MAでコンテンツを量産しても商談につながらない原因
ずばり、MAをコンテンツマーケティングに活用するには、配信の自動化だけでなく、全コンテンツで「誰に/何を/なぜ」の戦略一貫性を保ち、商談・受注への貢献を意識した設計をすることで、成果につながるリードナーチャリングが実現できます。
MA(マーケティングオートメーション) とは、マーケティング活動を自動化するツールで、リード獲得・育成・選別を効率化するものです。国内BtoB MA市場規模は2023年に約753億円で、前年比約11.2%の成長を達成しており、2026年には865億円に達する予測があります(矢野経済研究所、事業者売上ベースの推計値)。
しかし、MAを導入してコンテンツを量産しても、商談につながらないという課題を抱える企業は少なくありません。ある調査によると、リード獲得の課題として「施策がターゲットに刺さっていない」が40.9%、「リードのフォローアップ不十分」が25.0%を占めています(2025年調査、n=44の参考値)。また、商談転換率が「想定以下」と回答した企業は70.2%に上り、主因は「フォローアップ不足」とされています(2025年調査)。
この記事で分かること
- MAとコンテンツマーケティングの相乗効果と基礎知識
- MAで活用すべきコンテンツの種類と役割
- コンテンツ量産では成果が出ない理由と解決策
- 戦略一貫性を保つための具体的なチェックリスト
- MAコンテンツ活用の成功事例
MAとコンテンツマーケティングの基礎知識
MAとコンテンツマーケティングを組み合わせることで、リードの獲得から育成、商談化までを効率的に進められます。それぞれの特性を理解し、連携させることが成果への第一歩です。
MA導入率は全企業で1.5%に留まる一方、上場企業では14.6%に達しています。また、海外の調査では82%の企業がコンテンツマーケティングを利用しており、コンテンツマーケティング戦略を持つ企業の48%がブログを活用しているとされています(グローバル統計のため、日本市場では異なる可能性があります)。
リードナーチャリングとは、獲得した見込み客を育成し、商談・購買意欲を高めるマーケティング活動です。リードスコアリングは、リードの行動や属性に基づいて購買意欲を数値化し、優先順位をつける手法を指します。
MAとコンテンツマーケティングを連携させることで、リードの行動データに基づいた適切なコンテンツ配信が可能になります。
MAでコンテンツを活用するメリット
MAでコンテンツを活用することには、主に3つのメリットがあります。
配信の自動化: リードの行動や属性に応じて、適切なタイミングでコンテンツを自動配信できます。シナリオ配信とは、リードの行動や属性に応じて、あらかじめ設計したシナリオに沿ってコンテンツを自動配信する手法です。
パーソナライズ: リードごとの興味関心や検討段階に合わせて、最適なコンテンツを届けられます。一律の配信ではなく、個別最適化されたアプローチが可能です。
効果測定: どのコンテンツがどのリードに効果があったかを数値で把握できます。開封率、クリック率、コンバージョンなどの指標を追跡し、改善に活かせます。
MAで活用すべきコンテンツの種類と役割
MAで活用するコンテンツは、リードのファネル段階に応じて使い分けることが重要です。各コンテンツの役割を理解し、適切に配置することで効果を最大化できます。
ナーチャリングメールとは、見込み客の購買意欲を段階的に高めるために配信するメールコンテンツです。MAの中核的な配信手段として活用されます。
【比較表】MAで活用するコンテンツ種類と役割比較表
| コンテンツ種類 | ファネル段階 | 主な役割 | MAでの活用方法 |
|---|---|---|---|
| ブログ記事 | 認知・興味 | 情報提供・SEO流入 | リードの興味関心を把握するためのトリガーとして活用 |
| ホワイトペーパー | 興味・検討 | リード情報取得・教育 | ダウンロード後のフォローアップメール自動配信 |
| 事例コンテンツ | 検討・比較 | 信頼性向上・意思決定支援 | 検討段階のリードへの自動配信 |
| ナーチャリングメール | 全段階 | 関係構築・次のアクション誘導 | シナリオに沿った段階的な自動配信 |
| ウェビナー・動画 | 興味・検討 | 深い理解促進・エンゲージメント | 視聴後のフォローアップ自動化 |
| 製品資料 | 比較・決定 | 詳細情報提供・商談準備 | 商談化スコアが高いリードへの自動送付 |
リードナーチャリングに効果的なコンテンツ設計
リードナーチャリングで成果を出すには、戦略的なアプローチが不可欠です。ある調査によると、戦略的なナーチャリングを実行した企業の79.1%が成果を実感しています。一方で、実行企業は全体の46.1%に留まっており、多くの企業がナーチャリングの設計・実行ができていない状況です(2025年調査)。
ファネル段階に応じたコンテンツ設計のポイントは以下のとおりです。
認知・興味段階: 業界課題や最新トレンドに関する情報を提供し、自社の専門性を示します。売り込みは控え、読者にとって有益な情報提供に徹します。
検討段階: 具体的な解決策や導入事例を提示し、自社サービスの価値を伝えます。比較検討に必要な情報を提供します。
商談化段階: 具体的な導入イメージや費用対効果を示し、意思決定を後押しします。個別相談への誘導を行います。
コンテンツ量産では成果が出ない理由|戦略一貫性の欠如
「MAツールを導入してコンテンツを量産すれば成果が出る」という考え方は誤りです。各コンテンツの戦略設計や品質管理を後回しにした結果、主張がブレてリードが育たず商談につながらない状態に陥るパターンが典型的な失敗例です。
先述の調査でも、リード獲得の課題として「施策がターゲットに刺さっていない」が40.9%を占めています(n=44の参考値)。これは、コンテンツを量産しても「誰に/何を/なぜ」の戦略が一貫していなければ、成果につながらないことを示しています。
よくある失敗パターンとして、以下のようなケースがあります。
- ターゲットを明確にせず、幅広い層に向けた曖昧なコンテンツを量産する
- コンテンツごとに主張が異なり、一貫したメッセージが伝わらない
- 配信の自動化に注力し、コンテンツの品質管理を疎かにする
- 短期的なリード数を追い、商談化・受注への貢献を意識しない
【チェックリスト】MA×コンテンツ戦略設計チェックリスト
- ターゲットペルソナが明確に定義されているか
- ペルソナの課題・悩み・検討プロセスを把握しているか
- 自社のUSP(独自の価値提案)が言語化されているか
- 全コンテンツで一貫したメッセージが設計されているか
- コンテンツのトーン&マナーが統一されているか
- ファネル段階ごとのコンテンツが設計されているか
- 各コンテンツのCTA(次のアクション)が明確か
- MAのシナリオ設計とコンテンツが連動しているか
- コンテンツの品質基準が定義されているか
- レビュー・承認フローが設計されているか
- 効果測定の指標とPDCAサイクルが設計されているか
- 商談・受注への貢献を意識した設計になっているか
全コンテンツで戦略一貫性を保つ方法
戦略を全コンテンツに反映させるためには、仕組みとして制作フローに組み込むことが重要です。
戦略の文書化: ターゲット・USP・トーンを明文化し、関係者全員が参照できるドキュメントとして整備します。これにより、担当者が変わっても一貫性を保てます。
制作前チェックの義務化: コンテンツの企画段階で、上記のチェックリストを活用して戦略との整合性を確認します。戦略から外れたコンテンツは企画段階で修正します。
定期的な戦略レビュー: 市場環境や競合状況の変化に応じて、戦略自体を見直します。ただし、頻繁な変更は一貫性を損なうため、適切な頻度で行います。
MAコンテンツ活用の成功事例
戦略的なMAコンテンツ活用で成果を上げている企業の事例を紹介します。
Kaizen Platform社の発表によると、メールと有益コンテンツの定期配信により、商談数約2倍、受注率の大幅改善を達成したとされています(企業自己申告ベースの事例で、第三者検証はされていません)。定期的な情報提供によりリードとの関係を構築し、商談化につなげた事例です。
また、GIG LeadGrid BLOGの発表によると、事例型ホワイトペーパーと導線整備により、リード獲得数約2.4倍、セッション6.6倍を達成したとされています(直近12ヶ月、企業自己申告ベースの事例)。質の高いコンテンツと適切な導線設計の重要性を示す事例です。
これらの事例に共通するのは、単にコンテンツを量産するのではなく、戦略に基づいたコンテンツ設計と継続的な改善を行っている点です。
まとめ:MAコンテンツ活用で商談・受注につなげる
MAを活用したコンテンツマーケティングで成果を出すためのポイントを整理します。
- MAの導入だけでは成果は出ない。戦略的なナーチャリング設計と実行が重要
- コンテンツ量産より「誰に/何を/なぜ」の戦略一貫性を優先する
- ファネル段階に応じたコンテンツ設計と配信シナリオを連動させる
- 戦略設計チェックリストで制作前に一貫性を確認する仕組みを作る
- 商談・受注への貢献を意識した設計と効果測定のPDCAを回す
次のアクションとして、まずは本記事のチェックリストで現状の戦略設計を確認し、一貫性が保たれているかを点検してください。戦略が文書化されていない場合は、ターゲット・USP・トーンの言語化から始めることをおすすめします。
MAをコンテンツマーケティングに活用するには、配信の自動化だけでなく、全コンテンツで「誰に/何を/なぜ」の戦略一貫性を保ち、商談・受注への貢献を意識した設計をすることで、成果につながるリードナーチャリングが実現できます。
