記事を出しても受注・成約につながらない原因とは
実は、記事から受注・成約につなげるには、記事を量産するだけでなく「誰に・何を・なぜ」という戦略設計を全記事に一貫して反映させ、検討フェーズに応じたコンテンツとCTA導線を設計することが重要であり、これが欠けるとPVが増えても商談につながりません。
2025年の調査では、BtoB企業経営者の48.6%がリードの質で理想未達と実感しており、2024年比で7.6ポイント増加しています。その原因として「施策がターゲットに刺さっていない」が38.5%、「コンテンツの質が低い」が28.8%を占めています(ただし調査対象は限定的)。また、BtoBマーケティング担当者の50.5%が「発信コンテンツの見直しが必要」と回答しており、受注率向上の最優先施策として位置づけています。
記事を定期的に公開しているがPVは増えても問い合わせ・商談・受注につながらない——多くのマーケティング担当者が抱えるこの課題は、記事の量ではなく戦略設計の問題であることが多いのです。
この記事で分かること
- PVが増えても商談につながらない構造的な原因
- 受注につながる記事とPV稼ぎ記事の違い
- 戦略設計なしの記事量産が失敗する理由
- 記事→商談化の戦略確認チェックリスト
- 検討フェーズ別CTA導線フロー
PVが増えても商談につながらない構造的な問題
PVが増えても商談につながらない原因は、記事で獲得したリードの質にあります。ある調査では、CPA(顧客獲得単価)低下時に60%の企業がリード質(商談化率・成約率)の低下を実感しているという結果が報告されています(ただし調査対象は限定的)。
商談化率とは、獲得したリード(見込み客)のうち、実際に商談に至った割合を指します。BtoB全般では目安として一定の水準が想定されますが、業界や商材によって大きく異なります。
この構造的な問題は、以下のような流れで発生します。
- 記事を量産してPVを増やす
- 幅広いキーワードでアクセスを集める
- ターゲット外の読者も多く含まれる
- 問い合わせは増えてもリードの質が低下
- 商談化率・成約率が下がる
受注につながる記事と単なるPV稼ぎ記事の違い
受注につながる記事と単なるPV稼ぎ記事の最大の違いは、ターゲットと購買プロセスを意識した設計がなされているかどうかです。
2025年の調査によると、BtoB購買では営業面談前に85%が候補選定済みとされています。また、高額商材(300万円超)では購買関与人数が平均18.3人に上ります。この事実は、記事段階での差別化がいかに重要かを示しています。
成約率とは、商談件数に対する成約件数の割合を指します。BtoBでは業界や商材によって大きく異なりますが、一定の水準が目安とされています。MQL→SQL転換率は、マーケティング適格リード(MQL)から営業適格リード(SQL)への転換割合で、こちらも業界によって異なります。
記事の役割を購買プロセスから考える
記事の役割は、単にPVを集めることではなく、購買プロセスの各段階で読者の意思決定を後押しすることにあります。
高額商材では購買関与人数が平均18.3人に上るため、記事は複数の意思決定者に届く可能性があります。担当者だけでなく、上長や経営層にも伝わるコンテンツ設計が求められます。
ナーチャリングとは、獲得したリードを継続的にフォローし、購買意欲を育成する活動を指します。メール配信やコンテンツ提供が主な手法です。記事は、このナーチャリングプロセスにおいて重要な役割を担います。
戦略設計なしの記事量産が失敗する理由
「記事を増やせば問い合わせが増える」と考え、戦略設計なしに記事を量産しても、PVは増えても商談・受注にはつながらないことが多いです。これは典型的な失敗パターンです。
2025年の調査では、リードの質で理想未達と感じている企業の原因上位に「施策がターゲットに刺さっていない」38.5%が挙げられています(調査対象は限定的)。また、BtoB企業経営者のリード獲得課題で「コンテンツ作成」が27.1%を占め、ノウハウ共有不足がリード「質」の課題を助長しています。
「誰に・何を・なぜ」が曖昧な記事の末路
戦略設計が曖昧な記事は、以下のような問題を抱えがちです。
- ターゲットが不明確: 誰に向けた記事かわからず、結果的に誰にも刺さらない
- メッセージがぶれる: 記事ごとに主張が異なり、一貫性がない
- 差別化できない: 競合と同じような内容になり、読者の印象に残らない
- CTAが機能しない: 読者のニーズとCTAがずれているため、コンバージョンにつながらない
こうした記事は、たとえPVが増えても商談化率は低く、ROIを説明できない状態に陥ります。
受注につながる記事の戦略設計
受注につながる記事を設計するには、「誰に・何を・なぜ」を明確にし、全記事に一貫して反映させることが重要です。
ある調査では、BtoBマーケティング施策で受注金額まで追跡している企業は30.2%のみとされています。案件化以降のトラッキング不足が課題となっており、記事の成果を正しく把握できていない企業が多いのが現状です。
また、BtoBマーケティング担当者の50.5%が「発信コンテンツの見直しが必要」と回答しており、多くの企業が現状の記事に課題を感じています。
以下のチェックリストを活用して、自社の記事が戦略に基づいて設計されているかを確認してください。
【チェックリスト】記事→商談化の戦略確認チェックリスト
- ターゲットペルソナを具体的に定義している(業種・役職・課題・ニーズ)
- ペルソナの購買プロセスを整理している
- 記事で伝えるべきメッセージ(USP)を明文化している
- 全記事で一貫したメッセージを発信している
- 検討フェーズに応じたコンテンツを用意している
- 各記事に適切なCTAを設置している
- CTAの遷移先(LP・フォーム)が最適化されている
- 記事からリード獲得までの導線が設計されている
- リードの質を評価する基準を持っている
- 記事→リード→商談→受注の追跡体制がある
- 定期的に記事のパフォーマンスを分析している
- 分析結果を次の記事企画に反映している
ターゲットペルソナの言語化
ターゲットペルソナを言語化する際は、以下の要素を具体的に定義することが重要です。
- 業種: どの業界の企業をターゲットにするか
- 企業規模: 従業員数、売上規模など
- 役職・部門: 意思決定者か担当者か、どの部門に属するか
- 課題: どのような業務課題を抱えているか
- ニーズ: 何を求めて情報収集しているか
- 情報収集行動: どのようなキーワードで検索するか、どのメディアを参照するか
これらを明確にすることで、記事の内容やトーンを最適化できます。
記事で伝えるべきメッセージとUSP
記事で伝えるべきメッセージは、自社のUSP(独自の強み)と紐づいている必要があります。
USPを記事に反映させるポイントは以下のとおりです。
- 全記事で一貫したメッセージを発信する
- 競合との差別化ポイントを明確に伝える
- ターゲットの課題解決に自社がどう貢献できるかを示す
- 具体的な実績や事例で信頼性を担保する
検討フェーズに応じたCTA導線設計
CTA(Call To Action) とは、ユーザーに具体的な行動を促す要素を指します。資料請求、問い合わせ、無料相談などへの誘導ボタンやリンクが該当します。
検討フェーズに応じたCTAを設計することで、読者の購買意欲に合ったアクションを促すことができます。ある製造業企業の事例では、問い合わせへの24時間以内返信で商談率が大きく向上したという報告があります(特定業界の事例)。記事のボトルネック分析を習慣化し、導線設計を継続的に改善することが成果につながります。
【フロー図】検討フェーズ別CTA導線フロー
flowchart TD
A[認知フェーズ] --> B[お役立ち資料DL]
B --> C[興味フェーズ]
C --> D[ウェビナー参加/メルマガ登録]
D --> E[検討フェーズ]
E --> F[事例資料DL/無料相談]
F --> G[商談フェーズ]
G --> H[デモ依頼/見積もり依頼]
H --> I[受注・成約]
認知・興味・検討・商談フェーズ別のCTA設計
各フェーズに適したCTAの種類と配置を整理すると、以下のようになります。
- 認知フェーズ: 課題を認識し始めた段階。お役立ち資料、ホワイトペーパーなど、負担の軽いCTAが適切
- 興味フェーズ: 解決策を探している段階。ウェビナー、メルマガ登録など、継続的な接点を作るCTAが効果的
- 検討フェーズ: 具体的な選択肢を比較している段階。事例資料、無料相談など、より踏み込んだCTAが有効
- 商談フェーズ: 導入を具体的に検討している段階。デモ依頼、見積もり依頼など、商談につながるCTAを設置
フェーズに合わないCTAは逆効果になることがあります。認知段階の読者にいきなり「お問い合わせ」を求めても、心理的ハードルが高く離脱につながりやすいです。
記事末尾だけでなく記事内のCTA配置
効果的なCTA配置のポイントは、記事末尾だけでなく記事内にも適切に配置することです。
- 記事冒頭: 目次の下やリード文の後に、関連資料へのリンクを配置
- 記事中盤: 読者の関心が高まるセクションの直後にCTAを配置
- 記事末尾: まとめの後に、次のアクションを促すCTAを配置
- サイドバー: 常に表示されるエリアに固定CTAを設置
ただし、過度なCTA配置は読者体験を損なうため、適切なバランスを保つことが重要です。
まとめ:記事を受注・成約につなげるために
記事から受注・成約につなげるには、記事を量産するだけでなく「誰に・何を・なぜ」という戦略設計を全記事に一貫して反映させ、検討フェーズに応じたコンテンツとCTA導線を設計することが重要です。
本記事のポイントを整理すると、以下のようになります。
- PVが増えても商談につながらないのは、リードの質とCTA導線の問題
- 戦略設計なしの記事量産は、PVは増えても受注につながらない失敗パターン
- 「誰に・何を・なぜ」を明確にし、全記事に一貫して反映させることが重要
- 検討フェーズに応じたCTAを設計し、読者の購買意欲に合ったアクションを促す
- 記事→リード→商談→受注の追跡体制を整備し、継続的に改善する
本記事で紹介したチェックリストとCTA導線フローを活用し、まずは自社の記事が戦略に基づいて設計されているかを確認してみてください。自社での体制構築が難しい場合は、コンテンツ戦略設計から支援できるプロのサービス活用も選択肢の一つです。
