GA4を導入してもPVしか見ていない問題
最も重要なのは、オウンドメディアのGA4活用において、PVやセッション数だけを追うのではなく、戦略に沿ったKPI(CVR・商談化率)を設計し、そのデータを継続的に確認・改善する仕組みを整えることです。これによって、はじめて成果につながります。
GA4(Google Analytics 4) とは、Googleが提供する最新のアクセス解析ツールで、イベントベースの計測モデルを採用しています。2022年7月調査では、GA4導入済み企業は71%超に達しています。しかし、未導入理由のトップは「運用不安」で約半数を占めており、導入後も「PVを見ているだけ」という企業が多いのが実態です。
GA4を導入しているがPVしか見ておらず、商談につながっているかどうかを測定・改善する方法がわからない——こうした課題を抱えるオウンドメディア担当者は少なくありません。
この記事で分かること
- GA4の基本的な画面構成と見方
- オウンドメディアで見るべき指標(PV以外)と確認画面
- コンバージョン設定の具体的な手順
- GA4データを改善につなげる運用方法
GA4の基本画面構成と見方
GA4の画面は「レポート」「探索」「広告」「管理」「設定」の5つのセクションで構成されています。オウンドメディア運営では、主に「レポート」と「探索」を使って分析を行います。
エンゲージメント率とは、セッションのうちエンゲージしたセッション(スクロール10秒以上やイベント発生などで判定)の割合を指します。GA4では旧UAの「直帰率」に代わり、このエンゲージメント率が重要な指標となっています。
レポート画面の見方
標準レポートでは、リアルタイム、ユーザー属性、トラフィック獲得、エンゲージメント、収益化などのカテゴリで基本的なデータを確認できます。
オウンドメディア運営で特に重要なのは以下のレポートです。
- トラフィック獲得: どのチャネル(オーガニック検索、SNS、メール等)からユーザーが流入しているか
- ページとスクリーン: どの記事がよく読まれているか
- エンゲージメント: ユーザーがどの程度サイトに滞在・操作しているか
探索レポートの活用
探索レポートでは、自由形式でカスタム分析ができます。ファネル分析やセグメント比較など、深掘り分析に活用できます。
たとえば、「オーガニック検索流入ユーザーのうち、資料ダウンロードに至った割合」といった分析を行う場合は、探索レポートでセグメントを作成して分析します。
オウンドメディアで見るべきGA4指標と確認画面
PVやセッション数だけを追い、「アクセスは増えているのに商談につながらない」という状態を放置するのは、よくある失敗パターンです。PVの増減に一喜一憂するだけでは、オウンドメディアの成果改善にはつながりません。
GA4では2023年5月にオーディエンスツールが更新され、エンゲージメントの少ないセッションの計測が追加されました。これにより、より精度の高いユーザー行動分析が可能になっています。
コンバージョン(CV) とは、目標とするユーザー行動の達成を指します。資料DL、問い合わせ完了などをイベントとして設定し、その達成を追跡します。
【比較表】オウンドメディアで見るべきGA4指標と確認画面
| 指標 | 意味 | 確認画面 | 目安・注意点 |
|---|---|---|---|
| ユーザー数 | サイトに訪問したユニークユーザー数 | レポート>概要 | 流入チャネル別に分解して確認 |
| セッション数 | サイトへの訪問回数 | レポート>トラフィック獲得 | ユーザー数との比率で再訪問率を把握 |
| エンゲージメント率 | エンゲージしたセッションの割合 | レポート>エンゲージメント | 低い場合はコンテンツ改善が必要 |
| 平均エンゲージメント時間 | ユーザーがサイトに滞在した平均時間 | レポート>エンゲージメント | 記事の読了率の目安になる |
| コンバージョン率(CVR) | セッション数に対するCV数の割合 | レポート>エンゲージメント>コンバージョン | 業界・チャネルにより大きく変動 |
| 流入チャネル別CV数 | チャネルごとのコンバージョン数 | 探索レポートで設定 | 効果的なチャネルを特定 |
PV・セッション数だけでは不十分な理由
PVやセッション数が増えても、それが商談や売上につながっているかどうかは、PVだけを見ていても分かりません。
オウンドメディアの目的がリード獲得や商談化であれば、「資料ダウンロード数」「問い合わせ数」「メルマガ登録数」といったコンバージョン指標を設定し、追跡する必要があります。
エンゲージメント率とコンバージョン率の見方
BtoBオウンドメディアのチャネル別コンバージョン率の目安として、オーガニック検索流入で約1%、メール流入で約5%という数値が参考にされることがあります。ただし、これは業界・商材・企業規模により大きく変動するため、自社データでの検証が必須です。
エンゲージメント率が低い記事は、ユーザーの期待と内容のミスマッチが考えられます。タイトルと内容の一致、読みやすさ、CTAの配置などを見直す必要があります。
コンバージョン設定の具体的な手順
資料DL、問い合わせなどのコンバージョンをGA4で設定するには、まずイベントを設定し、そのイベントをコンバージョンとしてマークする流れになります。
イベントとは、GA4におけるユーザー行動の計測単位です。ページビュー、クリック、スクロールなどを計測します。
【チェックリスト】オウンドメディアGA4設定・確認チェックリスト
- GA4プロパティが作成されている
- 測定IDがサイトに正しく設置されている
- リアルタイムレポートでデータ取得を確認済み
- 資料DLのイベントが設定されている
- 問い合わせ完了のイベントが設定されている
- 設定したイベントがコンバージョンとしてマークされている
- Google Search Consoleとの連携が完了している
- データ保持期間が14ヶ月に設定されている
- 内部トラフィック(社内アクセス)の除外設定が完了している
- 主要レポートのカスタマイズが完了している
- 探索レポートのテンプレートが作成されている
- Looker Studioとの連携が設定されている(任意)
- 月次レビューの担当者と日程が決まっている
- コンバージョンデータの確認方法が社内で共有されている
イベント設定の基本
カスタムイベントを設定するには、GA4の管理画面から「イベント」を選択し、新しいイベントを作成します。
たとえば、資料ダウンロードページへの到達をイベントとして設定する場合、ページパスの条件(例: page_location contains "thank-you")を指定します。より高度な設定を行う場合は、Googleタグマネージャー(GTM)を使用することが一般的です。
コンバージョンとしてマークする方法
設定したイベントをコンバージョンとして登録するには、以下の手順で行います。
- GA4の管理画面を開く
- 「データの表示」>「キーイベント」を選択
- 対象のイベント名の横にある「キーイベントとしてマークする」をオンにする
これにより、そのイベントがコンバージョンとして計測され、レポートで確認できるようになります。
GA4データを改善につなげる運用方法
GA4で取得したデータは、継続的に確認し、改善サイクルを回すことで成果につながります。
MA(マーケティングオートメーション) とは、マーケティング活動を自動化するツールです。GA4と連携することで、リード獲得から商談化まで一気通貫で分析できるようになります。
TBSグループでは、2024年7月にGA4を契約し、10月にリニューアルを完了しました。この事例では、広告流入の可視化とデータ民主化(全社員がデータにアクセスできる環境)を実現しています。
月次レビューと改善サイクル
月次でGA4データを確認し、改善につなげるサイクルを構築することが重要です。
Looker StudioでGA4データを可視化し、ダッシュボードを作成することで、レポート作成の工数を削減できます。月次比較を行い、「どのチャネルからの流入が増えたか」「どの記事のCVRが高いか」を把握し、次月の施策に反映させます。
MAツールとの連携で商談化まで追跡
GA4だけでは、リード獲得後の商談化や受注までを追跡することは困難です。MAツールと連携することで、Webサイトでの行動データと商談・受注データを紐づけて分析できるようになります。
具体的には、GA4で取得したユーザー行動データをMAツールに連携し、どのコンテンツを閲覧したユーザーが商談化しやすいかを分析します。これにより、効果的なコンテンツの特定や、ターゲットユーザーへのアプローチ最適化が可能になります。
まとめ:PVの先を見るGA4活用で商談につなげる
本記事では、オウンドメディアのGA4設定と見方について解説しました。
- GA4導入済み企業は71%超だが、「PVを見ているだけ」という企業が多い
- PVやセッション数だけでなく、エンゲージメント率やCVRを確認することが重要
- コンバージョン設定により、資料DLや問い合わせの達成を追跡できる
- 月次レビューとMAツール連携で、商談化まで一気通貫で分析可能
オウンドメディアのGA4活用は、PVやセッション数だけを追うのではなく、戦略に沿ったKPI(CVR・商談化率)を設計し、そのデータを継続的に確認・改善する仕組みを整えることで、はじめて成果につながります。
まずは本記事で紹介したチェックリストを使い、自社のGA4設定状況を確認してみてください。コンバージョン設定が完了していない場合は、まずそこから始めることをおすすめします。
