記事KPIの目標設定と指標選定|商談・受注につなげる設計方法

著者: B2Bコンテンツマーケティング実践ガイド編集部公開日: 2026/1/710分で読めます

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記事のKPI設計で成果が出ない企業が陥りやすい問題

先に答えを言うと、記事のKPIは、PVやセッション数だけでなく商談・受注への貢献度を軸に設計することで、形骸化を防ぎ成果につなげることができます。本記事ではこの視点から、BtoB企業の記事マーケティングにおけるKPI設計の方法を解説します。

「記事を出しているのに商談につながらない」「PVは伸びているけれど、売上への貢献が見えない」——こうした悩みを抱えるBtoB企業のマーケティング担当者は少なくありません。

2025年のBtoBマーケティング調査によると、SEO強化を優先施策とする企業は52.4%と上位に位置しています。多くの企業が記事施策に注力している一方で、成果につながっていないケースが多いのが実情です。

その原因の多くは、KPI(Key Performance Indicator) の設計にあります。KPIとは、重要業績評価指標のことで、KGI達成に向けた中間プロセス指標を数値化したものです。PV数や記事公開数といった「上流指標」だけをKPIに設定し、商談化率や受注への貢献を評価しないまま運用していると、記事は増えるが成果が出ないという状態に陥りやすくなります。

この記事で分かること

  • KGI・KFS・KPIの関係性と記事マーケティングでの位置づけ
  • PV起点と商談起点のKPI設計の違いと、なぜ商談起点が重要か
  • 記事マーケティングで使う代表的なKPI指標と目安
  • 記事KPI設計のセルフチェックリスト

KGI・KFS・KPIの関係性と記事マーケティングでの位置づけ

記事のKPIを適切に設計するには、まずKGI・KFS・KPIの階層関係を理解することが重要です。これらの関係性を把握せずにKPIを設定すると、目標と指標が連動しない形骸化したKPI運用になりかねません。

KGI(Key Goal Indicator) とは、重要目標達成指標のことで、組織の最終目標を定量的に示す指標です。例えば「年間売上10億円」「年間新規受注50件」などがKGIに該当します。

KFS(Key Success Factor) とは、重要成功要因のことで、KGI達成に不可欠な定性的なプロセスや要因を指します。記事マーケティングであれば「質の高いリードの獲得」「商談化率の向上」などがKFSになります。

そしてKPIは、KFSを定量化した中間指標です。KGIを頂点として、KFS→KPIと階層的に分解することで、日々の施策がKGI達成にどう貢献するかを可視化できます。

記事マーケティングにおけるKGI例としては、「記事経由の年間商談数100件」「記事経由の年間受注額5,000万円」などが挙げられます。KPIをKGIと無関係に設定すると、PVは達成しているのに商談が増えないといった目標未達に陥りやすくなります。

KPIツリーで目標から指標を逆算する考え方

KPIツリーとは、KGIを頂点にKFS・KPIを階層的に分解・可視化した図のことで、因果関係を明確化するツールです。

KPIツリーを作成する際のポイントは、KGIから逆算して考えることです。例えば「年間商談数100件」というKGIに対して、「記事経由CV数」「商談化率」「記事公開数」などのKPIを設定し、それぞれの因果関係を整理します。

KPIの数は5〜7個程度に抑えることが推奨されています。KPI数が多すぎるとツリーが複雑化し、どの指標を優先すべきかが不明確になります。

PV起点と商談起点のKPI設計の違い

PV起点のKPI設計と商談起点のKPI設計では、追うべき指標と成果の出方が大きく異なります。PV数・記事公開数だけをKPIにすると成果が出にくいという失敗パターンを理解し、商談・受注起点でKPIを再設計することが重要です。

2025年のBtoB広告運用調査(n=330)によると、CVR(コンバージョン率) を最重要KPIと回答した企業は28.7%でした。CVRとは、サイト訪問者のうち問い合わせや資料請求などに至った割合を指します。PVではなくCVRを重視する企業が一定数存在するのは、PVだけでは商談につながるかどうかを判断できないためです。

また、BtoB企業の商談化率は11〜20%がボリュームゾーンで、15%を目標値として推奨されています。商談化率が5%未満の場合は、ターゲティングやLP(ランディングページ)の見直しが必要とされています。

【比較表】PV起点vs商談起点のKPI比較表

観点 PV起点のKPI設計 商談起点のKPI設計
主なKPI PV数、UU数、記事公開数 CVR、商談化率、商談数、受注貢献額
評価基準 記事がどれだけ読まれたか 記事がどれだけ商談・受注に貢献したか
メリット 数値が把握しやすい 売上・成果との因果関係が明確
デメリット 商談・受注との連動が見えにくい 測定に時間・仕組みが必要
陥りやすい問題 PVは増えるが商談が増えない 短期的な数値が見えにくい
向いている状況 認知拡大フェーズ 商談・受注獲得フェーズ

PV起点のKPI設計が形骸化しやすい理由

PV起点のKPI設計が形骸化しやすいのは、PVと商談・受注の間に直接的な因果関係がないためです。

例えば、月間10万PVを達成しても、そのうち何件が問い合わせにつながり、何件が商談化したかが見えなければ、記事施策の成果を正しく評価できません。PVが増えても商談につながらないコンテンツ運用を続けていると、「記事は出しているけれど成果が出ない」という状態が長期化します。

上流指標(PV、記事数)だけでは、施策の改善ポイントも見えにくくなります。商談化率やCV数など下流指標も含めてKPIを設計することで、どの段階にボトルネックがあるかを特定しやすくなります。

記事マーケティングで使う代表的なKPI指標

記事マーケティングで使用されるKPI指標は、ファネル段階によって異なります。自社のKGIに合わせて、適切な指標を選定することが重要です。

2025年のBtoB調査(n=326)によると、CPA(Cost Per Acquisition) 目標は5,000〜10,000円未満が21.8%で最多、次いで10,000〜15,000円未満が15.3%という結果でした。CPAとは、リード1件あたりの獲得単価のことで、マーケティング効率を測る指標です。ただし、業界・商材・企業規模により変動するため、この数値はあくまで参考値として捉えてください。

BtoB営業KPIの目安として、受注率20〜30%、新規商談数月50〜100件が一般的な相場感とされています。また、BtoB SaaS/サービス業の標準想定として、商談化率20%、案件化率50%、受注率25%という数値が2024年トレンドとして報告されています。これらも業種・企業規模で変動するため、自社データとの比較が重要です。

認知〜商談フェーズ別のKPI指標例

認知から商談に至るファネル段階ごとに、見るべきKPI指標は異なります。

認知フェーズ: PV数、UU数、検索順位、インプレッション数

興味・関心フェーズ: 滞在時間、回遊率、直帰率、スクロール率

検討フェーズ: CV数(資料請求、問い合わせ)、CVR、CPA

商談フェーズ: 商談化率、商談数、案件化率、受注率、受注貢献額

自社のKGIが「商談数」であれば、認知フェーズのPVだけでなく、検討フェーズのCV数、商談フェーズの商談化率まで一貫して追跡する設計が必要です。

記事KPI設計のセルフチェックリスト

記事KPIの設計が適切かどうかを確認するためのチェックリストを用意しました。自社のKPI設計を見直す際にご活用ください。

商談化率の目安として、BtoB企業では15%を目標値として推奨されています。5%未満の場合はターゲティングやLPの見直しが必要とされているため、自社の数値と照らし合わせて改善ポイントを特定してください。

【チェックリスト】記事KPI設計チェックリスト

  • KGI(最終目標)が明確に定義されている
  • KPIがKGIから逆算して設計されている
  • KPIの数は5〜7個以内に絞られている
  • PV数だけでなく、CV数・CVRもKPIに含まれている
  • 商談化率・商談数など下流指標もKPIに含まれている
  • 各KPIの目標値がSMART基準(具体的・測定可能・達成可能・関連性・期限)を満たしている
  • KPIの計測方法と計測頻度が決まっている
  • KPIの達成・未達成時のアクションが決まっている
  • 定期的なKPI見直しのサイクルが設定されている
  • KPIと施策の因果関係が明確になっている
  • 記事経由のリードと他チャネル経由のリードを区別できる
  • 商談化率が5%未満の場合の改善アクションが決まっている

KPI設計でよくある失敗とその回避策

KPI設計でよくある失敗パターンとその回避策を整理します。

失敗1: KPI数が多すぎる

KPIを10個以上設定してしまうと、どの指標を優先すべきか不明確になります。KPIは5〜7個に抑え、KGIとの連動が明確なものに絞りましょう。

失敗2: KGIと連動していない

PV数だけを追いかけて、商談・受注との連動を見ていないケースです。KGIから逆算してKPIを設計し、ファネル全体を可視化することが重要です。

失敗3: 短期的な判断をしすぎる

記事マーケティングは成果が出るまでに時間がかかります。ROI/ROMIは数ヶ月スパンで追跡し、短期的な数値の上下で施策を止めないことが推奨されています。

まとめ:商談・受注につなげる記事KPI設計のポイント

記事KPIを適切に設計し、商談・受注につなげるためのポイントを整理します。

1. KGIから逆算してKPIを設計する

最終目標(KGI)を明確にし、そこから逆算してKPIを設計します。KPIがKGIと連動していなければ、数値を追っても成果にはつながりません。

2. PV起点ではなく商談起点でKPIを設計する

PV数・記事公開数だけでなく、CV数、商談化率、商談数、受注貢献額など下流指標もKPIに含めます。ファネル全体を可視化することで、ボトルネックを特定しやすくなります。

3. 定期的にKPIを見直す

記事マーケティングは成果が出るまでに時間がかかるため、短期的な判断は避けます。月次でKPI進捗を確認しつつ、四半期ごとにKPI設計自体の見直しを行うのが一般的です。

記事のKPIは、PVやセッション数だけでなく商談・受注への貢献度を軸に設計することで、形骸化を防ぎ成果につなげることができます。本記事で紹介したチェックリストを活用し、自社のKPI設計を見直してみてください。

「記事は出してるのに商談につながらない」を解決する。
御社を理解して書くから、刺さる。この記事はMediaSprintで作成しました。

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よくある質問

Q1記事のKPIで最も重要な指標は何ですか?

A1BtoB企業ではCVR(コンバージョン率)を最重要KPIとする企業が28.7%と多い傾向にあります。ただし、自社のKGI(最終目標)から逆算して選定することが重要で、商談化率や受注への貢献度も含めて設計すべきです。PVだけでなく、商談・受注につながる指標を優先することをおすすめします。

Q2記事経由のリード獲得単価(CPA)の目安はどれくらい?

A22025年のBtoB調査ではCPA目標5,000〜10,000円未満が21.8%で最多、次いで10,000〜15,000円未満が15.3%という結果でした。ただし業界・商材・企業規模により大きく変動するため、この数値はあくまで参考値であり、自社データとの比較が必須です。

Q3記事から商談につながる割合(商談化率)はどれくらいが目安?

A3BtoB企業の商談化率は11〜20%がボリュームゾーンで、15%を目標値として推奨されています。商談化率が5%未満の場合はターゲティングやLP(ランディングページ)の見直しが必要とされています。

Q4PV数だけをKPIにするとなぜ成果が出ないのですか?

A4PV数は認知段階の指標であり、商談・受注との因果関係が直接的ではないためです。PVが増えても商談につながらないケースは多く、商談化率・CV数など下流指標も含めてKPI設計することで、どの段階にボトルネックがあるかを特定しやすくなります。

Q5記事KPIはどのくらいの頻度で見直すべき?

A5ROI/ROMIは数ヶ月スパンで追跡し、短期的な判断を避けることが推奨されています。月次でKPI進捗を確認しつつ、四半期ごとにKPI設計自体の見直しを行うのが一般的です。記事マーケティングは成果が出るまでに時間がかかるため、焦らず継続的に評価することが重要です。

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B2Bコンテンツマーケティング実践ガイド編集部

「PVではなく商談につながる」をテーマに、BtoB企業のマーケ担当者へ実践ノウハウを発信。デシセンス株式会社が運営。