コンテンツマーケティングの施策を増やしても成果が出ない原因とは
多くの人が見落としがちですが、コンテンツマーケティングで成果を出すには、施策の種類を知るだけでなく、自社のターゲット・USPと一貫性のある施策を選び、全コンテンツに戦略を反映させる仕組みを整えることが重要です。
「記事を増やしているのにPVは増えても商談につながらない」「ウェビナーを始めたが参加者が商談化しない」——こうした課題を抱えるBtoB企業のマーケティング担当者は少なくありません。
BtoB企業マーケ担当者を対象とした調査によると、9割以上が「リード獲得コストは過去3年で上昇」と回答しています(FNNプライムオンライン/イノベーション社調査、2024年)。海外調査では82%の企業がコンテンツマーケティングを利用しているとされていますが(ただし日本市場を直接反映していない)、施策を増やすだけでは成果につながらないケースが増えています。
この記事で分かること
- コンテンツマーケティングの代表的な施策種類と特徴
- 各施策のメリット・デメリット比較表
- 施策選定でよくある失敗パターンと戦略連動の重要性
- 施策選定前に確認すべき戦略チェックリスト
コンテンツマーケティングの代表的な施策種類
コンテンツマーケティングの施策は、オウンドメディア・ホワイトペーパー・動画・ウェビナー・SNS・メルマガなど多岐にわたります。海外調査によると、マーケターが成果の良いフォーマットとして挙げる優先順位は1位:動画、2位:導入事例(ケーススタディ)、3位:ホワイトペーパー/eBookとされています(グローバル平均であり日本企業の実績と完全一致しない点に注意)。
以下、BtoBで特に活用される主要な施策を紹介します。
オウンドメディア・SEO記事
オウンドメディアとは、自社で所有・運営するメディアのことで、企業ブログやコラムサイト等でコンテンツを継続発信します。
SEO記事は検索流入を獲得する基盤施策として位置づけられます。ターゲットが検索するキーワードに対応した記事を公開することで、課題を持つ見込み顧客との接点を作ることができます。中長期的に資産として蓄積される一方、成果が出るまでに時間がかかる傾向があります。
ホワイトペーパー・資料ダウンロード
ホワイトペーパーとは、調査レポートや導入ガイド等、連絡先情報と交換でダウンロードさせる資料コンテンツです。
リード獲得に直結する施策であり、見込み顧客の情報を取得できる点が特徴です。ただし、製品カタログの延長のような内容では、課題→解決策のフレームが弱く読了されないケースも少なくありません。
動画・ウェビナー・SNS・メルマガ
海外調査では、BtoBマーケターにとってウェビナー・オンラインコース・バーチャルイベントが最も成果を上げているコンテンツタイプとされています(日本市場での実績は企業ごとに差がある点に注意)。
ナーチャリングとは、見込み顧客を育成し、購買意欲を高めるマーケティング活動のことです。メルマガやSNSは、ナーチャリング施策として継続的に接点を持つ手段となります。日本のSNSマーケティング市場は2024年に約1兆72億円と推計されており、BtoBでも活用が進んでいます。
施策別メリット・デメリット比較表
各施策にはメリット・デメリットがあり、自社の目的やリソースに応じて選択することが重要です。ナーチャリング戦略を実行する企業の79.1%が「成果を実感」しており、主な施策としてメール配信・ホワイトペーパー・ウェビナーが挙がっています(FNNプライムオンライン/イノベーション社調査、2024年)。
CPL(Cost Per Lead) とは、リード1件あたりの獲得コストのことで、施策ごとの費用対効果を測定する重要指標です。
【比較表】コンテンツマーケティング施策比較表
| 施策 | メリット | デメリット | 向いている企業・目的 |
|---|---|---|---|
| オウンドメディア・SEO記事 | 中長期的に資産化、検索流入を獲得 | 成果が出るまで時間がかかる | 継続的なリード獲得を目指す企業 |
| ホワイトペーパー | リード情報を直接取得、短期間で成果 | 制作コストがかかる、質の担保が必要 | リード獲得を優先したい企業 |
| 動画 | 情報伝達力が高い、SNSで拡散しやすい | 制作コスト・工数が大きい | ブランド認知を高めたい企業 |
| ウェビナー | 商談化率が高い傾向、双方向コミュニケーション | 集客・運営の負担、定期開催が必要 | 商談化を重視する企業 |
| SNS | 認知拡大、即時性が高い | BtoBではリーチが限定的な場合も | ターゲットがSNSを活用している企業 |
| メルマガ | ナーチャリングに効果的、コストが低い | 開封率の維持が課題 | 既存リードの育成を重視する企業 |
※費用相場は業種・企業規模・外注先によって大きく異なります。一般的なゾーンとして、記事制作は1本あたり数万円〜、ホワイトペーパーは1本あたり十数万円〜が目安とされていますが、あくまで参考値です。
施策選定でよくある失敗パターンと戦略連動の重要性
施策の種類を調べて流行りの手法を導入すれば成果が出ると思い込み、戦略設計や品質管理の仕組みを整えないまま施策を増やしてしまう——これはよくある失敗パターンです。結果としてPVは増えても商談・受注につながらないケースが発生します。
PVは増えても商談が増えない原因
KPIを「記事本数」に置き、検索需要やペルソナの課題に沿わない記事を乱発すると、トラフィックは増えても商談が増えません。ダウンロード後のナーチャリングシナリオがないと、リードが溜まるだけで商談化しないという問題も起きやすいです。
BtoB企業マーケ担当者の9割以上がリード獲得コストの上昇を実感している背景には、こうした「施策を増やしても成果につながらない」状況があると考えられます。
戦略と施策を連動させるとはどういうことか
戦略連動とは、ターゲット・USP(自社の強み)・競合優位性を明確にし、全ての施策に一貫して反映させることです。
例えば、「誰に」「何を」「なぜ」伝えるのかが明確でないまま施策を増やすと、記事ごとに主張がブレたり、ターゲット外の流入ばかりが増えたりします。戦略を固定化し、全コンテンツに反映させる仕組みを作ることで、施策の効果を最大化できます。
施策選定前に確認すべき戦略チェックリスト
施策を選ぶ前に、自社の戦略要素を整理することが重要です。ナーチャリング戦略を実行する企業の約8割が成果を実感しているのは、仕組みとして戦略が整っているからと考えられます。
以下のチェックリストで、施策選定前に確認すべきポイントを整理してください。
【チェックリスト】施策選定前の戦略確認チェックリスト
- ターゲット顧客(ペルソナ)が明確に定義されている
- ターゲットの課題・ニーズを具体的に把握している
- 自社の強み・USP(競合との差別化ポイント)が言語化されている
- 競合の施策・ポジショニングを分析している
- コンテンツで伝えるべきメッセージが一貫している
- KPI(何をもって成果とするか)が設定されている
- 施策の運用体制(担当者・リソース)が確保されている
- リード獲得後のナーチャリングシナリオが設計されている
- 施策の効果測定・改善サイクルの仕組みがある
- 品質管理・承認フローが整備されている
成功事例に学ぶ施策選定のポイント
朝日新聞社が運営する「相続会議」は、ユーザーの検索意図を詳細に分析したコンテンツ制作により、約10ヶ月で検索流入が約50倍に増加したと報告されています(Web担当者Forum、2022年)。
この事例はBtoC寄りのテーマですが、「ターゲットの課題に沿ったコンテンツを継続的に発信し、検索流入を獲得する」というアプローチはBtoBにも応用可能です。重要なのは、施策の種類よりも、ターゲットと戦略の一貫性を保つことだと言えます。
まとめ:施策選定は戦略連動が成果の分かれ目
本記事では、コンテンツマーケティングの代表的な施策種類と、施策選定において重要な戦略連動の考え方を解説しました。
要点の整理
- コンテンツマーケティングの施策は多岐にわたるが、それぞれメリット・デメリットがある
- 施策を増やすだけでは成果につながらない。戦略連動が重要
- 施策選定の前に、ターゲット・USP・KPIなどの戦略要素を整理する
- チェックリストを活用して、施策選定前の準備を確認する
次のアクション
まずは本記事で紹介したチェックリストを使い、自社の戦略要素を整理してみてください。戦略が明確になれば、どの施策を選ぶべきかの判断もしやすくなります。
コンテンツマーケティングで成果を出すには、施策の種類を知るだけでなく、自社のターゲット・USPと一貫性のある施策を選び、全コンテンツに戦略を反映させる仕組みを整えることが重要です。
