オウンドメディア運営で「戦略がない」と感じたら確認すべきこと
「記事は定期的に公開しているのに、なかなか成果につながらない」——そんな悩みを抱えるBtoB企業のマーケティング担当者は少なくありません。
オウンドメディアを運用する企業は全体の23.1%に達していますが、明確な戦略を持って運営できている企業はその一部に過ぎません。「戦略がない」と感じている状態は、実は改善の第一歩です。
本記事では、戦略を立てるだけでなく、全記事に一貫して反映させる仕組みが必要という視点から、オウンドメディア戦略の作り方を解説します。
戦略なしのオウンドメディアが陥る失敗パターン
戦略がないまま運営を続けると、どのような問題が起きるのでしょうか。代表的な失敗パターンを見ていきましょう。
記事ごとに主張がブレて読者に刺さらない
担当者やライターが変わるたびに、記事のトーンや訴求ポイントがバラバラになっていませんか。「誰に・何を・なぜ伝えるか」が一貫しないと、読者は「このメディアは何を伝えたいのか」が分からず、離脱してしまいます。
記事を量産すれば成果が出るという考えは誤りです。一貫性のない100記事より、戦略に沿った30記事の方が成果につながります。
PVは増えても問い合わせにつながらない
アクセス数は順調に伸びているのに、問い合わせや資料請求が増えない。これは「PVが増えれば成功」という誤解から生まれる典型的な問題です。
ターゲットと訴求軸が曖昧なままでは、CV(コンバージョン)につながる導線設計ができません。KGI(最終目標)とKPI(中間指標)を明確にし、それに沿ったコンテンツ設計が必要です。
オウンドメディア戦略設計の基本ステップ
戦略設計は「目的→ターゲット→KPI」の順で連動させることが重要です。以下のチェックリストで自社の状況を確認してみてください。
【戦略設計チェックリスト】
- □ オウンドメディアの目的(KGI)が明文化されている
- □ ターゲット顧客のペルソナが具体的に定義されている
- □ 自社のUSP(独自の強み)が言語化されている
- □ 競合との差別化ポイントが明確である
- □ KPIが目的と連動して設定されている
- □ リード育成(リードナーチャリング)の導線が設計されている
目的・ターゲット・KPIを連動させる
チェックリストの各項目は独立しているのではなく、すべてが連動しています。目的が「商談数の増加」なら、ターゲットは「購買検討段階にある担当者」、KPIは「資料請求数」や「問い合わせ数」となります。
この連動を意識せずに「とりあえずPV」をKPIにすると、目的との乖離が生まれます。
戦略なしと戦略ありで何が変わるか
戦略の有無による違いを整理すると、以下のようになります。
【戦略なし vs 戦略ありの比較】
| 項目 | 戦略なし | 戦略あり |
|---|---|---|
| 記事の一貫性 | 担当者により主張がバラバラ | 全記事で訴求軸が統一 |
| 指標設計 | PV重視で成果が見えない | 目的連動のKPIで効果測定 |
| 検索順位 | 上位表示が安定しない | 戦略的SEOで上位維持 |
| CV率 | アクセスはあるがCVしない | 導線設計で問い合わせ増加 |
| 運用負荷 | 都度判断で属人化 | 仕組み化で効率運用 |
戦略設計型オウンドメディアの成果事例
戦略を持って運営した企業では、大きな成果を上げた事例があります。ある企業では、SEO網羅と継続発信により、過去3年で資料ダウンロード数が34倍、受注額が9倍に達しました。
また、戦略設計を徹底した企業では、公開記事の7割が検索結果の1ページ目に表示されるという成果も報告されています。ただし、これらは個別事例であり、同様の成果を保証するものではありません。
戦略を全記事に反映させる仕組みの作り方
戦略を立てても、それが各記事に反映されなければ意味がありません。戦略を立てるだけでなく、全記事に一貫して反映させる仕組みが必要です。
ターゲット・USP・競合情報を構造化して共有する
担当者やライターが変わっても主張がブレないようにするには、戦略情報を構造化して共有することが重要です。
具体的には、以下の情報をドキュメント化しておきます。
- ターゲットペルソナの詳細(役職、課題、情報収集行動)
- 自社のUSPと訴求すべきポイント
- 競合との差別化ポイント
- 記事で使うべきトーン・表現ガイドライン
これらを「戦略シート」として一元管理し、記事制作時に必ず参照するルールを設けます。
自社だけで難しい場合の選択肢
戦略設計から記事制作まで自社で完結させるのは、リソースの面で難しいケースもあります。コンテンツ制作のアウトソーシング市場は3,000億円を超えており、外部支援を活用する企業は増えています。
外部に依頼する場合も、戦略情報の構造化と共有は必須です。「丸投げ」ではなく、戦略を共有した上で制作支援を受けることで、一貫性を保ちながら効率的な運用が可能になります。
まとめ:戦略を立て、反映させる仕組みで成果につなげる
オウンドメディアで成果を出すためには、戦略を立てるだけでなく、全記事に一貫して反映させる仕組みが必要です。
本記事のチェックリストを活用して、まずは自社の戦略設計状況を点検してみてください。「誰に・何を・なぜ伝えるか」が明確になれば、記事ごとの主張のブレはなくなり、PVだけでなくCVにつながるメディア運営が実現できます。
戦略設計と仕組み化——この2つを両輪として進めることが、オウンドメディア成功への道筋です。
