記事の表記統一ルール作成ガイド|不備率25%を防ぐ実践法

著者: B2Bコンテンツマーケティング実践ガイド編集部公開日: 2026/1/1511分で読めます

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なぜBtoBコンテンツで表記統一が重要なのか

実は記事の表記統一ルールは、自社のターゲット・ブランドに合わせたオリジナルの表記統一表を作成し、複数ライターやAI原稿でも運用できる仕組みを整えることで、コンテンツ品質と一貫性を担保できます。

表記ゆれとは、同一の語句や表現が文書内で漢字・ひらがなの使い分け、送り仮名、数字表記などで不統一になる現象です。JAGAT(日本グラフィック技術協会)の調査によれば、出版物における用字統一の不備率は25%にのぼると報告されています(出典: 印刷白書・用字用語統一調査)。BtoBコンテンツでも、複数のライターや外注先に記事制作を依頼すると、同様の問題が発生しやすい状況です。

「同じ会社のブログなのに、記事ごとに『お問い合わせ』『お問合せ』『問い合わせ』がバラバラ」「AI原稿をレビューしたら表記がめちゃくちゃ」——こうした経験のあるマーケティング担当者は少なくないでしょう。表記の不統一は、読者に「編集体制がしっかりしていない」という印象を与え、ブランドの信頼性を損なう要因になります。

この記事で分かること

  • 表記ゆれの主要パターンとBtoBコンテンツへの影響
  • 自社に合った表記統一ルールの作成手順
  • よくある表記ゆれパターンと推奨表記の一覧表
  • 複数ライター・AI原稿での運用チェックリスト
  • 社内で表記ルールを浸透させる方法

表記ゆれの主要パターンと影響

表記ゆれは、漢字・ひらがな・カタカナの使い分け、数字表記、送り仮名など、複数のカテゴリに分類できます。BtoBコンテンツでは、これらに加えて業界用語や製品名の表記統一も重要な課題となります。

表記ゆれがあると、読者にとっての可読性が低下するだけでなく、SEOの観点でも「同じ語句を異なる表記で使っている」ことで検索エンジンに正しく認識されにくくなる可能性があります。また、社内で複数のライターが記事を書いている場合、表記がバラバラだと「統一感のないメディア」という印象を与えかねません。

漢字・ひらがな・カタカナの使い分け

漢字とひらがなの使い分けは、表記ゆれが発生しやすいポイントです。代表的な例を挙げます。

  • 「下さい」と「ください」
  • 「致します」と「いたします」
  • 「出来る」と「できる」
  • 「頂く」と「いただく」
  • 「是非」と「ぜひ」

BtoBコンテンツでは、補助動詞(「〜していただく」「〜してください」など)はひらがなで書くのが一般的です。これは、漢字で書くと堅い印象を与えるため、読みやすさを優先する方針として採用されることが多いです。

カタカナ表記についても、「ユーザー」と「ユーザ」、「サーバー」と「サーバ」など、長音符号の有無で表記が分かれるケースがあります。自社のルールを決めて統一することが重要です。

数字・記号・送り仮名の表記ゆれ

数字の表記は、全角・半角、アラビア数字・漢数字の使い分けで迷いやすいポイントです。

一般的なBtoBコンテンツでは、以下のような基準を設けることが多いです。

  • 具体的な数値: 半角アラビア数字(例: 100社、3年)
  • 慣用表現: 漢数字(例: 一つ、二人三脚、一般的)
  • 桁区切り: カンマ使用(例: 1,000、10,000)

送り仮名についても、「行う」と「行なう」、「申し込む」と「申込む」など、複数の表記が存在するケースがあります。どちらが正しいというわけではありませんが、社内で統一することが重要です。

表記統一ルールの作成方法

表記統一ルールを作成する際、「記者ハンドブックをそのまま使えばよい」という考え方は誤りです。記者ハンドブックは新聞社が編集した用字用語の統一基準を示す参考書籍で、漢字・送り仮名・数字表記などのルールを提供していますが、新聞向けに作られているため、BtoBマーケティングコンテンツにはそぐわない部分があります。

記者ハンドブックなど既存のルールをそのまま適用してしまい、自社のターゲットや業界特性に合わない表記ルールで運用することは、よくある失敗パターンです。また、ルールを作っても運用フローに組み込まないと、ライターごとに表記がブレ続けることになります。

表記統一ルールの作成は、以下の手順で進めるのが一般的です。

  1. 対象項目の洗い出し: 自社のコンテンツで頻出する表記を確認
  2. 基準の決定: 各項目についてどの表記を採用するか決定
  3. 文書化: ルール表にまとめて共有可能な形にする
  4. 運用フローへの組み込み: 発注時・納品時・公開前のチェックに組み込む

記者ハンドブック活用のポイント

記者ハンドブックは、表記統一の「参考資料」として活用する価値があります。ただし、以下の点に注意が必要です。

参考にすべき点:

  • 漢字・ひらがなの使い分けの基本的な考え方
  • 送り仮名のルール(内閣告示に基づく標準)
  • 数字表記の基本方針

自社用にカスタマイズすべき点:

  • 業界特有の専門用語の表記(記者ハンドブックには載っていない)
  • カタカナ語の長音表記(IT業界では「サーバ」「フォルダ」など長音なしが多い)
  • 敬語表現のトーン(新聞調とマーケティング調では異なる)

BtoBコンテンツ向けルール設計のコツ

BtoBコンテンツ特有の表記統一ルールを設計する際は、以下のポイントを押さえておくとよいでしょう。

ターゲット読者の知識レベルを考慮する:

  • 専門家向け: 業界用語はそのまま使用
  • 非専門家向け: 平易な表現に言い換え、初出時に説明を添える

専門用語の漢字表記:

  • 「開く」(ひらがなにする)か「閉じる」(漢字にする)かを業界慣習に合わせる
  • 例: IT業界では「サーバ」「フォルダ」、一般向けでは「サーバー」「フォルダー」

社名・製品名:

  • 正式名称と略称のルールを決める
  • 初出は正式名称、以降は略称可、などの基準を設ける

よくある表記ゆれパターンと推奨表記

以下は、BtoBコンテンツで頻出する表記ゆれパターンと推奨表記の例です。自社のルール作成の参考にしてください。

【比較表】よくある表記ゆれパターンと推奨表記

カテゴリ 表記ゆれパターン 推奨表記(例) 理由
補助動詞 下さい/ください ください ひらがなで柔らかい印象
補助動詞 致します/いたします いたします 補助動詞はひらがな
補助動詞 頂く/いただく いただく 補助動詞はひらがな
可能表現 出来る/できる できる ひらがなが一般的
副詞 是非/ぜひ ぜひ ひらがなで自然
副詞 更に/さらに さらに ひらがなで読みやすい
副詞 既に/すでに すでに ひらがなで自然
接続詞 但し/ただし ただし ひらがなが一般的
接続詞 又は/または または ひらがなで読みやすい
敬語 ご確認下さい/ご確認ください ご確認ください 補助動詞はひらがな
数字 10個/10個 10個 半角アラビア数字
数字 1,000円/1,000円 1,000円 半角数字+半角カンマ
長音 サーバー/サーバ (自社ルールで決定) 業界慣習に合わせる
長音 ユーザー/ユーザ (自社ルールで決定) 業界慣習に合わせる
送り仮名 行う/行なう 行う 内閣告示基準
送り仮名 申し込む/申込む 申し込む 送り仮名あり
問い合わせ お問い合わせ/お問合せ お問い合わせ 送り仮名あり

※ 上記は一般的な例です。自社のターゲットやブランドに合わせてカスタマイズしてください。

複数ライター・AI原稿での表記統一運用

表記統一ルールを作成しても、運用フローに組み込まなければ意味がありません。特に、複数のライターに外注している場合や、AIツールで下書きを生成している場合は、表記ゆれが発生しやすい状況です。

以下のチェックリストを活用し、コンテンツ公開前に表記統一を確認してください。

【チェックリスト】BtoBコンテンツ向け表記統一チェックリスト

  • 「ください」「いたします」「いただく」など補助動詞がひらがなになっているか
  • 「できる」「ぜひ」「さらに」など副詞・可能表現がひらがなになっているか
  • 数字は半角アラビア数字で統一されているか
  • 桁区切りのカンマは半角で統一されているか
  • カタカナ語の長音表記が統一されているか(サーバー or サーバ)
  • 送り仮名が統一されているか(「行う」「申し込む」など)
  • 専門用語の表記が統一されているか
  • 社名・製品名が正式名称で記載されているか(または略称ルールに従っているか)
  • 敬語のトーンが統一されているか
  • 「お問い合わせ」などよく使う表現が統一されているか
  • 句読点は全角で統一されているか(、。)
  • 括弧の種類が統一されているか(「」『』()など)
  • 記事内で初出の略語に正式名称が併記されているか
  • 見出しの表記トーンが統一されているか(体言止め or 文末表現)
  • CTAボタンやリンクテキストの表記が統一されているか

ライター向け共有とレビュー体制

外注ライターや社内の複数メンバーで記事を制作する場合、表記統一ルールを事前に共有することが重要です。

発注時の共有:

  • 表記統一表をスプレッドシートやドキュメントで共有
  • 特に迷いやすいポイント(長音表記、専門用語など)を明記

納品時のチェック:

  • 表記統一チェックリストを納品前の確認項目に組み込む
  • 初回納品時に表記ゆれがあれば、具体的にフィードバック

編集者による最終チェック:

  • 公開前に編集者が表記統一を確認するフローを設ける
  • ルール違反があれば修正し、ライターにフィードバック

AI原稿の表記統一対策

AI生成コンテンツでは、プロンプトに表記ルールを明示しても、完全に統一されないことがあります。以下の対策が有効です。

プロンプトでのルール指定:

  • 主要な表記ルール(補助動詞はひらがな、数字は半角など)をプロンプトに含める
  • ただし、AIはプロンプトの指示を完璧に守るわけではないことを前提にする

事後チェックの徹底:

  • AI原稿は必ず人間がレビューし、表記統一を確認
  • 一括置換ツールなどを活用して効率化

テンプレート化:

  • よく使う表現(「ご確認ください」「お問い合わせはこちら」など)をテンプレート化し、AI原稿に当てはめる

まとめ:自社ルールで一貫性のあるコンテンツを

本記事では、記事の表記統一ルールの作成方法と運用について解説しました。

要点を整理します。

  1. 表記ゆれはブランドの信頼性を損なう要因になる
  2. 記者ハンドブックをそのまま使うのではなく、自社のターゲットや業界特性に合わせたルール設計が必要
  3. よくある表記ゆれパターンを一覧表にまとめ、チェックしやすい形にする
  4. 運用フロー(発注時・納品時・公開前)にチェックを組み込む
  5. AI原稿は事後チェックを前提として運用する

まずは、自社のコンテンツで頻出する表記を洗い出し、統一ルールを決めることから始めてください。本記事で紹介した比較表とチェックリストを参考に、自社用の表記統一表を作成することをおすすめします。

記事の表記統一ルールは、自社のターゲット・ブランドに合わせたオリジナルの表記統一表を作成し、複数ライターやAI原稿でも運用できる仕組みを整えることで、コンテンツ品質と一貫性を担保できます。

「記事は出してるのに商談につながらない」を解決する。
御社を理解して書くから、刺さる。この記事はMediaSprintで作成しました。

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よくある質問

Q1表記統一ルールは何項目くらい作ればよいですか?

A1最初は頻出する表記から始め、運用しながら追加していく方法が現実的です。最低限押さえるべきは漢字・ひらがなの使い分け(補助動詞、副詞など)、数字表記(全角・半角、桁区切り)、敬語表現です。項目数よりも「迷いやすいポイントを明確にする」ことを重視してください。

Q2記者ハンドブック以外に参考になるガイドラインはありますか?

A2業界団体が発行しているスタイルガイドや、同業他社のオウンドメディアを参考にする方法があります。IT業界であればJIS規格のカタカナ表記ガイドなども参考になります。ただし、最終的には自社のターゲットに合わせたルール設計が必要であり、参考資料はあくまで「たたき台」として活用することをおすすめします。

Q3外注ライターに表記ルールを守ってもらうコツは?

A3発注時に表記統一表を共有し、納品前のチェックリストに表記統一項目を入れることが基本です。初回納品時に表記ゆれがあった場合は、具体的にフィードバックして認識を揃えます。「ここが違う」だけでなく「こう書いてほしい」という正解を示すことで、次回以降の精度が上がります。

Q4表記統一の自動チェックツールは使うべきですか?

A4補助ツールとして活用することは有効です。ただし、ツールでは検出できない文脈依存の表記ゆれ(同音異義語など)もあるため、最終判断は人間が行う必要があります。ツールで機械的にチェックできる項目(全角・半角、長音表記など)はツールに任せ、編集者は内容面のチェックに集中する、という役割分担が効率的です。

Q5表記ルールを社内で浸透させるにはどうすればよいですか?

A5ルール表を簡潔に整理し、頻出事例を中心にまとめることが第一歩です。出版物における用字統一の不備率は25%という調査結果もあり(JAGAT調査、2023年)、表記ゆれは珍しいことではありません。定期的なフィードバックと、ルール違反時の修正例を共有することで、チーム全体の意識が高まります。「なぜこの表記にするのか」という理由も併せて伝えると、納得感が生まれ浸透しやすくなります。

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B2Bコンテンツマーケティング実践ガイド編集部

「PVではなく商談につながる」をテーマに、BtoB企業のマーケ担当者へ実践ノウハウを発信。デシセンス株式会社が運営。