイクルを回すことができます。
